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疲れないオフィスチェアの条件|座面と背もたれの見方

夕方になると尻の位置を何度も直している。

それは椅子の詰め物が薄いからではなく、座面の高さが机と合っていないことが原因の場合が多いです。

座面が高すぎれば足裏が浮いて太ももの裏が圧迫され、低すぎれば背中が丸まって腰の一点に体重が乗ります。

まず机の天板の高さを測り、そこから座面の可動域を見る。

この順番を守るだけで候補はかなり絞れます。

本ページでは、机の高さから座面を決める順番・メッシュと合皮で変わる蒸れ方・背もたれが高い椅子が前傾作業で浮く理由・買う前に部屋で測る場所まで、まとめて紹介します。

疲れないオフィスチェアは、座面の高さと奥行きが体に合っているかで決まる

長時間座って出てくる痛みは、たいてい体重の支え方が偏った結果です。

理想は、足裏が床に全面つき、膝がほぼ直角、太ももの裏が座面の前端で圧迫されない状態。

ここが崩れると、体は無意識に姿勢を作り替えて、腰や首の一点に負担を集めます。

そのために見る数字は2つあります。

ひとつは座面高の可動域。

日本のデスクは天板高70〜72cmが多く、身長が160cm前後だと座面を40cm近くまで下げたいのに、下限が44cmで止まる椅子も珍しくありません。

もうひとつは座面の奥行き。

膝の裏と座面の前端の間に指が3〜4本入るくらいが目安で、奥行きが深すぎる椅子は背もたれに背中を預けると膝裏が当たり、結局浅く座ることになります。

浅がけになった椅子は、どれだけ高機能でも背もたれが仕事をしません。

座面高が合わないときの逃げ道はフットレストです。

ただしこれは足裏の支えを作る手当てで、奥行きが深すぎる問題は解決しません。

奥行きを調整できる座面スライド機構を持つ型なら、そこを体に合わせられます。

体格が平均から外れている人ほど、この機構の有無が効いてきます。

オフィスチェアの型は、背もたれの高さと座面の傾き方で分かれる

ハイバック・エクストラハイバック

背もたれが肩から上まであり、ヘッドレストが付くものもあります。

もたれて休むときの支えは大きい。

一方で、机に向かって前かがみになる時間が長い作業では、背中が背もたれから離れて支えが効かなくなります。

休憩と作業を椅子の上で切り替える人向き。

ミドルバック・ローバック

背もたれが肩の下までのタイプ。

腕を動かす範囲が広く、机に寄って作業する姿勢で干渉しにくいのが利点です。

もたれて仮眠を取るような使い方には向きません。

腰の支え(ランバーサポート、腰の反りを受ける出っ張り)の位置が上下に動くかどうかを見ておくといいです。

ゲーミングチェア

背もたれが高く、両脇の張り出しで体を包む構造。

もたれる前提で作られており、前傾で作業する時間に合わせて座面を前に傾ける機構はふつう持ちません。

オフィスチェアと同じ棚に並んでいても、設計の目的が別です。

「椅子」でひとくくりにして比べると判断を誤ります。

前傾チルト付きのワークチェア

座面ごと前に数度傾けられる機構を持つ型。

キーボード作業や手書きで前かがみになる姿勢でも、腰の角度を保ったまま体を支えられます。

機構が増えるぶん本体は重く、価格帯も上がります。

タイプ別に、どういう座り方の人へ向くか

下の表は、作業時間と姿勢から適合を整理したものです。

数値は一般的な仕様の傾向で、製品ごとに幅があります。

タイプ構造の特徴向いている人向かない人
ハイバック(ヘッドレスト付き)肩から頭まで支える背もたれ、リクライニング幅が大きい作業と休憩を同じ椅子で切り替える人、通話や動画視聴の時間が長い人机に体を寄せて前傾で書く時間が長い人
ミドルバック肩下までの背もたれ、腕の可動を妨げにくいキーボード中心で毎日長時間作業する人、狭い机で肘を動かす人背もたれに頭を預けて休みたい人
前傾チルト付き座面が前方へ数度傾く、座面スライドを併せ持つ型が多い手書き・製図・細かい画面作業で前かがみになる人もたれる時間のほうが長い人、軽い椅子を求める人
ゲーミングチェア高い背もたれと両脇の張り出し、フルフラット近くまで倒れる型もあるもたれた姿勢が作業の基本になっている人前傾作業が中心の人、座面の奥行きを細かく合わせたい人
座面スライド付き座面の奥行きを数cm単位で前後できる身長が平均から外れている人、家族で椅子を共有する人調整の手間をかけたくない人

迷ったときの決め方はひとつ。

1日のうち、机に寄って前かがみでいる時間ともたれている時間、どちらが長いかを思い出してください。

前者ならミドルバックか前傾チルト付き。

後者ならハイバック。

この振り分けが、座面の細かい仕様よりも先に効きます。

タイプごとの相場感や価格帯で何が変わるのかは、価格帯ごとに増える機構の考え方で解説しています。

ご覧ください。

オフィスチェアの素材で変わるのは、通気と手入れの手間

座面と背もたれの素材は、座り心地よりも「暑い季節に何時間座れるか」に効きます。

メッシュは布を張った面に空気が通るので、背中の熱がこもりにくい。

ただしメッシュそのものが涼しい風を送るわけではなく、通気があるという構造の話です。

張りが強い製品は座った瞬間の硬さを感じやすく、糸の目に埃が入ると掃除機かブラシで落とすことになります。

メッシュの向き不向きは、蒸れ方と使う季節ごとの相性で解説しています。

ご覧ください。

ファブリック(布張り)は当たりが柔らかく、価格帯も広い。

反面、飲み物をこぼしたときの染みは落ちにくく、汗の吸収でにおいが残ることもあります。

合皮は拭き取りが最も楽ですが、通気はほぼない。

夏場に短パンで座ると肌に張り付く感覚が出やすく、年数が経つと表面が剥離してくる製品もあります。

本革は手入れが前提で、乾燥すればひび割れる。

週に数回、1回1〜2時間なら素材の差はそこまで出ません。

毎日6時間以上座るなら、通気と手入れのどちらを優先するかを決めてから型を絞ったほうが早い。

汗をかきやすい体質でクッション性も欲しいなら、座面はモールドウレタン、背もたれはメッシュという組み合わせの型が選択肢になります。

疲れないつもりで選んで外す、よくある3つのパターン

肘掛けの高さを確認しなかった

肘掛けが天板の下に入らないと、椅子を机に寄せられません。

結果として体が机から遠くなり、腕を伸ばして肩に力が入る姿勢が固定されます。

肘掛けの上面高さと、机の天板下面までの高さを測って比べてください。

上下昇降できる肘掛けなら、下限がどこまで下がるかを見る。

跳ね上げ式や取り外しできる型もあります。

クッションの厚みだけで判断した

厚い座面は座った瞬間の柔らかさを感じさせますが、長時間では沈み込んで骨盤が後ろに傾くこともあります。

腰が丸まった姿勢のまま数時間座ることになれば、厚みは助けになりません。

見るべきは厚みより、座面高と奥行きが体に合うかどうか。

硬さの好みはその後です。

キャスターと床の相性を見ていなかった

フローリングに硬いキャスターを使うと傷が付きます。

逆に毛足の長いカーペットでは、樹脂キャスターが沈んで動かしにくい。

ウレタン被覆のキャスターは床に優しい代わりに摩耗が早め。

床材に合わせてキャスターを交換できる製品かどうかも、事前に確認しておく価値があります。

買う前に部屋で測る場所と、突き合わせる数字

通販で椅子を選ぶなら、メジャーで測るのは4か所です。

ひとつ、机の天板上面までの高さ。

多くは70〜72cmですが、輸入品や自作天板だと違います。

ふたつ、天板下面の高さ(引き出しや幕板があるならその下端まで)。

ここが肘掛けと膝の通り道になります。

みっつ、椅子を置く床の面積。

オフィスチェアの脚は直径65〜70cm前後あり、リクライニングさせると背もたれが後ろへ20cm近く出る型もあります。

よっつ、部屋の入口の幅。

組み立て済みで届く大型チェアが玄関を通らない例は実際にあります。

この4つの数字が出たら、製品仕様の座面高(最低〜最高)、肘掛け高さ、脚の直径、梱包サイズと突き合わせる。

座面高は、身長から割り出した目安(身長×0.25前後が下腿長のおおよそ)が可動域に入っているかを見ます。

可動域の下限が目安より高い椅子は、どれだけ評判がよくても体に合いません。

机の高さそのものが合っていない場合は、椅子より先に机を見直したほうが効くこともあります。

天板の高さを変えられる机で作業姿勢を組み直す考え方は、立ち座りを切り替える机の基準で解説しています。

ご覧ください。

手元の暗さで前かがみになっている場合もあるので、姿勢が崩れる原因が椅子だけとは限りません。

照明側の条件は、明るさと配置で目の負担が変わる話で解説しています。

ご覧ください。

座って数日で違和感が出たら、調整をやり直す順番

買った直後に痛みが出ると椅子が悪いと感じますが、調整が初期設定のままという場合もあります。

順番は決まっています。

まず座面高。

足裏が全面床につく高さに下げ、机との差が大きすぎるならフットレストで足元を作る。

次に座面の奥行き。

膝裏に指が3〜4本入る位置へ。

三番目にランバーサポートの高さを、腰の反りのいちばん深いところへ合わせる。

最後に肘掛けを、肩が上がらず腕を置ける高さへ。

リクライニングの張力(ロッキングの強さ)は、背中を預けたときにゆっくり倒れる程度が目安です。

強すぎると背もたれが押し返してきて、体が前に押し出されます。

ここを1週間ほどかけて詰めても違和感が残るなら、体格と椅子の可動域が合っていない可能性が高い。

なお、痛みや麻痺のような症状が続く場合は、椅子の調整で対処しようとせず医療機関に相談してください。

椅子でできるのは、同じ姿勢を続けやすくすることまでです。

手入れの面では、キャスターに絡んだ髪や埃を定期的に取ると転がりが戻ります。

ガスシリンダーが下がってくる、背もたれが固定されないといった症状が出たら、部品交換が可能かをメーカーに確認するのが先で、分解は避けてください。

よくある質問

安い椅子でも疲れにくくできますか

座面高と奥行きが体に合っていれば、機構が少ない椅子でも姿勢は保ちやすくなります。

逆に、可動域が体に合わない椅子はどれだけ高機能でも合いません。

どこを妥協してよいかの線引きは、妥協できる部分の見分け方で解説しています。

ご覧ください。

ゲーミングチェアはデスクワークに使えませんか

使えないわけではありません。

もたれた姿勢が作業の基本になっている人には合います。

ただ、机に体を寄せて前かがみで書いたり打ったりする時間が長い人には、両脇の張り出しと高い背もたれが邪魔になりがち。

用途で分かれます。

店頭で試座するとき、何分座れば判断できますか

数分では柔らかさしか分かりません。

可能なら10分以上、しかも実際の作業姿勢(前かがみでキーボードを打つ格好、もたれて画面を見る格好)の両方を取ってみてください。

そのときに座面高と奥行きを自分で動かして、可動域が足りるかを確かめるのが目的です。

クッションを足せば今の椅子でも大丈夫ですか

座面が低すぎる場合、クッションで高さを稼ぐのは有効です。

ただし座面が高すぎる、奥行きが深すぎるという問題はクッションでは解決しません。

むしろ厚みを足すことで、肘掛けが天板下に入らなくなることもあります。

評価の高い椅子を選べば失敗しませんか

レビューの評価は、書いた人の体格と机の高さに紐づいています。

同じ椅子で「腰が楽になった」と「合わなかった」が並ぶのは、そのためです。

評価が割れる理由と読み方は、評価が分かれる背景と選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

まとめ

疲れにくさを左右するのは、座面の高さと奥行きが自分の体と机に噛み合っているかどうかです。

そのうえで、前傾で作業する時間が長いならミドルバックか前傾チルト付き、もたれる時間が長いならハイバック。

素材は通気と手入れのどちらを取るかで決まります。

まずはメジャーで、机の天板上面と下面の高さを測ってみてください。

その2つの数字があるだけで、候補の半分は自動的に消えます。

基準の全体像を整理したい場合は、自宅で長く座る椅子を選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

実店舗で座って確かめられる選択肢を含めて検討するなら、店頭で試しやすい椅子の種類と違いもあわせてご覧ください。

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