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オフィスチェアのクッションの選び方|厚みと素材の目安

座面に敷くクッションは、厚みと反発の強さで選び分ける道具です。

同じ「低反発」という表示でも、沈み込みの深さはメーカーによって違い、共通の測定基準はありません。

だから店頭の表示だけで比べようとすると、思ったより沈んで机が高くなる、あるいは硬すぎて数十分でお尻が痛くなるという結果になります。

厚みは3cm前後の薄いものから10cm近いものまであり、この差は座面の高さにそのまま乗ります。

机の天板との距離が数cm変わるだけで、肘の角度も足の裏の接地も変わる。

つまりクッションは「座り心地の追加パーツ」ではなく、椅子の高さ設定をやり直す道具でもあります。

本ページでは、厚みと素材の表示の読み方・自分の机の高さから決める手順・表示がメーカーごとにずれる理由・合わないときに出る症状まで、順に紹介します。

オフィスチェアのクッションは、厚み・素材・形状の3つで表示されている

商品ページに並ぶ数値は、たいてい外寸(幅×奥行×厚み)と素材名です。

単位はcmとmmが混在するので、まず桁を確認してください。

40×40×5cmと書かれていれば、座面のほぼ全面を覆う一般的なサイズになります。

素材として多いのは、低反発ウレタン、高反発ウレタン、ゲル、ジェルとウレタンの併用、そしてビーズやそば殻のような粒状の中材です。

低反発は体の形に沿って沈み、高反発は押し返す。

ゲルは面で荷重を受けつつ熱がこもりにくい傾向があります。

ただしこれらは業界共通の定義に基づく分類ではなく、各社が自社製品の性質を説明するために使っている呼び名です。

形状の表示もあります。

中央や後方に穴・くぼみを設けた「U字」「ドーナツ型」、太ももの下から骨盤を支える「くさび型(座面が前傾する形)」、左右に土手を作って脚が開かないようにした形など。

形状名は各社が独自に付けているので、名前より断面の写真を見たほうが判断できます。

厚みと反発の組み合わせで、座り心地はこう変わる

表示を読むときは、厚みと反発を単独ではなく組み合わせで見てください。

薄くて高反発なら座面高はほとんど変わらないが、当たりの柔らかさも増えない。

厚くて低反発なら包まれる感覚は強いが、沈み込んだぶん実際の座面高は表示の厚みより低くなります。

表示の例座ったときの傾向向いている条件
厚み3cm前後・高反発沈み込みが浅く、座面高がほぼ変わらない今の椅子の高さが合っていて、座面の硬さだけを和らげたい
厚み5cm前後・低反発数分かけて沈み、実質の高さは1〜2cm下がる座面が硬く、長時間で当たりが気になる。椅子を下げる余裕がある
厚み8cm以上座面高が明確に上がる。足が浮きやすい椅子が低すぎる、または座面が低い和室の椅子に使う
ゲル・ジェル系点で沈まず面で受ける。熱がこもりにくい傾向夏場の蒸れが気になる、汗をかきやすい
くさび型(前傾形状)骨盤が起き、前かがみになりにくいキーボード作業で前のめりになりやすい
U字・穴あき尾骨の当たりを避けられる座面の後端が骨に当たる感覚がある

体重による差も無視できません。

同じ厚み5cmの低反発でも、体重が重いほど沈み込みは深くなり、実質の厚みは減ります。

商品ページの厚みは荷重をかけていない状態の数値だと考えてください。

机の高さを測ってから、クッションの厚みを決める

手順は決まっています。

まず天板の裏側までの高さを測り、次に今の座面高を測る。

この差が、太ももから天板までのすき間になります。

一般的な作業姿勢の目安は、肘が90度前後で天板に載り、足の裏が床につく状態です。

すき間が足りていない(太ももが天板に当たる、肘が上がる)場合、厚いクッションを足すと状況は悪化します。

この場合は椅子の座面を下げてから、下げたぶんに収まる厚みを選ぶ。

座面がこれ以上下がらないなら、厚みは3cm前後にとどめるのが現実的です。

逆に、椅子を一番高くしても肘が天板より下になるなら、厚みで足す余地があります。

ただし座面が上がると足の裏が床から離れやすい。

足が浮いたまま座ると太ももの裏に体重が集まり、数時間で疲れとして出ます。

足元の高さをどう埋めるかは、足を置く台と座面高の決め方で解説しています。

ご覧ください。

奥行きも見てください。

クッションを敷くと座面の有効な奥行きが実質的に浅くなる製品もあり、逆に前方に張り出す形なら膝裏を圧迫します。

椅子の座面奥行きより2〜3cm小さいものを選ぶと、前端に乗り上げずに収まります。

同じ「低反発」でも硬さが違うのは、共通の測定基準がないから

ウレタンの硬さや反発率は、メーカーが自社の試験方法で測った数値を公表しています。

家庭向けのクッションでは、その数値を表示しない製品も多い。

つまり「低反発」「高反発」という言葉は、各社が自社ラインの中での相対的な位置づけとして使っているもので、A社の低反発とB社の低反発が同じ沈み方をする保証はありません。

この点を前提にしないと、買い替えのたびに座り心地が変わる理由が分からなくなります。

密度(kg/m³)を書いている製品なら、比較の手がかりになります。

密度が高いほど中材が詰まっており、荷重で潰れきるまでの余裕が大きい傾向にあります。

ただし密度は硬さそのものではなく、硬さは別の指標で測られる。

両方が書かれていないと、数値だけで硬さを言い当てることはできません。

では何を見るか。

判断の順序は、①厚みの実寸、②断面の写真(穴やくさびの形)、③カバーの素材と洗えるか、④レビューで沈み込みへの言及が多いか、の順です。

硬さの表示は最後に参考として読む。

実際に座って確かめられる状況なら、それが一番確実な確認方法になります。

試すときの見方は、座って確かめるときの手順で解説しています。

ご覧ください。

合わないクッションを敷くと出てくる症状

いちばん多いのは、座面が上がって足の裏が床から離れることです。

足が浮くと、体重の一部を受け持っていた床がなくなり、太ももの裏と座骨に荷重が集中する。

厚みを足したのに座り心地が悪くなったという場合、この状態を疑ってください。

次に、滑って前にずれていく症状。

カバーがつるつるした生地で、椅子の座面もメッシュや合皮だと、体を動かすたびにクッションだけが前に出ます。

裏面に滑り止め加工があるか、ゴムバンドや面ファスナーで固定できるかを確認する。

滑りにくさと厚みのバランスは、座布団タイプを選ぶときの目安で解説しています。

ご覧ください。

三つめは、へたりによる高さの変化です。

使い始めの厚みが半年後も同じとは限らず、沈み込みが増えれば座面高は下がります。

ある日から急に肘が上がりにくくなったなら、椅子ではなくクッションが薄くなっている可能性がある。

最後に、蒸れ。

密度の高いウレタンは通気しにくく、夏場は太ももの裏に汗がたまります。

メッシュのカバーやゲル系の中材は熱がこもりにくい傾向ですが、室温と着衣の影響も大きいので、素材だけで解決するものではありません。

なお、座り続けて痛みが続く場合は、クッションで対処しようとせず医療機関に相談してください。

クッションの仕様は、商品ページのどこに書いてあるか

通販の商品ページなら、「商品仕様」「サイズ」の欄に外寸と素材が並んでいます。

見落としやすいのは、外寸の「厚み」がどこの厚みかという点です。

中央がくぼんだ形状では、最も厚い部分の数値を載せている製品と、平均的な厚みを載せている製品があります。

断面図があればそちらを優先して読んでください。

カバーの扱いも仕様欄です。

「カバー取り外し可」「洗濯機可」「手洗いのみ」の区別は、毎日使うものでは効いてきます。

中材まで洗えるものはほとんどないので、カバーが外れるかどうかが手入れの分かれ目になる。

店頭では、パッケージ側面か下部のラベルに寸法と素材表示が入っています。

ただし椅子との相性は現物を合わせないと分かりません。

椅子ごと買い替える選択肢もあり、そのときクッションを足さずに済む座面かどうかも見ておきたいところ。

椅子側の判断基準は、自宅で疲れにくい一脚を選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

取扱いは店舗や時期で変わるので、狙った寸法があるなら在庫の確認から始めるのが早いです。

よくある質問

クッションを敷いたら机が低く感じます。どうすればいいですか

クッションの厚みぶん座面が上がっているので、椅子の座面高を同じだけ下げてください。

それでも肘が上がるなら、机側を上げる方法もあります。

天板の高さを変えられる机の考え方は、立ち座りを切り替える机の基準で解説しています。

ご覧ください。

低反発と高反発、長時間の作業ならどちらですか

作業時間だけでは決まりません。

座面が硬くて当たりが気になるなら低反発、姿勢を変える動きが多くて沈み込みが邪魔なら高反発、という選び分けになります。

前かがみになりやすい人は、反発の種類より前傾形状のほうが効くこともある。

ゲル素材は夏でも蒸れませんか

ウレタン単体よりは熱がこもりにくい傾向にあります。

ただし蒸れない、とは言い切れません。

室温、椅子の座面素材、着ているもので変わります。

カバーがメッシュかどうかもあわせて見てください。

まとめ

クッションは座り心地を足すだけの道具ではなく、座面の高さを数cm動かすパーツです。

だから選ぶ順序は、厚みの実寸を確かめて机との距離に収まるかを見る、それから断面の形と素材を見る、という流れになります。

「低反発」「高反発」の表示に共通基準はないので、言葉より寸法と写真を信じたほうが判断を誤りにくい。

まずは天板の裏までの高さと、今の座面高をメジャーで測ってみてください。

その差の数値が分かれば、選べる厚みの範囲は自然に絞られます。

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