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あぐらをかけるオフィスチェアの条件|座面の広さの見方

椅子の上でいつのまにか足を組み、そのまま片足を座面に上げてあぐらになっている。

オフィスチェアの座面は、ほとんどが「両足を床に着けて座る」前提で幅と奥行きが決められていて、あぐらの姿勢はそもそも想定に入っていません。

だから座面の幅が足りず、肘掛けが膝に当たり、傾いた座面が骨盤を後ろへ倒す。

困るのはこの3点です。

本ページでは、あぐらで座ると何が起きるか・座面と肘掛けで見る条件・裏目に出る機構まで、まとめて紹介します。

あぐらで座ると、オフィスチェアの座面はどこから足りなくなるか

あぐらは、両足を床に着けた姿勢よりも横に広い面積を使います。

膝が左右に開くので、座面の幅がそのまま座れるかどうかを決める。

一般的なオフィスチェアの座面幅は45〜50cm前後の製品が多く、この幅だと膝の外側が座面の端から落ちます。

片方だけ落ちた状態が続くと、体重が左右で偏る。

次に効くのが座面の形です。

人間工学をうたう椅子の座面は、太ももの裏を支えるために前縁が下がっていたり、中央がくぼんでいたりします。

床に足を着けるなら理にかなった形でも、あぐらでは尻の下に傾斜ができ、骨盤が後ろへ転がる方向に力がかかります。

丸まった背中を背もたれで支えようとしても、腰の一点に体重が集まりやすい。

三つめは肘掛け。

あぐらでは膝の高さが座面から10cm以上上がるため、下げきれない肘掛けが膝の外側にぶつかります。

ぶつかると足を寄せるしかなく、結果として片足だけ崩した中途半端な座り方に落ち着く。

あぐらで長時間座ったあとに膝の外側や足首がじんじんするのは、この窮屈さが原因になっている場合があります。

痛みや麻痺が残る場合は、椅子の話ではなく医療機関に相談してください。

あぐら向きのオフィスチェアは、座面幅・平ら・肘掛けの逃げで決まる

まず座面幅を見てください。

あぐらで組む姿勢なら、座面幅50cm以上を目安にすると膝の外側まで載ります。

体格によっては55cm前後ほしい人もいる。

座面幅は各社が寸法表に必ず載せている数値なので、購入前に確認できる数少ない項目です。

自分が床であぐらを組んだとき、両膝の外側の距離をメジャーで測っておくと比べられます。

次が座面の平らさ。

中央のくぼみが浅く、前縁の下がりが少ない、いわゆるフラットな座面のほうがあぐらは安定します。

メッシュ座面は張りで面ができるため平らに近いことが多い一方、縁のフレームが太いと膝の裏に当たる。

クッション座面なら、厚みがあって沈み込みすぎないウレタンのものが座り位置を保ちやすいです。

三つめが肘掛けの逃げ方です。

跳ね上げ式(背もたれ側へ回転して上がる)か、そもそも肘掛けのない型なら、膝の当たりを気にせず組めます。

高さ調整だけの肘掛けは、下げても座面から数センチの位置に残るので、あぐらでは邪魔になりがち。

肘掛けを外せる製品もありますが、外すと肘の支えを失うため、キーボード作業の時間が長い人は跳ね上げ式のほうが折り合いがつきます。

座面の高さ調整も忘れないでください。

あぐらでは足で床を踏まないので、机の天板と座面の関係だけで肘の高さが決まります。

天板の高さを測ってから、その差が使いやすい範囲に収まる昇降域の椅子を選ぶ。

机側で高さを合わせたいなら、立ち座りを切り替える机の基準で解説しています。

ご覧ください。

あぐらでは裏目に出る機構がある

前傾チルト(座面が前に傾く機能)は、あぐらとは方向が逆に働きます。

前傾は足で床を踏んで骨盤を立てる姿勢を助けるためのもの。

足が床にない状態で座面が前に傾くと、体が前へ滑り落ちるだけです。

前傾機構が売りの椅子を選ぶなら、水平にロックできるかを確認してください。

この機構が本来どういう作業で効くのかは、前傾姿勢に向く椅子の条件で解説しています。

ご覧ください。

ゲーミングチェアも、あぐら前提で見ると相性は分かれます。

座面の左右にサイドサポートの土手が立っている型は、膝を開く動きをそこで止めてしまう。

背もたれが高くもたれる姿勢に寄った設計なので、机に向かって作業する時間が長いなら別の問題も出ます。

座面が平らでバケット形状の浅いモデルなら候補にはなりますが、形状の写真だけで判断せず、座面幅の数値と土手の高さを見てください。

ロッキング(背もたれが後ろに倒れる機構)を強めに使う癖のある人も注意が要ります。

あぐらは足で床を押せないので、後ろへ倒す反動を体幹だけで受けます。

倒れ止めのロックがある製品を選び、作業中は固定しておくほうが姿勢が崩れにくい。

倒して休む時間を確保したいなら、リクライニング角度とオットマンの有無で選ぶ話になります。

どこまでの機構が必要かは、寝られる椅子に要る機構と判断基準で解説しています。

ご覧ください。

あぐらは長く続けない前提で、姿勢を切り替える運用にする

あぐらが楽に感じるのは、股関節の位置が変わって一時的に負担の当たり所が移るからです。

ただし同じあぐらを続ければ、今度はその姿勢で固まります。

骨盤が後傾したまま数時間というのは、床に足を着けた悪い姿勢と同じことになる。

1時間に一度は足を下ろす、片足だけ組む、立ち上がって歩く、といった切り替えを組み込んでください。

座面の上に足を上げるなら、靴を脱ぐ運用が前提になります。

靴の裏で座面を踏むと、メッシュは張りが落ち、ファブリックは繊維が潰れて跡が残る。

合皮の座面は表面に線状の傷が入りやすく、そこから剥離が進むことがあります。

在宅で毎日あぐらを組むなら、拭き取りやすいメッシュか、比較的傷に強い織りの厚いファブリックのほうが扱いやすいです。

キャスターの動きも見直したくなる場面があります。

足を上げると床を踏んで止められないので、体をひねった拍子に椅子ごと動く。

ロック付きキャスターに交換するか、脚が動かない構造を選ぶという手があります。

床材との相性まで含めた考え方は、キャスターなしの利点と向く床材で解説しています。

ご覧ください。

あぐらで座る人が寸法表で見る数値は4つだけ

製品ページの仕様表は項目が多いですが、あぐら用途で意味を持つのは限られます。

下の4項目だけ拾って比べてください。

見る数値目安なぜあぐらで効くか
座面幅50cm以上(体格により55cm前後)膝の外側が座面から落ちない
座面の奥行き45cm以上組んだ足の前後方向が収まる
座面の高さ調整幅可動域が5cm以上あるもの床を踏まないぶん、机との差だけで肘の高さが決まる
肘掛けの可動跳ね上げ式、または無し膝の当たりを逃がせる

耐荷重も一応の確認対象です。

あぐらは体重が座面の中心付近に集中するため、面で分散する座り方より一点への荷重が増えます。

表示された耐荷重に余裕がある製品を選んでおくと安心できます。

ヘッドレストは、あぐらで前かがみに作業する時間が長い人にはほとんど使われないまま残る装備です。

要る場面と要らない場面の線引きは、ヘッドレストが必要になる条件で解説しています。

ご覧ください。

店頭で試すなら、実際に靴を脱いで足を上げてよいか店員に確認してから座ってみるのが確実です。

数値だけでは、座面の縁のフレームの太さや張りの硬さは分かりません。

国内で実物を見比べやすいブランドの傾向は、ニトリの椅子の種類の違いと目安で解説しています。

ご覧ください。

よくある質問

あぐら専用のオフィスチェアはありますか

あぐらを明示した専用カテゴリの製品は、一般的なオフィスチェアの中では多くありません。

実際には、座面幅が広くて平らな座面を持ち、肘掛けが跳ね上がるか付いていないモデルが結果的に向きます。

仕様表の座面幅と肘掛けの可動方式で絞り込むのが現実的な探し方です。

あぐらで座り続けると腰に悪いですか

あぐら自体の良し悪しではなく、同じ姿勢が固定される時間の長さが問題になります。

骨盤が後ろに倒れた状態で数時間動かないと、腰の一部に体重が集まりやすい。

姿勢を定期的に変えることが基本で、痛みが続く場合は医療機関に相談してください。

座面が狭い椅子に座布団やクッションを足せば解決しますか

座面より大きいクッションを載せると、荷重がかかったときに端が沈んで足が滑ります。

座面の面積そのものが増えるわけではないので、幅不足の根本的な解決にはなりません。

座面が平らでないタイプの傾斜を打ち消したい場合に、薄くて硬めのものを敷くという使い方なら意味があります。

肘掛けは外してしまってもいいですか

ネジ留めで外せる製品もありますが、外すと肘の支えがなくなり、キーボード作業では肩に負担が移ります。

あぐらの時間と机作業の時間が両方長いなら、外すのではなく跳ね上げ式を選ぶほうが折り合います。

外したパーツは、椅子を売却したり修理に出したりする場面で必要になることがあるので保管しておいてください。

あぐら向きの椅子を選ぶと、普通に座ったときは使いにくくなりますか

座面が広く平らな椅子は、床に足を着けて座るぶんには問題なく使えます。

ただし太ももの裏を支える前縁の下がりが少ないため、脚が短めの人は膝裏の圧迫を感じる場合があります。

足置き台を併用するか、座面高をもう一段下げられる製品を選ぶと調整できます。

まとめ

あぐらで座るなら、見るべきは座面幅・座面の平らさ・肘掛けの逃げ方。

この3つが揃っていない椅子は、どれだけ高機能でも足を上げた瞬間に窮屈になります。

前傾チルトやサイドサポートのように、床を踏む前提で設計された機構は、あぐらでは逆に働くことも覚えておいてください。

まずは床であぐらを組んで、両膝の外側の幅を測ってみてください。

その数値を持って仕様表の座面幅と比べれば、候補はかなり絞れます。

椅子選びの基準を一から整理したいときは、疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

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