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昇降デスクの選び方|立ち座りを切り替える机の基準

昇降デスクは「立って使える机」ではなく、天板の高さを自分で変えられる机です。

座って作業する高さと立って作業する高さの両方に合わせられる、という点が本質。

ここを取り違えると、立ち作業に憧れて買ったのに結局ずっと座ったまま、という買い方になります。

実際につまずくのは、天板の可動域と自分の体格が噛み合っているかどうか。

座り姿勢に合う高さは身長で10cm以上ばらつきますし、立ち姿勢ならさらに上まで必要です。

最低高が下がりきらない製品を選ぶと、座ったときに肩がすくむ姿勢のまま何時間も過ごすことになります。

本ページでは、昇降デスクの定義と似た言葉の整理・電動と手動で変わること・タイプ別の向き不向き・買う前に測るべき寸法まで、まとめて紹介します。

昇降デスクとは、天板の高さを可動させる机のこと

昇降デスクは、脚部に高さを変える機構を持った机の総称です。

英語圏の「スタンディングデスク」という呼び方が輸入されたため、売り場では「スタンディングデスク」「昇降デスク」「上下昇降デスク」が同じ棚に並びます。

厳密に言えば、スタンディングデスクは立ち作業用の高い机全般を指す言葉で、高さが固定されたものも含まれます。

一方、昇降デスクは高さが変わることを指す言葉です。

この違いが効いてくるのは、通販の商品ページを見比べるときです。

「スタンディングデスク」で検索すると、高さ固定の立ち机と、座り高から立ち高まで動く昇降デスクの両方が混ざって出てきます。

座って使う時間もあるなら、固定式を選んだ時点で用途から外れます。

商品名ではなく、仕様表の「昇降範囲」または「高さ調整範囲」の欄を見るのが確実です。

もうひとつ紛らわしいのが、既存の机の上に置いて使う卓上型です。

これも昇降デスクの一種として売られますが、机そのものを買い替える据え置き型とは設置条件も可動域もまったく違います。

据え置き型と卓上型のどちらが自分の部屋に合うかは、卓上型と据え置き型の違いと選び分けで解説しています。

ご覧ください。

電動と手動で変わるのは、高さを変える回数

昇降デスクの駆動方式は、モーターで動かす電動と、ガス圧やハンドルで動かす手動に分かれます。

仕様表の数字だけを見ると、可動域は似ていることも多い。

差が出るのは、1日に何回高さを変えるかです。

電動はボタンひとつで動くため、作業の合間に何度でも高さを変えられます。

メモリー機能を持つ型なら、座り高と立ち高を登録しておいて呼び出せる。

ただし電源が必要で、机の下にケーブルが1本増えます。

本体重量も手動より重く、脚部にモーターとコントローラーが入るぶん、組み立ての持ち上げがひとりでは厳しい製品もあります。

手動は電源が要らないので、コンセントの位置に縛られません。

構造が単純で、故障する部品が少ない。

その代償として、高さを変えるたびに天板の上のものを気にしながらハンドルを回すか、レバーを引く手間がかかります。

回転式のハンドルは、可動域いっぱいまで動かすのに数十回転することもあります。

結果として「変えるのが面倒だから、ひとつの高さで使い続ける」という状態になりやすい。

1日に2〜3回以上高さを変える見込みがあるなら電動、朝に一度決めた高さで通すなら手動、という分け方が現実的です。

電動の駆動方式やモーター数の違いまで含めた判断基準は、電動タイプの仕組みと選ぶときの基準で解説しています。

ご覧ください。

手動側の使い勝手を先に知りたい場合は、手動タイプが向いている人の条件で解説しています。

あわせてご覧ください。

昇降デスクがねらっている作りと、その代償

昇降デスクが解決しようとしているのは、ひとつの高さで長時間作業を続ける状態です。

天板の高さが変われば、キーボードに手を置く位置も、画面を見る角度も変わる。

同じ姿勢を続けにくくなる、という設計思想の道具です。

ここは慎重に書きます。

昇降デスクを使えば腰痛が治る、姿勢が良くなる、といった効果は断定できません。

体格・机の高さ・椅子・作業時間の組み合わせで結果は変わり、立ち作業を長く続ければ足や膝に負担が集中することもあります。

メーカーが立ち作業のメリットを掲げている場合は、それはメーカーの主張として読むのが妥当です。

体の痛みが続いているなら、机を買う前に医療機関に相談してください。

代償のほうは、はっきり仕様に出ます。

可動機構が入るぶん、同じ天板サイズの固定机より脚部が重く、価格も上がる。

天板の下に引き出しやワゴンを置くと、下げたときに干渉します。

配線も、天板が上下する前提でたるみを持たせる必要があり、床のコンセントから真上に短いケーブルを立てる配置は取れません。

可動する机は、可動しない机より設置の自由度が下がります。

昇降デスクのタイプ別に、向いている人が分かれる

形と設置方式で、選べる部屋と使える広さが変わります。

据え置きの平机タイプ

脚部ごと昇降する、いちばん一般的な形です。

天板全体が上下するため、モニターもキーボードも書類も一緒に動く。

机を買い替える前提になるので、いま使っている机を処分する手間はかかります。

デスクワークが1日の大半で、机を作業環境の中心に据えたい人向け。

L字タイプ

2辺を使って作業面を広く取る形です。

モニターを複数並べる、書類を広げながらパソコンを触る、といった使い方には向きます。

ただし設置面積が一気に増え、部屋の角を占有します。

天板が大きくなるほど昇降時の重量も増えるため、耐荷重の確認が欠かせません。

設置スペースの測り方や配置の落とし穴は、L字型を選ぶ条件と配置の注意点で解説しています。

ご覧ください。

卓上タイプ

いまの机の上に載せて、天板の一部だけを持ち上げる形です。

机を買い替えなくて済み、部屋から出すときも軽い。

そのかわり、上げられるのは載せた機材だけで、下の机の高さは変わりません。

座り姿勢の高さ自体を調整したい人には向きません。

賃貸で大型家具を増やしたくない人、まず立ち作業を試してみたい人向けです。

選ぶ順番は、可動域→設置面積→耐荷重→天板

迷ったときは、この順で絞ると条件が矛盾しにくくなります。

最初に見るのは可動域、つまり最低高と最高高です。

座って使う高さが下限に入っていなければ、立ち作業の快適さは関係なく毎日の姿勢が崩れます。

一般的な事務机の高さは70cm前後ですが、これは平均的な体格を想定した数字。

身長が低めの人は、下限が65cm以下まで下がる製品を探すことになります。

上限は、立ったときに肘が90度前後で天板に乗る高さが目安です。

次が設置面積。

天板の幅と奥行きだけでなく、脚部の張り出しも測ります。

脚が天板より内側にあるか外側にあるかで、壁に寄せられる距離が変わります。

3番目が耐荷重。

ここは注意が必要で、天板の重量を含む数値か、天板を除いた積載可能重量かがメーカーによって違います。

数値だけを横に並べて比較しないこと。

仕様の但し書きを読んで、同じ条件の数字かを確かめてください。

最後が天板の素材と表面です。

木製の集成体は厚みがあって見た目に落ち着きがあり、樹脂の化粧板は水拭きしやすい。

マウスの滑りや腕を置いたときの当たりも素材で変わります。

天板と脚の組み合わせで部屋の印象がどう変わるかは、天板と脚で決まる見た目の選び方で解説しています。

ご覧ください。

用途から逆算してタイプを絞りたい場合は、用途別に見るタイプ選びの目安で解説しています。

あわせてご覧ください。

昇降デスクで買い間違いが起きるのは、設置面積と配線

いちばん多いのが、天板サイズだけを見て部屋に入らないケースです。

測るのは3つ。

天板の外寸、脚部を含めた最大幅、そして机を置いたあとに椅子を引ける後方の余裕です。

カタログの寸法は天板の数字が大きく書かれていて、脚部の設置幅は仕様表の奥に載っていることがあります。

壁付けにするなら、脚が天板より外に出ていないかを図面で確認してください。

もうひとつが配線です。

天板が上下するので、床から天板へ伸びるケーブルは、いちばん高い位置に合わせた長さが要ります。

上げた瞬間に電源が抜ける、モニターケーブルが引っ張られる、というのはこの長さ不足で起きます。

逆に、下げたときにケーブルが床でとぐろを巻くと、脚部の可動部に噛み込むおそれがあります。

天板の裏にケーブルトレーを付けて、たるみをまとめておくのが基本です。

電動タイプなら、机自体の電源も1口必要になります。

モニター・パソコン・照明を同じタップにまとめる場合は、合計消費電力を確認してください。

家庭用の電源タップは合計1,500Wが定格の目安で、これを超える使い方はしないこと。

束ねたまま通電するのも避けます。

口数と安全機能の見方については、口数と安全機能で決める基準で解説しています。

ご覧ください。

そして、机の高さが変われば椅子の高さも見直しになります。

座り作業の高さを下限まで下げたとき、椅子の座面がその高さに合わなければ、机だけ整えても姿勢は決まりません。

机と椅子の高さをどう噛み合わせるかは、自宅で疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。

あわせてご覧ください。

よくある質問

昇降デスクは立って使わないと意味がないですか

いいえ。

座り姿勢の高さを自分に合わせるだけでも役割はあります。

市販の固定机は70cm前後が主流で、体格によっては高すぎることも低すぎることもある。

1cm単位で座り高を決められるのは、昇降機構の使い道のひとつです。

立ち作業はどれくらいの時間が目安ですか

一律の目安は示せません。

立ち続ければ足や膝に負担が集中しますし、合う時間は人によって違います。

切り替えながら使うのが昇降デスクの前提の使い方だと考えてください。

体に痛みが出ている場合は、時間を調整する前に医療機関へ相談を。

天板だけ好きなものに交換できますか

脚だけを単体で売っている製品なら、天板を別に用意して組む形が取れます。

ただし取り付け穴の位置、天板の厚み、そして脚部の耐荷重に収まる重量かどうかを確認する必要があります。

既製の天板付き製品を分解して別の天板に付け替えるのは、保証の対象外になることが多い。

手動と電動で耐荷重は変わりますか

製品ごとに違うため、駆動方式では決まりません。

電動でモーターが2基入る型は重い天板を想定した設計になっていることもありますが、これも個別の仕様表を見るしかありません。

前述のとおり、天板込みの数値かどうかも揃えて比べてください。

組み立てはひとりでできますか

脚部を組んでから天板をねじ止めする手順が一般的ですが、天板は幅120cmクラスでも十数kgになります。

ひっくり返して固定する工程があるため、ふたりで作業する前提の説明書も少なくありません。

搬入経路の幅も、組み立て前に確かめておくと安心です。

まとめ

昇降デスクを選ぶとき、最初に効くのは可動域が自分の体格に届いているかどうかで、駆動方式や天板の見た目はそのあとの話です。

電動か手動かは、1日に何回高さを変えるかで決めれば迷いません。

設置面積は天板ではなく脚部の張り出しまで測り、耐荷重は天板込みの数値かどうかを揃えて比べてください。

まずはメジャーで、いまの机の高さと部屋の空きスペースを測るところから始めてみてください。

その数字を持って仕様表を読めば、候補は一気に絞れます。

本記事を参考に、自分の作業時間と部屋に合う一台を選んでいただければと思います。

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