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電動昇降デスクとは?手動との違いと選ぶときの基準

電動昇降デスクを選ぶときにいちばん効くのは、脚の段数と昇降範囲の下限です。

2段脚と3段脚では最低高が数センチ違い、座って使う高さに下りきらない机を選ぶと、立つときだけ快適で座り作業がしづらい机になります。

上限だけを見て「180cmの自分でも大丈夫」と判断すると、この落とし穴に落ちます。

もう一つは天板の広さと耐荷重で、モニターアームをクランプで固定するなら天板の厚みと奥行きも合わせて確認が要ります。

本ページでは、昇降範囲の読み方・1モーターと2モーターの違い・タイプ別に向いている人・設置と配線でつまずく点まで、まとめて紹介します。

電動昇降デスクで最初に見るのは、昇降範囲の下限と上限の両方

カタログには「高さ72〜120cm」のように範囲が書かれています。

多くの人は上限を見て、自分の立ち姿勢に足りるかを確かめます。

ところが実際に不満が出やすいのは下限のほうです。

座って作業する高さの目安は、身長160cm前後なら65〜68cm、身長170cm前後で68〜72cmあたり。

日本の一般的な事務机が70cm前後なのは、この範囲に収まるからです。

ここで下限が72cmや73cmの机を選ぶと、座ったときに天板が高く、肩が上がった姿勢で何時間も作業することになります。

キーボードを打つと手首が反り、肘が浮く。

椅子を上げれば天板との高さは合いますが、こんどは足が床に着かなくなります。

下限を下げているのは脚の段数です。

脚が2段(上下2本のパイプが伸縮)の製品は構造が単純で価格を抑えやすい反面、縮めたときの最低高が高くなりがち。

3段脚は同じ昇降幅をより低い位置から確保できるので、下限60cm台前半まで下りる製品もあります。

座り作業の比率が高い人、身長が低めの人、フットレストを使いたい人は、脚の段数から絞り込むほうが早いです。

上限は、立って作業する高さが肘の位置で決まります。

おおまかには身長の0.6倍あたりが立位でキーボードを打つ高さの目安。

身長175cmなら105cm前後で、上限115cmや120cmの製品なら余裕があります。

ただしキーボードを天板に直置きするか、モニターを台の上に載せるかで実際に必要な高さは変わります。

立ち座りの高さをどう決めるかという考え方そのものは、立ち座りを切り替える机の基準で解説しています。

ご覧ください。

モーターの数と耐荷重で、上げ下げの速さと安定感が変わる

電動昇降デスクの脚には、モーターが1個の製品と、左右それぞれに1個ずつ入った2モーターの製品があります。

ここは値段の差がそのまま構造の差になっている部分です。

1モーターは片側のモーターの動力をシャフトで反対の脚へ伝えます。

部品が少なく安価にできますが、昇降速度は控えめで、天板の左右で荷重が偏ると動きに引っかかりが出ることがあります。

2モーターは左右が独立して駆動するため速度を出しやすく、耐荷重の上限も高めに設定されている製品が多い。

毎日何度も上げ下げする人、モニターを2枚以上載せる人は2モーターのほうが扱いやすいです。

耐荷重の数値には注意点があります。

天板を含んだ総重量なのか、天板を除いた積載可能重量なのかがメーカーによって違うため、数字だけを横に並べても比較になりません。

同じ「耐荷重80kg」でも、片方は天板15kgを含んだ数字で、実質の積載は65kgということが起こります。

仕様表の脚注まで読み、書かれていなければ天板重量を差し引いた側で見積もっておくと安全側に寄せられる。

積載の合計は思ったより増えます。

27インチモニター2枚で12〜14kg、モニターアームが2本で6kg前後、ノートパソコン、スピーカー、書類の山。

これに手をついて体重をかける瞬間の力も加わります。

余裕を持った数字を選んでおいたほうが、昇降のときの動きも落ち着きます。

天板は「幅」より奥行きと厚み、そしてクランプが噛むかどうか

天板選びで見落とされるのが厚みです。

モニターアームをクランプで固定するタイプは、対応する天板厚が製品ごとに決まっています。

多いのは10〜75mmあたりの範囲ですが、天板の裏側に補強のフレームが走っていると、クランプを付けたい位置で挟めないことがある。

昇降デスクは脚のビームが天板裏を横断している構造が多く、奥の縁から数センチ内側にフレームがあるケースは珍しくありません。

アーム側の対応厚とネジ穴間隔については、モニターの重さとの兼ね合いもあります。

VESA規格は背面のネジ穴間隔(100×100mmなど)を示すだけで、アームの耐荷重は別の数値。

この2つを別々に確認してください。

奥行きは、モニターと目の距離で決まります。

27インチなら60cm以上、32インチや曲面ならさらに欲しいところ。

奥行き60cmを下回ると、画面が近すぎて視線を左右に振る量が増えます。

幅は120cmで足りる人が多いものの、書類を広げるなら140cm以上が快適です。

素材で変わるのは手入れの手間と手触り。

メラミン化粧板は水拭きができて傷に強く、天然木の突板やオイル仕上げは見た目に温かみが出る代わりに、水滴を放置すると輪染みが残ります。

天板と脚の組み合わせで印象がどう変わるかは、天板と脚で決まる印象で解説しています。

ご覧ください。

タイプ別に見る、電動昇降デスクの向き不向き

同じ「電動」でも、脚の構造と設置形態で使い勝手が分かれます。

タイプ構造の特徴向いている人
2段脚・1モーター最低高が高めで昇降はゆっくり。部品が少なく価格を抑えやすい立ち作業を1日1〜2回入れる程度で、身長が高めの人
3段脚・2モーター下限が低く上限も高い。昇降が速く、耐荷重の設定も高めが多い座り作業が主体で立ちを混ぜたい人。モニター複数枚を載せる人
L字・コーナー型天板が広く、脚が3本以上。設置面積と重量が大きい作業面を分けたい人。部屋の角を使える人
卓上に載せる昇降台既存の机の上に置く。机ごと替えなくてよい机を買い替えたくない人。賃貸で搬入経路が厳しい人
手動(ガス圧・クランク)電源が要らず、故障する電気部品がないコンセントが遠い場所に置く人。高さを頻繁に変えない人

L字型は魅力的に見えますが、昇降する天板が2枚に分かれる製品と、1枚の大きな天板を3本脚で支える製品があり、後者は重量が増えて組み立てが一人では厳しくなります。

配置と設置スペースの条件は、L字型を選ぶときの設置条件で解説しています。

ご覧ください。

卓上型は、いま使っている机の高さがそのまま座り姿勢の基準になります。

机が高すぎる場合、卓上型を載せても座り作業は改善しません。

据え置き型との違いは卓上昇降デスクと据え置き型の比較で解説しています。

ご覧ください。

電動昇降デスクで失敗しやすいのは、立ち作業の時間を多く見積もったとき

買う前は「1日の半分は立って作業する」と思っていても、実際に続く人は少数です。

立位は数十分で足裏と腰が疲れ、集中して細かい作業をするには向きません。

結果として、上限120cmまで伸びる高価な機構がほとんど使われず、座り作業の下限が合わないことだけが残る。

これがいちばん多いミスマッチです。

回避するなら、順序を逆にしてください。

まず座り作業で正しい高さに下りるかを確認し、そのうえで立位の上限を見る。

立ちは1日30分〜1時間を切り替えのきっかけとして使う程度、という前提で選ぶと外しにくくなります。

もう一つは、メモリ機能を過小評価すること。

高さを記憶するプリセットボタンがないと、毎回スイッチを押しながら目で高さを合わせることになり、数センチずれた高さで作業する日が出てきます。

切り替えが面倒になって、いつも同じ高さで固定してしまう人もいる。

1日に何度も切り替える前提なら、プリセットは4つ程度あるモデルが扱いやすいです。

静音性も見落とされます。

集合住宅で夜に上げ下げするなら、動作音は気になる要素。

カタログの騒音値は測定条件が書かれていないことが多いため、数値だけで比較しても実際の体感とは一致しません。

深夜の使用が前提なら、手動タイプも候補に残しておくといい。

電動との違いは手動タイプが向いている人で解説しています。

ご覧ください。

設置と配線は、置く前に床と壁を測っておく

電動昇降デスクは重い。

脚だけで25〜35kg、天板を含めると40kgを超える製品もあります。

搬入は分割された箱で届くことが多いものの、玄関の幅と廊下の曲がり角は先に測ってください。

組み立ては天板を裏返した状態で脚を固定する手順が一般的で、床に養生を敷けるだけの空間も要ります。

床の耐荷重より先に問題になるのが、水平です。

フローリングにわずかな傾斜があると、昇降のたびに天板が微妙に揺れる感覚が出ます。

アジャスターが付いている製品なら調整できますが、付いていない製品もあるので仕様を見ておくこと。

配線は、天板が動くという前提で組み直す必要があります。

机の上の機器の電源ケーブルとLANケーブルは、最低高から最高高までの差(40〜50cm)ぶんの余裕がないと、上げたときに引っ張られます。

ケーブルトレーを天板裏に付け、そこから床のタップまで1本にまとめて下ろすのが定番の形。

タップを床置きにするか天板裏に固定するかで、余裕の取り方が変わります。

電源まわりで守るべきことは容量の確認です。

デスクのモーター、モニター、パソコン、周辺機器をまとめて1つのタップに集めるなら、合計の消費電力がタップの定格(一般的に合計1,500W)に収まっているかを見てください。

ケーブルを束ねたまま通電する使い方は避けること。

口数の決め方や安全機能の見方は、口数と安全機能で決める基準で解説しています。

ご覧ください。

椅子との組み合わせも設置条件の一部です。

天板を最低高まで下げても座り高が合わない場合、椅子側の座面高で調整する選択肢があります。

自宅で長時間座る椅子の基準は、疲れにくい一脚を選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

よくある質問

電動昇降デスクは電気代がかかりますか

モーターが動くのは上げ下げしている数十秒だけで、待機時はコントローラーの表示にわずかな電力を使う程度です。

1日に何度切り替えても、消費するのは短時間の動作分。

ただし待機電力そのものはゼロにならないため、長期の外出時はコンセントを抜いておくと安心できます。

1モーターと2モーター、どちらを選ぶべきですか

1日に何度も切り替える人と、モニターを2枚以上載せる人は2モーターが扱いやすい。

切り替えが1日1〜2回で、載せるものがノートパソコンとモニター1枚程度なら、1モーターでも不足は感じにくいでしょう。

判断の分かれ目は昇降の回数と積載量です。

身長が低いと合わない製品が多いと聞きました

下限が72cm前後の製品は、身長155cm以下の人が座って使うには高すぎることがあります。

3段脚で下限60cm台の製品を探すか、椅子の座面を上げてフットレストを併用する形になります。

まず自分の座り姿勢に合う天板高を測り、その数字が範囲に入っているかで絞り込んでください。

組み立ては一人でできますか

脚のフレームを組んで天板に固定する作業自体は一人でも進められますが、完成した天板を起こす工程で40kg近い重量を持ち上げることになります。

二人での作業が推奨されている製品が多く、無理をすると天板の角をぶつけたり、脚のネジに負担がかかったりする。

搬入時に手伝いを頼めるタイミングで届くよう調整するのが現実的です。

用途別にどのタイプを選べばよいか、目安はありますか

作業の中身と時間の長さで変わります。

用途ごとの絞り込み方は用途別に見る選び方の目安で解説しています。

ご覧ください。

まとめ

電動昇降デスクは上限より下限で差が出ます。

座り作業に合う天板高を先に決め、それが昇降範囲に入る製品だけを候補に残す。

そのうえで昇降の回数と積載量からモーターの数を選び、天板の厚みとクランプが噛む位置を確認する。

この順序で見れば、機能は多いのに座り作業がしづらい机を避けられます。

まずはいま使っている机で、肘が自然に下りる高さをメジャーで測ってみてください。

その1つの数字が、候補を半分に絞る手がかりになります。

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