電動昇降デスクのデメリット|置き場所と使い方の注意点
天板は上がる。
ただ、上げた瞬間にモニターのケーブルが張って、床に置いた電源タップが浮きかける。
電動昇降デスクで最初に出てくる不満は、たいていこういう「机そのもの以外」のところで起きます。
不都合の中身は大きく4つ。
動かせないほどの重さ、昇降に付き合わせられる配線、モーターの音と振動、そして電気で動く部品が増えたぶんの故障です。
置き場所や使い方で軽くできるものと、買う前に決めておかないと後から直せないものが混ざっているのが厄介なところ。
本ページでは、電動昇降デスクのデメリットの内訳・いま感じている不満がどれに当たるかの切り分け・原因別の手当て・次に選ぶときの条件まで、まとめて紹介します。
電動昇降デスクのデメリットは、重さ・配線・音・故障の4つに分かれる
不満の出どころを混ぜて考えると、対処のしようがなくなります。
まずは4つに分けて、自分がどこで詰まっているのかを見てください。
脚が重く、置いたら動かせなくなる
電動昇降デスクの脚には、モーターと昇降のための金属フレームが入ります。
手動のデスクや一般的な平机と比べて、脚だけで相当な重量になるのが普通です。
組み立ては二人がかりが前提の製品が多く、完成後に一人で持ち上げて数十センチずらす、という動かし方はまず難しい。
掃除のたびに机を浮かせて動かしていた人には、この差がいちばん効いてきます。
設置面積そのものも減りません。
高さは変わっても、天板の幅と奥行きは固定。
部屋を広く使いたい目的で選ぶ道具ではない、という前提は持っておいてください。
電源が要るぶん、配線が昇降に付き合わされる
コンセントが必要になる時点で、机の周りにケーブルが1本増えます。
さらに天板の上にモニターやパソコン、照明を載せていれば、それらのケーブルも上下に動くことになる。
低い位置で長さがちょうどだったケーブルは、天板を上げたときに足りません。
逆に、上げた高さで余った線は、下げたときに床でとぐろを巻きます。
ここで多いのが、床の電源タップごと机側に固定してしまう対処です。
天板と一緒に上下させれば引っ張りは消えますが、タップには合計1,500Wという定格が一般的にあり、机上の機器をまとめて挿すなら容量の確認が先。
口数そのものや安全機能の見方は、口数と安全機能で決めるときの基準で解説しています。
ご覧ください。
モーターの音と振動は、静かな部屋では気づく
昇降中はモーターが回るため、音と振動が出ます。
日中の生活音の中では気にならない程度でも、深夜の集合住宅や、同じ部屋で家族が寝ている状況では話が変わる。
音の大きさは製品や脚の本数で違い、カタログの数値だけでは体感が読めません。
動作するのは上げ下げの数秒から十数秒だけ、という点は覚えておくといいでしょう。
電気で動く部品が増えた分、止まる箇所も増える
手動なら壊れるのはネジとハンドルだけ。
電動では、モーター、コントローラー、操作パネル、内部の配線が加わります。
どれか一箇所の接触不良で天板が動かなくなり、しかも重いので手で上げ下げする逃げ道がありません。
動かなくなったときにどこから疑うかは、動かない原因を確認する順番で解説しています。
ご覧ください。
いま出ている不満が、どのデメリットに当たるかを切り分ける
切り分けは、症状が「昇降させたときだけ出るのか」「置いてあるだけで出るのか」で最初に二分できます。
動かしたときだけ困るなら配線か機構、置いてあるだけで困るなら設置条件の問題です。
| 起きていること | 疑う先 |
|---|---|
| 上げるとケーブルが張る、機器が机の端に寄る | ケーブルの長さと固定位置 |
| 天板が途中で止まる、途中から動かない | 障害物検知の作動、または初期化が未完了 |
| スイッチを押しても反応が一切ない | 電源の抜けかけ、コントローラー側 |
| 高い位置にすると画面が揺れる | 天板の高さと、載せている物の重心 |
| 動かす前から邪魔、掃除できない | 設置面積と重量。使い方では解決しない |
| 昇降させるのが面倒で、結局使っていない | 高さのプリセット登録と、切り替える習慣 |
もうひとつ、動作の異音が「初めからそうだった」のか「最近そうなった」のかも分けてください。
使い始めから続いている音は仕様の範囲であることが多く、途中から変わった音や引っかかりは機構側の変化です。
前者は設置で、後者は点検で対応する話になります。
デメリット別に、いまできる手当て
配線が引っ張られる
いちばん低い位置ではなく、いちばん高い位置を基準にケーブルの長さを決めます。
そのうえで、余った長さは天板の裏に沿わせて、机と一緒に上下する側にまとめる。
床側とつながる線は電源だけに絞れると楽になります。
このとき、余ったケーブルをきつく束ねて輪にしたまま通電させる形にはしないこと。
ケーブルは緩く垂らし、上げ下げのどちらでも張らない余裕を残してください。
音と振動が気になる
昇降の回数を減らすのがいちばん確実な手当てです。
座位と立位の高さをプリセットに登録しておけば、押している時間そのものが短くなる。
夜間は動かさず、日中に切り替える運用にするだけでも印象は変わります。
床に薄いラグやマットを敷くと振動の伝わり方が変わることもありますが、モーター自体の音は消えません。
高い位置で天板が揺れる
揺れは、天板を高くするほど大きく感じられるもの。
重い物を天板の端に寄せていると、その傾きが増します。
モニターやスピーカーを脚の真上に近づけ、キーボードを打つときに肘を乗せる位置も端から離すと、揺れ方は落ち着きやすい。
それでも打鍵のたびに画面がぶれる場合は、天板と脚の固定ネジが緩んでいないかを確認してください。
重さと設置場所で困っている
これは手当ての幅が狭い項目です。
動かす前提で使うなら、キャスター付きの脚を選ぶ以外に手はありません。
すでに置いてある机なら、床掃除の導線を机の下に確保する方向で考える。
天板の下に収納を足すと、さらに動かせなくなるうえ昇降時の干渉物にもなるので、足すなら天板と一緒に上がるものに限ります。
手当てで収まらないなら、電動昇降デスクの機体と使い方を見直す
配線も置き場所も整えたのに不満が残るなら、機体側の状態か、そもそもの選び方が合っていない可能性を考えます。
点検や買い替えを考える目安
途中で止まる、片側だけ先に動いて天板が傾く、操作から動き出すまでの反応が鈍い、といった症状が繰り返し出るなら、リセットのたびに直しても同じことが起きます。
保証期間内であればメーカーへ問い合わせるのが先。
期間を過ぎている場合、脚のユニット単位で交換部品が出るかどうかで判断が分かれます。
モーターの負担を減らす使い方や寿命の考え方は、モーター寿命の目安と長持ちさせる使い方で解説しています。
ご覧ください。
次に選ぶときに見る条件
次を選ぶなら、確認する順番を変えてください。
まず耐荷重ですが、この数値は天板の重さを含むか含まないかがメーカーで違います。
数字だけを横に並べて比べても実際に載せられる重さは分かりません。
表記の条件までたどってから比較すること。
次に昇降範囲の下限。
上限だけを見て選ぶと、座って使う高さが自分に合わず、椅子側で無理に調整することになります。
加えて、天板の厚みとクランプの使えるかどうか、脚の設置面が部屋のコンセント位置と噛み合うか。
電動と手動でどこが変わるのかは、手動との違いと選ぶときの基準で解説しています。
ご覧ください。
よく紹介されるが、効きにくい対処
ここは正しく効かないものを挙げておきます。
試して駄目だったなら、対処が悪かったのではなく、その方法自体が向いていないだけです。
ケーブルをきっちり束ねる
見た目は片づきますが、昇降の引っ張りは長さの問題なので解決しません。束ねたまま通電させる形は避けてください。
延長コードを足して届かせる
届く代わりに、床を這う線が増えて机の下で挟みやすくなります。タップを増やして定格を超える使い方にもつながるため、根本の対処にはなりません。
脚の下に家具用スライダーを入れて動かす
重量物を滑らせる動作は天板や床を傷めます。動かす前提なら最初からキャスター付きを選ぶ話です。
揺れるので足元に物を挟む
昇降の障害物になり、検知が働いて止まる原因にもなります。障害物検知は付いている製品でも、あらゆる接触を防げるものではありません。
とにかく立って作業する
立ちっぱなしは座りっぱなしと別の負担がかかります。切り替えて使う道具であって、立位に固定するための机ではありません。
座っている時間の疲れが椅子側から来ていることもあります。
机の高さと椅子の関係から見直すなら、自宅で疲れにくい一脚を選ぶ基準で解説しています。
ご覧ください。
よくある質問
手動の昇降デスクにすれば、こうしたデメリットは避けられますか
モーターの音と電気系の故障はなくなります。
電源も要りません。
ただ、脚のフレームは残るので重さは大きく変わらず、天板を上げ下げするのに毎回ハンドルを回す手間が加わる。
切り替えが面倒になって高さを固定したまま使うようになった、という声は手動でも電動でも出ます。
どちらが向くかは、1日に何回上げ下げするかで判断してください。
両方の基準は、立ち座りを切り替える机の選び方で解説しています。
ご覧ください。
電動昇降デスクは電気を使い続けますか
モーターが電力を使うのは、上げ下げしている数秒から十数秒のあいだだけです。
それ以外は操作を待っている状態で、待機電力が流れます。
気になるなら、長期間家を空けるときにプラグを抜く運用で十分。
ただしメモリー機能を持つ製品は、電源を切ると登録した高さが消える場合があるので、取扱説明書を確認してください。
立って作業すれば、腰の痛みはなくなりますか
姿勢を変えられる机ではありますが、痛みが消えると言えるものではありません。
立位でも同じ姿勢を続ければ負担はかかり、合う高さは体格で変わります。
すでに痛みやしびれがあるなら、机や椅子で調整して様子を見るより先に、医療機関に相談してください。
まとめ
電動昇降デスクの不都合は、重さ・配線・音・故障のどれかに落ち着きます。
このうち配線と音は置き方と運用で軽くできる一方、重さと設置面積は買ったあとでは動かせません。
だから確認の順番は、耐荷重の表記条件、昇降範囲の下限、そしてコンセントの位置。
まずはメジャーで、いま使っている机の高さと、置きたい場所からコンセントまでの距離を測ってみてください。
その2つの数字が出たところで、候補は自然に絞れます。
本記事を手がかりに、自分の部屋で無理なく使える一台を選んでいただければと思います。
