テンキー付きキーボードの選び方|配置と幅で見る基準
数字を打つ量が多い人がキーボードを選ぶとき、最初に決まるのはキーの数ではなく、机の上で横幅をどれだけ譲れるかです。
テンキー付きのフルサイズは横幅がおおむね43〜45cm前後になり、テンキーレスの35cm前後と比べて手のひら1枚ぶん広い。
この差は、キーボードの右側に置くマウスの動かせる範囲にそのまま出ます。
数字入力の速さを取るか、マウスの取り回しを取るか。
どちらを優先するかで、選ぶ形が変わります。
そして、テンキーは本体に組み込まれたものだけではありません。
単体で別に置く選択肢もあり、配列や接続方式の違いで使い勝手が分かれます。
本ページでは、横幅とマウス位置の関係・テンキー付きと別体の使い分け・電卓とキーボードで違う数字の並び・買う前に測る場所まで、まとめて紹介します。
テンキー付きキーボードで最初に効くのは、横幅とマウスの距離
テンキーの有無で変わるのは、打鍵感でも耐久性でもなく、机の上の座標です。
フルサイズのキーボードを体の正面に置くと、アルファベットの中心(およそGとHの間)は体の中心より左にずれます。
右手はそのまま右へ流れ、マウスは肩の外側に来る。
この状態で1日数時間作業すると、右肩と右の肘が開いたままになります。
逆に、アルファベット部分を体の正面に合わせて置くと、キーボードの右端が机の右奥まで伸びます。
マウスの可動域はその外側に押し出され、幅の狭い机だとマウスパッドの右端が机から落ちる。
どちらを選んでも、テンキー付きは「横方向の面積」を要求します。
だから最初に決めるのは、テンキーを毎日どれだけ叩くかです。
経理・受発注・原価計算のように四桁以上の数字を連続で入れる作業なら、テンキーの右手固定は入力速度に直結します。
数字を打つのが月に数回のパスワード程度なら、上段の数字キーで足ります。
前者はテンキー付き、または別体のテンキーを用意する側。
後者はテンキーレスにして、その幅をマウスに回すほうが体は楽になります。
幅を詰めたときに何がどう変わるのかは、テンキーレスにしたときの幅の差と向いている人で解説しています。
ご覧ください。
テンキーの持たせ方は3通り、それぞれ何を犠牲にするか
「テンキーが要る」と決めたあとに残る選択は、どこにテンキーを置くかです。
形として3通りあり、犠牲にするものが違います。
フルサイズ一体型
アルファベット部と矢印キー、テンキーが1枚の板に載った形。
配線が1本で済み、電池やペアリングの管理もひとつだけ。
テンキーの位置がずれないので、ホームポジションから右手を飛ばす距離が毎回同じになります。
代償は横幅で、これは動かせません。
ノートパソコンの前に置く「尊師スタイル」のような使い方だと、机の奥行きも同時に食います。
テンキーレス+別体テンキー
キーボード本体を35cm前後に抑え、テンキーを独立した機器として好きな位置に置く形。
数字を打つときだけ手前に出し、使わないときは引き出しへ、という運用ができます。
左手側に置いて右手をマウスに固定したままにする人もいます。
ただし機器が2台になるぶん、無線なら電池もレシーバーも2つぶん。
有線ならUSBポートが1つ余計に埋まります。
テンキーを埋め込んだコンパクト配列
幅を詰めるため、テンキーを独立させずに他のキーと兼用にした配列もあります。
NumLockを切り替えると右側のアルファベット面が数字面になるタイプが代表的。
幅は最小で済みますが、切り替えを忘れたまま打つと文字と数字が入れ替わるので、数字入力が主目的の人には向きません。
持ち運びを最優先する場合の選択肢と考えたほうが実態に合います。
別体で用意する場合の接続方式や置き場所の考え方は、テンキーを単体で買うときの条件で解説しています。
ご覧ください。
タイプ別、テンキー付きキーボードが向く人と向かない人
同じ「数字をよく打つ人」でも、机の広さと右手の使い方で答えが変わります。
下の表は、そこを分けて整理したものです。
| タイプ | 横幅の目安 | 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|---|---|
| フルサイズ一体型 | 43〜45cm前後 | 数字入力が毎日ある。机の横幅に80cm以上の余裕があり、マウスの可動域を右に確保できる | 机の実効幅が60cm台。マウスを大きく振って使う |
| テンキーレス+別体テンキー | 本体35cm前後+テンキー10cm前後 | 数字を打つ時間帯が限られる。テンキーを左手側に置きたい。マウスを体の近くで使いたい | ケーブルや電池の管理を増やしたくない。机の上に物を増やしたくない |
| テンキー埋め込みのコンパクト配列 | 30cm台前半 | 持ち運ぶ。数字は時々で、幅を最優先したい | 四桁以上の数字を連続入力する。切り替え操作を挟みたくない |
| トラックボールなどポインタ内蔵型 | 製品差が大きい | マウスを別に置く余地がない。手首を動かす範囲を狭くしたい | テンキーとポインタの両方を右手側に集めたい(配置が競合しやすい) |
表の最後の行は、テンキー付きと相性を確かめたい組み合わせです。
ポインタを本体に載せるとマウスは不要になりますが、テンキーとボールの置き場所が右手側で競合します。
この形の実際の使い勝手は、ポインタ内蔵キーボードが合う場面で解説しています。
ご覧ください。
テンキーの数字の並びは、電卓と同じではない
意外と見落とされるのが数字の並びです。
パソコンのテンキーは下段が1・2・3で、上に向かって4・5・6、7・8・9と並びます。
いっぽう電話機のダイヤルは上段が1・2・3。
電卓は下段が1・2・3で、パソコンのテンキーと同じ向きです。
つまり電卓に慣れた人はそのまま移れますが、スマートフォンの数字入力に慣れた人は上下が逆に感じます。
ここは製品を選んで解決できる部分ではなく、慣れる部分。
数日から数週間で指が覚えます。
選ぶときに効いてくるのは、並びよりも周辺キーの構成です。
テンキー部分に何が付くかは製品で違い、次の点は現物の写真で確認できます。
- NumLockのインジケーター(点灯するランプ)があるか。ないと数字面か矢印面かを打つまで判別できない
- Enterキーが縦長か横長か。縦長のほうが右手小指で押しやすい配置になる
- 「00」キーやTabキーがあるか。金額入力が多いなら「00」の有無で打鍵数が変わる
- +と−の配置。右端に縦並びのものと、上部に横並びのものがある
数字を大量に扱う仕事なら、NumLockのランプの有無は毎日の小さなストレスに直結します。
写真では省略されがちな部分なので、製品ページの背面写真や仕様表まで見てください。
失敗しやすいのは、幅を測らずに「マウスは何とかなる」と考えること
買ってから後悔する例で多いのは、キーボード自体は机に載ったのに、マウスを置く場所が残らなかったパターンです。
天板の幅が100cmあっても、実際に使える横幅はそこから狭まります。
左端にノートパソコンを立てていれば10〜15cm、右端にスピーカーや小物を置けばさらに数cm。
残った範囲にキーボード45cmを入れると、マウスに残るのは20cm台になることがあります。
マウスを普通の感度で使うと、横方向に15〜20cmは振ります。
ゲームで低感度に設定している人なら30cm以上。
ここが足りないと、マウスを持ち上げて置き直す動作が増え、手首を返す回数が増えます。
もうひとつの失敗は、テンキーを別体にすれば万事解決だと考えることです。
別体は確かに幅を分離できますが、机の上の物が1つ増えます。
ケーブルが1本増え、無線なら電池切れの管理先が1つ増える。
数字を打つ頻度が中くらいの人は、この管理の手間と幅の節約を天秤にかけてください。
マウスをどれだけ振る余地が必要かは、使っているパッドのサイズから逆算するとわかりやすい。
サイズごとの向き不向きは、パッドのサイズと素材で変わる使い心地で解説しています。
ご覧ください。
買う前に測る場所は、天板の実効幅とキーボードの奥行き
測るのは3か所だけです。
順に見ていきます。
天板の実効幅
天板そのものの幅ではなく、物を置いた後に残っている横幅をメジャーで測ります。
左端の物から右端の物までを除いた、実際に空いている距離です。
ここからキーボードの幅を引いた残りが、マウスに使える範囲になります。
20cmを下回るなら、テンキー付きは厳しい。
テンキーレスに別体を足す構成のほうが収まります。
キーボードの奥行きとパームレスト
フルサイズは奥行きも13〜15cm前後あり、手前にパームレスト(手首を載せる台)を足すとさらに5〜8cm手前に出ます。
手前に出た分だけ体からキーが遠くなるため、机の奥行きが50cm台だと、モニターとキーボードの間に余裕がなくなります。
奥行きの余裕がないなら、パームレストなしで使える薄型を選ぶという判断もあり得ます。
接続方式と使えるポートの数
有線なら、キーボードとマウスで最低2つのUSBポートが埋まります。
別体テンキーを足せば3つ。
ノートパソコン直結でポートが2つしかない機種だと、その時点で足りません。
無線の場合はレシーバー方式(USBの小さな受信機を差す)とBluetooth方式で埋まるポート数が変わるので、手元の機器のポート数と突き合わせてから決めてください。
テンキー付きから乗り換えるとき、慣れるまでに起きること
長くフルサイズを使ってきた人がテンキーレスへ移ると、最初の数日は数字入力で手が止まります。
右手が空中を探すからです。
ただしこれは数字キーの位置を覚え直す話なので、1〜2週間で落ち着くことが多い。
逆に、テンキーレスからフルサイズへ戻すと、今度はマウスの位置が変わって右肩の角度が変わります。
体側の影響はこちらのほうが大きい。
気をつけたいのは、乗り換えのタイミングで机の配置も同時に変えてしまうことです。
原因の切り分けができなくなります。
キーボードだけ変えて1週間使い、そのあとマウスの位置を調整する。
順番を分けたほうが、どこが自分に合わないのか判断しやすくなります。
肩や手首に違和感が続く場合は、キーボードの幅だけの問題ではないこともあります。
机と椅子の高さの関係も同時に見てください。
座面の高さと肘の角度をどう合わせるかは、自宅で長時間座るときの椅子の選び方で解説しています。
ご覧ください。
なお、痛みが続くときは自己判断で対処せず、医療機関に相談してください。
よくある質問
テンキー付きキーボードとテンキーレス、どちらが疲れにくいですか
人によって割れます。
マウスが体の外側に来ることを負担に感じる人はテンキーレスのほうが楽になりますが、数字入力のたびに上段の数字キーへ指を伸ばすほうが疲れる人もいます。
判断の材料は「1日に数字を何分打つか」です。
数字入力が長い人はテンキーを、マウス操作が長い人は幅を優先してください。
ノートパソコンにもテンキーが付いていますが、別に買う意味はありますか
あります。
ノートに内蔵されたテンキーはキーピッチ(キーの中心間の距離)が本体幅に合わせて詰められていることが多く、隣を巻き込みやすい。
加えて、ノートの画面を見上げる姿勢のまま本体キーを打つ形になります。
外付けにすれば手元の位置を自由に決められる点が違いです。
Bluetooth接続のテンキー付きキーボードで、遅れを感じることはありますか
文字入力の用途では、遅れを体感しにくいという声が多い方式です。
ただし規格やパソコン側の受信環境で挙動は変わるため、一律に「遅れない」とは言えません。
反応の速さを重視するなら有線か、専用レシーバーを使う無線方式を検討してください。
テンキー部分だけ壊れた場合、どうなりますか
一体型は、テンキーだけの交換ができない構造がほとんどです。
キーボード全体の買い替えになります。
別体構成なら壊れた側だけを替えられるので、この点では別体のほうが融通が利きます。
分割型のキーボードにテンキーを足すことはできますか
できます。
分割型は左右が独立しているので、右手側の外に別体テンキーを置く配置も、左手側に置く配置も選べます。
ただし机の上の機器が3つ以上になるため、配線の取りまわしは事前に考えておいたほうがいい。
組み合わせるときの注意点は、分割型とポインタを組み合わせるときの注意で解説しています。
ご覧ください。
まとめ
テンキー付きを選ぶかどうかは、キーの数の話ではなく、机の横幅をキーボードとマウスにどう配分するかという話です。
数字入力が毎日あって、天板の実効幅からキーボード45cmを引いてもマウスに20cm以上残るなら一体型。
幅が足りないか、テンキーを使う時間が限られるなら、テンキーレスに別体を足す構成が収まりやすい。
まずはメジャーを持って、机の上で実際に空いている横幅を測ってみてください。
その数字が出れば、選べる形はかなり絞れます。
数字を打つ時間とマウスを振る時間、どちらが長いかも一度振り返ってから決めていただければと思います。
