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分割キーボードとトラックボールの組み合わせ方と注意点

マウスへ手を伸ばすたび、右肩が前に出る。

分割キーボードを検討している人が本当に困っているのは、キーボードの形そのものではなく、その右横にあるマウスまでの距離です。

だから分割キーボードとトラックボールの組み合わせは、好みの問題というより、手のひらを置いたままカーソルを動かせるかどうかの話になります。

ただ、トラックボールを内蔵した分割キーボードは自作キット寄りの製品が多く、キーの数が40前後まで削られているものも珍しくありません。

キーピッチ19mmの一般的なキーボードから乗り換えると、数字と記号の打ち方から作り直すことになります。

本ページでは、ボールをどの指で回すかという分かれ道・内蔵型と別体を置く型の違い・キー数を削りすぎた失敗・ボールの手入れまで、まとめて紹介します。

分割キーボードとトラックボールの組み合わせで最初に決まるのは、ボールをどの指で回すか

先に確かめてほしいのは、その製品がボールを親指で回す設計なのか、人差し指と中指で回す設計なのかです。

ここが違うと、本体の大きさもキー配置も別物になります。

親指で回す型は、直径30mm前後の小さめのボールを本体に埋め込みます。

手のひらをホームポジションから動かさずにカーソルを送れるのが、この形の狙いです。

代償は親指キーです。

分割キーボードでは、スペース・変換・レイヤー切り替えといった役割を親指に集めるのが定石で、その親指がボールを持つと、割り当てられるキーが1〜2個減ります。

キー数の少ない小型モデルほど、この1個は重く効きます。

人差し指と中指で回す型は、ボールが40mm台まで大きくなり、指の腹全体で転がせます。

画面の端から端までを一振りで動かすような大きな移動は、こちらのほうが素早い。

ただしボールの座を確保するために本体の面積が増えるか、キーボードとは別の機器になります。

もうひとつ効くのが、左右をどれだけ離して置けるかです。

分割にする本来の目的は、肩幅に合わせて両手の間隔を開けること。

左右をつなぐケーブルが短いモデルだと、開けたい幅まで離せません。

ボールを載せた側は本体が厚くなりやすく、左右で手首の高さが変わることもあります。

手前の高さを揃える道具については、リストレストの高さと素材の目安で解説しています。

ご覧ください。

親指がボールを支えながら別のキーを押す場面が増えるので、キースイッチの重さも判断材料になります。

押し下げ圧の違いは、軸の重さと音で選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

トラックボール内蔵の一体型と、別体を左右のあいだに置く型で変わること

組み合わせ方は大きく3通りあります。

構造の違いが、そのまま「何を作り直す必要があるか」の違いになります。

片側にボールを内蔵した左右分離型

キーボードとポインティングデバイスが1台に収まるので、机の上に置く機器は左右2枚だけ。

配線も左右をつなぐケーブルと、パソコンへ伸びる1本で済みます。

その一方で、キー配置とボールの位置がメーカーの設計に固定されます。

ボールの傾きや高さが手に合わなかったとき、逃げ場がありません。

自作キットの形で流通しているものが多く、組み立てとキーマップの書き込みが前提になる製品もあります。

キーボードは分割、トラックボールは独立した単体を置く

左右の谷間に、市販のトラックボールをそのまま置く形です。

分割キーボードは既存のキー数を保ったモデルを選べるので、打鍵の作り直しが要りません。

ボールが手に合わなければ、ボールだけ買い替えられる。

分割とポインティングの両方を同時に変えたくない人には、この順序が現実的です。

難点は高さで、キーの手前に別の機器を置くと、手首を持ち上げる角度が左右で揺れます。

ボールを左右どちらにも付けられるモジュール式

ボール部分を交換したり、左右を入れ替えたりできる設計です。

利き手を決めきれない場合や、右手をマウス操作から解放したい場合に選択肢になります。

ただし対応する製品は限られ、取扱いは店舗や時期によって変わります。

設定の手間も、固定型より増えます。

分割キーボードとトラックボール、タイプ別の向き不向きを表で比べる

同じ「分割+ボール」でも、向く作業が分かれます。

自分の1日の作業内容と突き合わせてください。

タイプボールの位置と回す指向いている人注意したい点
親指ボール内蔵の分割型片手の親指位置に小径ボール文章作成やブラウザ中心で、手を動かさずカーソルを送りたい人親指キーが減る。キー配置の作り直しが前提
人差し指ボール内蔵の分割型キーの外側や中央寄り、指の腹で回す画面を大きく横断する移動が多い人。デュアルモニター環境本体が大きくなり、手を少し移動させる
分割キーボード+別体トラックボール左右の谷間に独立した機器を置く既存のキー配列を変えず、まず分割だけ試したい人机の奥行きが要る。キーとボールの高さ差が出る
ボール位置を替えられるモジュール式左右どちらにも装着両手で操作を分担したい人選べる製品が少なく、設定の手間が増える

向かない人もはっきりしています。

マウスを大きく素早く振る操作が前提のゲームでは、ボールは指先だけで回すぶん、狙った位置へ一気に飛ばす動きが苦手です。

イラストや写真の細かい範囲選択も、ペンタブレットや通常のマウスのほうが素直に動きます。

仕事の合間にゲームもするなら、トラックボールを主役にせず、マウスと併用できる机の広さを確保しておいたほうが無理がありません。

マウスを残す前提なら、滑走面の選び方も関わってきます。

素材ごとの違いは、素材とサイズで変わる使い心地で解説しています。

ご覧ください。

失敗が多いのは、キー数を削った分割キーボードを最初の一台に選ぶこと

いちばん起きやすいミスマッチは、40キー前後の小型モデルをいきなり選ぶことです。

トラックボール内蔵の分割キーボードは小型設計と相性がよく、魅力的に見えます。

ただしキーが物理的に足りないぶん、数字・記号・矢印はレイヤー(キーを押しながら別の面に切り替える仕組み)へ逃がすことになります。

数字を打つのに毎回2キー同時押し、という状態に慣れるまで、業務の速度は落ちます。

仕事で使う端末なら、まずは60キー以上あるモデルから入るほうが復帰が早い。

次に多いのが、キー割り当てを変更するソフトの動作環境を確かめないまま買うことです。

自作系のモデルは設定用アプリやブラウザ経由の書き込みで割り当てを変えますが、対応するのがWindowsだけの場合もあります。

会社支給の端末で管理者権限がないと、書き込み自体ができないこともあります。

数字入力が多い人が小型モデルを選んで、あとからテンキーを買い足すのは悪い手ではありません。

ただし机の上の機器がまた1台増えます。

別付けにする判断の目安は、接続と配置から見たテンキーを別に買う条件で解説しています。

ご覧ください。

もう一点。

無線モデルは左右2つ分の電池管理が発生します。

片側が切れると入力が半分止まるので、毎日長時間使うなら有線接続を残せる型のほうが手間は少なくなります。

買う前に測るのは机の奥行きと、左右をつなぐケーブルの長さ

測る場所は3つです。

天板の奥行き、キーボードを置く帯の幅、そして左右を離したい距離。

奥行きは、キーボード本体の手前にリストレストを置く前提で見てください。

手前に別体のトラックボールを置く構成なら、そのぶんも足します。

天板の奥行きが浅い机では、画面までの距離が詰まって首を持ち上げる角度が変わります。

幅は、左右の本体を実際に開けたい間隔で足し算します。

分割キーボードは1枚ずつはコンパクトでも、肩幅に合わせて20cm前後開ければ、占める帯はフルサイズのキーボードと変わらない広さになります。

天板の左右にスピーカーや書類置きがあるなら、そこまで含めて計算してください。

そして左右をつなぐケーブル。

分割キーボードは、左右を1本のケーブル(TRRSと呼ばれる4極のプラグを使う製品が多い)で接続します。

付属ケーブルが短いと、開けたい幅まで届きません。

交換用ケーブルが手に入る規格かどうか、購入前に仕様表で確認しておくと安心です。

パソコン側へつなぐ端子も同様で、本体側がUSB-Cでも、パソコンにUSB-Aしかなければ変換が要ります。

肘の位置も一緒に見ておきたいところ。

左右を離すと肘が体から遠ざかるので、肘掛けの幅が合っていない椅子では腕を支えられません。

座面と肘掛けの調整範囲は、自宅で疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

使い始めてからボールの動きが渋くなるのは、支持球のほこりが原因になりやすい

トラックボールは、ボールを3点前後の小さな球(支持球)で受ける構造がほとんどです。

ここに手の脂とほこりが混ざって溜まると、転がりが引っかかるようになります。

ボールを外して乾いた布で拭き、受け皿のくぼみも綿棒でなぞる。

これを月に1回程度やるだけで、渋さの多くは解消します。

ボールが取り外せる設計かどうかは、買う前に確認しておいてください。

取り外せないモデルは、掃除の選択肢が限られます。

キーマップも、一度決めて終わりにはなりません。

使い始めて2週間ほどたつと、押しにくいキーと使っていないキーがはっきりしてきます。

そこで割り当てを見直すのが、この手のキーボードの本来の使い方です。

慣れるまでの期間は人によって差がありますが、レイヤーを使う小型モデルほど長くかかります。

移行の初日から本番の仕事に投入せず、元のキーボードを机の脇に残しておくと戻れます。

買い替えを考える目安は、キーの反応が特定の場所だけ鈍くなったときと、ボールのセンサーが飛ぶようになったとき。

自作系のモデルはスイッチが交換できる設計(ソケット式)のものもあり、その場合はキーだけ差し替えられます。

なお、指や手首に痛みが出ている場合は、道具を替えて様子を見るよりも先に、医療機関へ相談してください。

よくある質問

分割キーボードとトラックボール、両方いっぺんに変えても大丈夫ですか

作業に締め切りがある時期なら避けたほうが無難です。

分割で左右の間隔が変わるうえに、カーソル操作の指まで変わると、慣れるまでの落ち込みが重なります。

順番を付けるなら、まず既存配列の分割キーボードに慣れて、そのあとボールを内蔵した型へ進む。

この段取りのほうが、途中で投げ出しにくい。

トラックボール内蔵型はゲームにも使えますか

ジャンル次第です。

カードゲームやシミュレーションのように、素早い視点移動を求めないものなら不便はありません。

逆に、狙いを一瞬で振る操作が前提のタイトルは苦手です。

両方やるなら、マウスを併用できる置き場を確保しておくこと。

ボールは右手側と左手側、どちらに付けるべきでしょうか

マウスを右手で使ってきた人は右手側が素直ですが、右手側のキー配置がそのぶん削られます。

左手側に置くと、右手はキー入力に専念できる一方、クリックの位置合わせを利き手でない指で覚え直すことになります。

左右を入れ替えられるモジュール式なら、両方試してから決められます。

ボールの直径はどれくらいが扱いやすいですか

親指で回すなら30mm前後、指の腹で回すなら40mm台が一般的な範囲です。

大きいほど惰性で長く転がり、大きな移動が楽になる。

小さいほど本体に収めやすく、手のひらを動かさずに済みます。

どちらが合うかは指の長さと爪の長さでも変わるので、店頭で触れる機会があれば転がしてみてください。

完成品は手に入りますか

トラックボール内蔵の分割キーボードは自作キットの形で流通するものが多く、組み立て済みの完成品は選べる数が限られます。

取扱いは販売元や時期によって変わるため、仕様表で組み立ての要否とキー数、設定ソフトの対応環境を確認してから判断してください。

まとめ

選ぶ順番は、ボールを親指で回すか指の腹で回すかを決めて、そのあとキー数と机の寸法を突き合わせる流れになります。

キー数を削ったモデルは魅力的に見えますが、数字と記号をレイヤーへ逃がす作業が待っています。

分割だけ先に試して、ボールは別体から始める選び方も十分に現実的です。

まずは天板の奥行きと、左右を開けたい間隔をメジャーで測ってみてください。

その数字を持って仕様表を見れば、候補はかなり絞れます。

本記事を手がかりに、自分の手と机に合う組み合わせを見つけていただければと思います。

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