キーボード用リストレストの選び方|高さと素材の目安
キーボードのリストレストは、手首を置く台の高さと素材で選ぶ道具です。
商品ページに並ぶ「高さ1.5cm」「奥行き8cm」「幅43cm」といった数値のうち、いちばん効くのは高さ。
ここがキーボードの手前側の厚みと合っていないと、手首が上か下に折れた角度で固定されます。
しかも高さの測り方はメーカーで揃っておらず、低反発ウレタンなら体重をかけた後の沈み込みで実質の高さが変わります。
本ページでは、高さをキーボードの厚みから逆算する方法・ウレタンとジェルと木で変わる沈み込み・幅と奥行きが足りないと手のどこが浮くか・商品ページのどこに数値が書いてあるかまで、まとめて紹介します。
キーボードのリストレストが表しているのは、手首を置く面の高さと奥行き
リストレストの仕様欄でまず見る数値は3つです。
幅、奥行き、高さ。
単位はほとんどがcmかmmで表記されます。
幅はキーボードと並べたときの左右の長さ。
テンキー付きのフルサイズなら44cm前後、テンキーレスなら36cm前後、60%配列と呼ばれる小型なら30cm前後が並びの目安になります。
奥行きは手前から奥へ向かう寸法で、7〜10cmあたりが多い。
そして高さが、机の天板から手首を乗せる面までの距離です。
名前の「レスト」は休ませるという意味ですが、実際にタイピング中ずっと手首を押し付けて使う道具ではありません。
多くのメーカーは、手のひらの付け根(手根部)を軽く預ける使い方を想定した形状にしています。
だから奥行きが極端に広い製品は、手首ではなく前腕の一部まで乗る設計だと考えたほうが近い。
この違いを知らずに幅だけ合わせて買うと、「置けたのに手の当たる場所が違う」という結果になります。
リストレストの高さは、キーボード手前側の厚みから逆算する
選ぶ順番は決まっています。
まずキーボードの手前側の厚みを測り、それに近い高さのリストレストを選ぶ。
この1点で大半が決まります。
測る場所は、キーボードの一番手前の縁で、机の天板からキー最下段の上面までの高さです。
ノートパソコンなら手前の縁の厚みそのもの。
薄型のパンタグラフ式(キーの下がX字の支柱になっている、押し込みの浅い構造)なら1cm前後、メカニカル式のフルサイズなら3cm以上になることも珍しくありません。
| キーボード手前の厚み | 目安になる高さ | 該当しやすい機種 |
|---|---|---|
| 1cm前後 | 1〜1.5cm | ノートパソコン、薄型パンタグラフ |
| 1.5〜2.5cm | 1.5〜2cm | 一般的なメンブレン式の外付け |
| 3cm以上 | 2〜3cm | メカニカル、キーキャップの高いもの |
厚みより極端に低いものを選ぶと、手首が下がってキーに向かって手が反り上がる角度になります。
逆に高すぎれば手首が上がり、指先が下を向く。
どちらも手首の関節が中立から外れた状態で長時間固定されるため、同じ姿勢を続けにくくなります。
なお、キーボード側にチルトスタンド(奥を持ち上げる脚)を立てている場合は手前の厚みが変わらないので、測るのは常に手前の縁で構いません。
ウレタン・ジェル・木・レザー、素材で変わるのは沈み込みと手入れ
高さが決まったら次は素材です。
ここで実質の高さが変わるので、数値だけ見ていると狙いから外れます。
低反発ウレタン
体重をかけるとゆっくり沈み、手の形に合わせて面ができる素材。
表記高さが2cmでも、沈み込んだ状態では1.5cm前後まで下がることがあります。
だから表記より少し高めを選ぶという考え方が成り立ちます。
多くは布のカバー付きで、カバーを外して洗える型かどうかは商品ページで分かれるところ。
汗をかく季節に毎日使うなら、カバーが着脱できるかを確認してから選ぶといいでしょう。
ジェル
ウレタンより戻りが速く、押した部分だけが変形するタイプ。
表面はポリウレタン系のフィルムやシリコンで覆われているものが多く、水拭きで手入れが済みます。
ただし夏場に手が張り付く感触を苦手とする声もあり、素材の相性が出やすい。
木・樹脂・アルミ
沈み込みがゼロなので、表記の高さがそのまま実際の高さになります。
高さを厳密に合わせたい人には計算しやすい素材。
一方で硬い面に手首の骨が直接当たるため、預ける時間が長いと圧迫感を覚えることもあります。
木製は湿気で反ることがあるので、直射日光と加湿器の吹き出し口の近くは避けたほうが無難です。
レザー・合皮
中身はウレタンで、表面が合皮という組み合わせが多い。
汗を拭き取りやすく、机の見た目を揃えたい人が選びやすい素材です。
ただし合皮は経年で表面が割れてくる素材でもあります。
長く使うほど表面の劣化が出やすいという前提で見てください。
滑りや手触りで道具を選ぶ考え方はマウス側にも共通しており、素材ごとの違いは素材とサイズで変わる使い心地で解説しています。
ご覧ください。
キーボードとリストレストで表記がずれるのは、測る基準が揃っていないから
同じ「高さ2cm」でも、製品によって実際の当たり方が違います。
理由は測定の基準がメーカーごとに違うことです。
柔らかい素材の製品では、荷重をかけない状態の最も高い場所を測った値を載せるのが一般的。
ですが実際に手を乗せれば沈むため、使用中の高さは表記より低い。
ここに何mmの差が出るかは素材の密度で変わり、公表している例はほとんどありません。
さらに、表面が平らではなく手前が低く奥が高い傾斜形状の製品では、どこを測った値なのかが読み取れないこともあります。
幅の表記も同じです。
角が丸い形状だと、最大幅とキーボードに接する面の幅が一致しません。
「43cm」と書かれていても、まっすぐ接するのは中央の40cm分だけ、というケースがある。
では、ずれる前提でどう判断するか。
順序は3つです。
第一に、木や樹脂のように沈まない素材なら表記をそのまま信じてよい。
第二に、ウレタンやジェルなら表記より2〜5mm低くなる想定で、キーボードの厚みと同じか少し高めを選ぶ。
第三に、それでも迷うなら購入前に自分の机で仮合わせをします。
厚紙を折って測りたい高さの台を作り、キーボードの手前に置いて数分タイピングしてみてください。
手首の角度が合っているかは、この方法でおおよそ分かります。
幅と奥行きが足りないリストレストで、手のどこが浮くか
高さを合わせても、幅と奥行きが噛み合っていないと別の不具合が出ます。
まず幅。
キーボードより明らかに短いものを選ぶと、端に置いた手の外側が台から落ちます。
左右対称に置いているつもりでも、マウスを持つ側の手はキーボードの右端寄りに来ることが多い。
テンキー付きのキーボードで幅30cmのリストレストを使うと、右手が台の外に出ます。
逆にキーボードより長すぎる場合は使用上の支障は少ないものの、机の奥行きを余分に占めます。
次に奥行き。
5cm以下の細いものは、手のひらの付け根だけが乗る前提の形です。
手首全体を預けたい人には接地面が足りず、台の手前の縁が手首に食い込む当たり方になります。
反対に12cmを超えるものは前腕まで乗るため、キーボードが机の奥に押し出されます。
机の奥行きが60cm程度だと、モニターまでの距離が詰まって画面が近くなりすぎることも。
設置面のもうひとつの問題は滑りです。
裏面に滑り止めのゴムや布が付いていない製品は、タイピング中に少しずつ前へ動きます。
とくにガラス天板やガラス面の上では止まりにくい。
ガラス面がどれくらい滑るかはガラス素材の特徴と向いている使い方で解説しています。
ご覧ください。
そして机の高さそのものが体に合っていない場合、リストレストで補える範囲を超えます。
肘が机より低い姿勢では手首だけを整えても肩に負担が集まるため、椅子側の座面高から見直すほうが先。
座面高と机の関係は自宅で疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。
ご覧ください。
なお手首の痛みや違和感が続く場合は、道具を替える前に医療機関に相談してください。
リストレストの寸法は、商品ページのどこに書いてあるか
数値が載っている場所は、だいたい決まっています。
通販の商品ページなら「商品の仕様」「商品情報」の表。
ここに「商品の寸法」として「幅 × 奥行き × 高さ」の順で並ぶのが一般的な書き方です。
ただし順序が入れ替わっている表記もあるため、3つの数字のうち一番小さいものが高さだと考えて読むとおおむね合います。
パッケージの場合は側面か裏面の仕様欄。
素材の記載は「材質」「素材」の欄で、「低反発ウレタンフォーム」「ポリウレタン」「シリコン」などと書かれます。
逆に、確認できないことも把握しておいてください。
荷重をかけた状態の高さ、カバーの着脱可否、裏面の滑り止めの有無は、記載のない製品が少なくありません。
とくに滑り止めは写真で裏面が写っているかどうかが手がかりになります。
写真も記載もないなら、無いものとして考えたほうが安全側です。
もうひとつ見ておきたいのが対応キーボードの記載。
「テンキーレス対応」「フルサイズ対応」といった表現は、幅の目安を言い換えたものにすぎません。
自分のキーボードの幅を実際に測った数値と突き合わせるのが確実です。
メジャーがなければ、A4用紙の長辺が29.7cmであることを基準にすると見当がつきます。
よくある質問
リストレストはタイピング中ずっと手首を乗せて使うものですか
常に押し付けて使う前提の道具ではありません。
多くのメーカーは、キーを打つ動作の合間に手のひらの付け根を軽く預ける使い方を想定した形にしています。
手首を固定したまま指だけを動かすと、指の可動域が狭まってかえって打ちにくくなることも。
乗せる強さと時間は、自分の打ち方に合わせて調整してみてください。
マウス用のリストレストとキーボード用は同じものですか
別物です。
マウス用は手首1つ分の小さな正方形や円形が中心で、幅は8〜10cm程度。
キーボード用は配列に合わせた横長の形です。
マウス用をキーボードに使うと片手しか乗らず、両手の高さが揃いません。
パッド一体型でリストレスト部分が付いた製品もあり、用途別のタイプの分かれ方は用途別の選び方と比較で解説しています。
ご覧ください。
100均で売っているものでも代わりになりますか
手首を少し持ち上げたいだけなら、100均で買える範囲のクッション材でも高さを試す用途には使えます。
ただし厚みの表記がない商品が多く、沈み込みや滑り止めの有無も分かりません。
まず高さの当たりを付けるための試し用と考えて、本格的に毎日使うなら専門店の価格帯で寸法が明記されたものを選ぶほうが読みが立ちます。
100均品の使える範囲と限界については使える場面と限界の目安で解説しています。
ご覧ください。
まとめ
リストレストを選ぶ順番は、キーボード手前の厚みを測る、それに近い高さを選ぶ、素材の沈み込みで数mm補正する、幅と奥行きを自分のキーボードに合わせる、この4段階です。
表記の高さは荷重をかけない状態の値であることが多いため、柔らかい素材なら少し高めを見ておくと当たりが近くなります。
まずは定規かメジャーを持って、キーボードの手前の縁の厚みと幅を測るところから始めてみてください。
その2つの数字が手元にあれば、商品ページの仕様欄だけで自分に合うものを絞り込めます。
