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キャスターなしのオフィスチェアの利点|向く床材と選び方

キャスター無しのオフィスチェアは、脚の先が回転する車輪ではなく、床に接する固定脚(グライド脚、固定脚、アジャスター脚などと表記される)になっている椅子を指します。

売り場では「静止脚」「固定脚仕様」と書かれることもあり、同じ形でも呼び名が揃っていません。

厄介なのは、キャスター無しにすると座面の高さの意味が変わること。

車輪がなくなるぶん座面が下がる製品もあり、机の天板との差が2〜3cmずれるだけで足の裏か肘のどちらかが合わなくなります。

本ページでは、固定脚の表記の読み方・床と机の高さから決める手順・キャスターを外して代わりの脚を付けるときの注意点まで、まとめて紹介します。

キャスター無しのオフィスチェアが指しているのは、脚先が回らない構造のこと

キャスターは、脚の先に付いた車輪と、それを支える回転する軸をまとめた部品です。

軸が回るので椅子は前後左右どこへでも動き、車輪が転がるので体重をかけたまま移動できます。

この2つの動きをどちらも持たないのが、キャスター無しの椅子。

表記としてよく使われるのが「グライド」です。

床の上を滑らせる前提の脚先で、樹脂やフェルトの当たり面が付いています。

同じ固定脚でも「アジャスター」と書かれているものは、ねじで高さを微調整できる脚先を意味することが多い。

ガタつきを取るための機能なので、座面の高さ調整とは別のものと考えてください。

もうひとつ混ざりやすいのが、脚の形です。

キャスター付きの椅子は5本の放射状の脚(5本脚ベース)が基本ですが、固定脚では4本脚、そり脚(脚が前後にコの字に伸びる形)、ループ脚といった形が出てきます。

4本脚だと接地点が4か所になるため、5本脚に比べて後ろへもたれたときの安定は落ちます。

深くリクライニングして使いたいなら、脚の張り出しがどれだけあるかを写真の側面カットで見てください。

キャスター無しの表記は3種類、意味と向く人が分かれる

商品ページに出てくる表記を、意味と向いている人で並べます。

名前は製品ごとにゆれるので、どんな部品が付いているのかで判断するのが確実です。

表記意味該当する人
グライド脚・固定脚脚先に樹脂やフェルトの滑り材が付き、車輪も回転軸もない畳やカーペットの上で使う人、椅子が勝手に動くのを止めたい人
アジャスター脚ねじで脚先の長さを微調整できる。ガタつき取りが目的床が平らでない部屋、フローリングの継ぎ目に脚がかかる人
ストッパー付きキャスター車輪はあるが、体重がかかると止まる、または手動でロックできるときどき動かしたいが、作業中は固定したい人

この3つ目を「キャスター無し」として売っている例もあるので、写真で車輪の有無を確かめてください。

ストッパー付きは、掃除のときに椅子を寄せたい人には便利。

一方で車輪が残るぶん、脚先の高さはキャスター付きと同じ寸法になります。

ガスシリンダー(座面を上下させる筒)の有無も、あわせて見ておくところです。

固定脚の椅子はレバーで高さを変えられない仕様が混ざります。

高さが固定なら、机との差を先に計算してから買うことになる。

床と机の高さから、自分に合うオフィスチェアを決める手順

順番は決まっています。

まず机の天板の高さ(床から天板の上面まで)をメジャーで測ってください。

一般的な事務机やダイニングテーブルは70〜72cm前後ですが、家庭向けのデスクは65cm台もあります。

次に、椅子に座って足の裏が床につく座面の高さを出します。

目安は、太ももが床とほぼ平行になり、膝の角度が90度前後になる位置。

この2つの差が、机の下に膝と太ももを入れる余裕になります。

天板の下に引き出しやフレームがあるなら、天板の高さではなく、そのフレームの下端までの高さで計算してください。

ここを見落とすと、座れても膝が引っかかります。

そのうえで、固定脚の椅子の座面高を確認します。

高さ調整のない製品は座面高が1つの数値で書かれているので、机との差が合うかを引き算するだけで判断できます。

調整幅がある製品なら、その範囲に自分の必要な高さが入っているかを見る。

座面高が高すぎて足が浮くなら、椅子を下げるか、足を置く台で埋めるかの二択になります。

足元で高さを合わせる考え方は、フットレストで座面と床の差を埋める手順で解説しています。

ご覧ください。

座面の奥行きも同時に見ておきたいところ。

固定脚の椅子は前後に動かせないので、浅がけになると背もたれに届かず、深く座ると膝の裏が座面の縁に当たります。

奥行きの数値が体に合っていない椅子は、キャスター付きよりも姿勢の逃げ場が少なくなります。

同じ「座面高」でもメーカーで数値がずれる理由

固定脚とキャスター付きで、座面高の測り方の基準が違う場合があります。

キャスター付きは車輪の接地面から座面の上面まで、固定脚はグライドの底面から座面の上面まで。

どちらも床からの高さを示していますが、キャスターは車輪の直径のぶん(一般に50mm前後の径が多い)脚先の高さが増えるため、同じフレームでも固定脚仕様のほうが座面が低く出ることがあります。

さらに、座面高を「クッションが沈まない状態」で測っているのか「体重をかけた状態」で測っているのかは、公表されていないことが多い。

厚いウレタンの座面は、座ると数cm沈みます。

カタログの数値どおりに机との差を計算しても、実際は少し低くなると見ておくのが安全です。

脚の張り出し寸法の書き方もそろっていません。

「幅」がフレームの外寸なのか、脚の先端までなのかで数cm変わります。

机の下に椅子をしまいたいなら、脚の最大外寸が書かれているかを確認してください。

書かれていないときは、寸法図(側面図・上面図)が載っているかを見る。

図があれば、脚がどこまで前へ出るかを読み取れます。

メーカー間で基準が違う前提で判断するなら、優先順位はこうなります。

第一に自分の机の実測値、第二に寸法図、第三にカタログの単一の数値。

数値だけを横に並べて比較するのは、いちばん最後にしてください。

キャスターを外して固定脚に替えるとき、合わないと何が起こるか

後付けのグライド脚は、キャスターの差し込み軸と同じ規格の部品として売られています。

ここで見るのは軸の直径と長さ。

事務用椅子では直径11mmの軸が広く使われますが、すべての椅子が同じではありません。

手持ちの椅子のキャスターを1本抜いて、軸の太さと長さを実測してから選んでください。

合わない軸を無理に差すと、脚のソケット側が広がって抜けやすくなります。

寸法が合っていても、高さが変わる点は避けられません。

車輪の径より短いグライドに替えれば座面が下がり、机との差が広がります。

逆に長い脚に替えると座面が上がり、足が浮きます。

数cmの差が、肘の角度と足の裏の接地のどちらかを崩す。

替えたあとで机との関係を測り直す前提で考えてください。

床側にも影響が出ます。

キャスターは荷重が車輪の接地面に集まりますが、面で当たるグライドは体重が広い範囲に分散します。

ただしフローリングの上で滑らせると、樹脂の脚先が擦り跡を残すことがある。

畳の上では脚先が沈み、跡が付きます。

フェルトを貼った脚先を選ぶか、椅子の下に敷物を入れるのが現実的な対処です。

もうひとつ。

5本脚のベースからキャスターを外して固定脚にしても、ベース自体は回転する構造のまま残ります。

座面が回るのを止めたいなら、キャスターの交換ではなく、そもそも回転しない4本脚の椅子を選ぶことになります。

ここを取り違えると、部品を買い替えても目的が達成できません。

座面の座り心地だけを足したいなら、厚みと素材からクッションを選ぶ目安で解説しています。

ご覧ください。

キャスター無しかどうかは、商品ページのどこを見れば分かるか

最初に見るのは仕様表の「脚」または「ベース」の欄です。

「ナイロン樹脂5本脚(キャスター付)」「スチール4本脚(グライド)」のように、脚の形と脚先の部品名が併記されているのが一般的な書き方。

ここに「キャスター」の文字がなく、グライド・アジャスター・固定脚のいずれかが書かれていれば、車輪はありません。

次に寸法欄。

座面高が「40〜50cm」のように範囲で書かれていればガスシリンダーによる調整あり、「44cm」のように単一の数値なら固定と読めます。

ただし固定脚でもレバー式の昇降を持つ製品はあるので、範囲表記だからキャスター付きとは限りません。

写真では、脚先を斜め下から写したカットを探してください。

車輪は必ず脚先に丸い形として写ります。

商品名に「固定脚」と入っていても、掲載写真がキャスター付きの共通画像である場合があるので、仕様表と写真の両方が一致しているかで判断するのが安全です。

取扱いは店舗や時期で変わるため、同じ型番でも固定脚仕様が並んでいないことがあります。

実店舗で確認できるなら、座って足の裏が床につくかと、机の下に脚が収まるかを見ておくといい。

量販店の椅子の仕様の読み方は、種類ごとの違いと選び方の目安で解説しています。

ご覧ください。

椅子全体を選ぶ基準から見直したい場合は、自宅で疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。

あわせてご覧ください。

よくある質問

キャスター無しのオフィスチェアは畳の上でも使えますか

脚先の当たり面が広いものなら、荷重が分散するので車輪より跡は付きにくくなります。

ただし畳は柔らかいため、長時間同じ位置に置けばへこみます。

脚先にフェルトが付いた仕様を選ぶか、下に厚めの敷板や専用マットを入れてください。

座面が回転しないタイプを選ぶと不便になりませんか

机に向かって作業を続けるだけなら、回転しないほうが姿勢が安定します。

不便になるのは、机の横のプリンターや棚へ体をひねって手を伸ばす場面。

振り向く動作が多い部屋なら、回転あり・キャスター無しという組み合わせが折衷案になります。

キャスター無しにすれば腰の負担は減りますか

椅子が動かないことと腰の負担は、直接つながりません。

負担に効くのは座面の高さと奥行きが体に合っているか、背もたれが腰の位置を支えているか。

痛みが続く場合は自己判断で対処せず、医療機関に相談してください。

まとめ

キャスター無しの椅子を選ぶときに決め手になるのは、脚先の部品名と座面高の2つだけです。

仕様表でグライドかアジャスターかを確かめ、机の天板の高さと引き算して、足の裏が床につく座面高に収まるかを見る。

メーカーごとに測り方の基準が違うので、カタログの数値を横に並べるより、自分の机の実測値を先に持っておくほうが確実です。

まずはメジャーで天板の高さと、天板下のフレームまでの高さを測ってみてください。

その2つの数値があれば、候補の椅子が合うかどうかは商品ページの仕様表だけで判断できます。

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