オフィスチェアカバーの選び方|サイズの合わせ方と種類
かぶせた直後は決まったのに、二、三度座り直すと座面の前端に生地が寄り、背もたれの角が余ってたるむ。
オフィスチェアのカバーで起きるずれは、サイズ表記を椅子の外寸と同じものとして読んだところから始まります。
伸縮タイプの「座面幅◯〜◯cm対応」は、その寸法に合わせて縫ってあるという意味ではなく、生地を伸ばして包める範囲のことです。
椅子側の条件も、幅と奥行きだけでは足りません。
座面の厚み、背もたれの高さ、肘掛けが座面とつながっているかまで見て決めるので、メジャーを当てる箇所は4か所になります。
本ページでは、サイズ表記の読み方・覆う範囲ごとの違い・素材で変わる通気と手入れ・同じM表記でも合う椅子が違う理由まで、まとめて紹介します。
オフィスチェアのカバーの寸法表記は、椅子の外寸ではなく包める範囲を示している
汎用の伸縮カバーに書かれた対応寸法は、生地を引き伸ばした状態でどこまで覆えるかという幅(レンジ)です。
だから下限に近い椅子ではたるみ、上限に近い椅子では張りが強く出ます。
同じ一枚でも、かけた椅子によって見え方が変わる。
ぴったり縫製された既製服のようなものだと思って読むと、届いてから戸惑います。
これとは別に、特定の型番の座面や背もたれの形に合わせた張り替え用のカバーもあります。
こちらは対応機種が表で指定されていて、載っていない椅子には使えません。
汎用品と機種専用品では、そもそも表記の意味が違うということです。
商品ページの上のほうに対応機種の一覧があるなら専用品、「◯〜◯cm対応」や「フリーサイズ」と書かれていれば汎用品と考えて読み分けてください。
単位はcm表記が主流ですが、仕様表だけmmで書かれていることもあります。
「450」と「45」が同じページに並んでいたら、桁を見て単位を確かめる。
ここを見落とすと10倍の読み違いになります。
なお「フリーサイズ」は無条件という意味ではなく、メーカーが想定した形の範囲内で伸びるという表記にすぎません。
座面だけを包むか、背もたれまで一体で包むかで選べる形が変わる
カバーは覆う範囲で分かれます。
汚れの中心が座面なのか、椅子全体の見た目を変えたいのかで、選ぶ範囲が決まります。
| 覆う範囲 | 形と留め方の特徴 | 向く人 |
|---|---|---|
| 座面のみ | 座面をかぶせて裏側をゴムや紐で絞る。着脱がいちばん早い | 座面の汚れや擦れだけを隠したい人 |
| 背座一体 | 背もたれと座面を続きの布で包む。背座がつながった形の椅子向け | 椅子全体の色を変えたい人 |
| 背もたれ用(分割) | 背もたれに上からかぶせる。座面カバーと組み合わせて使う | 背座が離れている事務椅子を使っている人 |
| 肘掛け用 | 2枚1組で肘当てに巻く。ゴムや面ファスナーで留める | 肘当ての表面がべたついてきた人 |
ここで見落としやすいのが可動部です。
座面の下の高さ調整レバー、背もたれのリクライニングノブ、ランバーサポート(腰を支える部品)の位置。
一体型は布の面積が大きいぶん、これらを覆ってしまうと操作のたびに生地をめくることになります。
背もたれの高いゲーミングチェアは形状そのものが事務椅子と違うので、一体型を選ぶ場合も対応表に自分の椅子の型が入っているかを見てください。
オフィスチェアのカバーの素材で変わるのは、通気とずれにくさ、洗ったあとの状態
伸縮性はポリウレタン(スパンデックス)が数パーセント混ざった編み地で出しているものが多く、これが曲面への追従を担っています。
伸びるほど形の合致には寛容ですが、そのぶん座るたびに引っぱられて位置が動く。
逆に伸びない素材はずれにくい代わり、形が合っていないとしわが寄ります。
| 素材 | 伸びと張り | 手入れと注意点 |
|---|---|---|
| ポリエステル主体の伸縮ニット | よく伸び、曲面に沿う | 洗濯できる表示のものが多い。高温乾燥で縮む場合がある |
| 綿混 | 伸びは控えめで張りが出る | 肌当たりは柔らかい。洗濯後の寸法変化に注意 |
| パイル・タオル地 | 厚みが出て伸びは中程度 | 汗を吸うが乾きは遅い。座面が数ミリ高くなる |
| 合皮調 | ほとんど伸びない | 表面を拭ける。通気は落ちる |
メッシュの椅子に厚い生地をかぶせると、背中側の通気は当然落ちます。
夏場に背もたれの通気を目的でその椅子を選んだのなら、背もたれは覆わず座面だけにするほうが筋が通ります。
裏面に滑り止めの樹脂粒が付いた型は座面での移動が少なめですが、粒の当たりが座面の張り地に跡を残すこともある。
洗濯表示のタグは桶のマーク(家庭洗濯の可否)と乾燥の記号を見て、乾燥機が不可なら陰干しで戻してください。
座り心地そのものを変えたいなら、カバーは向いていません。
布一枚で当たりは大きく変わらないからです。
厚みを足して座面の硬さを調整したいときの選び方は、クッションの厚みと素材の目安で解説しています。
ご覧ください。
自分のオフィスチェアに合うサイズは、4か所を測れば絞り込める
メジャーを用意して、次の順で測ります。
座面の幅は左右のいちばん広いところ、奥行きは背もたれの前面から座面の前端まで、厚みはクッションを含めた側面の高さ、背もたれは座面から上端までの高さと最大幅。
肘掛けが座面とつながっている形なら、そこも一体型が入るかどうかの判断材料になります。
測った数値は、対応レンジの真ん中あたりに収まるものを選ぶのが無難です。
上限ぎりぎりだと生地が張りきって縫い目に力が集中し、下限ぎりぎりだと余った布が座面の下でだぶつきます。
リクライニングを深く倒して使う人は、背もたれ側に余裕のあるほうを選んでください。
倒したときに背と座面の角度が開き、一体型は布の必要量が増えるからです。
数値の記載場所は決まっています。
通販の商品ページなら「商品仕様」または「サイズ」の欄に対応寸法、店頭の商品ならパッケージの裏面か側面。
素材の混率は本体に縫い付けられた品質表示タグに書かれています。
対応寸法が書かれておらず「オフィスチェア用」としか記載がない商品は、写真の形と自分の椅子を見比べるしか手がなく、判断材料が足りません。
買う前に対応寸法が確認できるものを選ぶほうが確実です。
同じM表記でも合う椅子が違う理由と、合わなかったときに出る症状
S・M・Lという表記に業界共通の基準はありません。
各社が基準にしている椅子の形が違うためです。
背座が一体成型のハイバックを前提に型を取ったカバーと、背と座面が離れた事務椅子を前提にしたカバーでは、同じMでも布の割り振りが別物になります。
さらに編み地の伸縮率が違えば、同じ「45〜55cm対応」でも実際に無理なく包める範囲がずれる。
だから文字のサイズ表記ではなく、cmのレンジと商品写真の形状の両方で判断してください。
合っていないカバーは、生活の中で症状として出ます。
座るたびに生地が前端へ寄って毎朝引っぱり直す、背もたれのカバーがずり上がって肩や首に縫い目が当たる、高さ調整レバーが布の下に隠れて操作しにくい。
裾が長く垂れているとキャスターやガスシリンダーの周りに入り込むこともあるので、余った裾は座面裏のゴムや紐でしっかり絞る、あるいは隙間に押し込む固定材(スポンジ棒)で留めておくのが安全です。
それでも収まらないなら、カバー側ではなく椅子側の問題かもしれません。
座面のクッションがつぶれて形が崩れている椅子は、布をかけても形は戻りません。
買い替えを含めて考えるときの判断材料は自宅で疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。
ご覧ください。
国内で選択肢を見比べたい場合の種類の違いは、ニトリの椅子の種類と選び方の目安にまとめています。
よくある質問
オフィスチェアのカバーは洗濯機で洗えますか
品質表示タグの洗濯記号に従ってください。
ポリエステル主体の伸縮ニットは家庭洗濯が可能な表示のものが多いものの、乾燥機の高温で縮む場合があります。
洗濯ネットに入れて弱い水流で洗い、干すときは形を整えてから陰干し。
綿混は洗濯後に寸法が変わることがあるので、対応レンジの下限ぎりぎりの椅子に使っていると次からかぶせにくくなります。
メッシュのオフィスチェアにも使えますか
形が合えばかぶせられます。
ただし背もたれの通気は落ちます。
メッシュを通気のために選んだのなら、背もたれは覆わず座面だけを保護する形にとどめるのが現実的でしょう。
座面もメッシュの場合、伸縮生地で強く張ると座面の張り具合が変わって感じられることがあります。
座面が滑るのですが、カバーで直りますか
素材によって変わります。
つるつるした編み地は滑りやすく、裏面に滑り止めの粒が付いたものや起毛のあるものは動きにくい。
ただしカバー自体がずれるのか、体が前に滑るのかで対処が変わります。
座面の上に敷くもので滑りにくさを比べたいときは、座布団の滑りにくさと厚みの目安で解説しています。
ご覧ください。
まとめ
汎用カバーの寸法表記は椅子の外寸ではなく、生地を伸ばして包める範囲です。
表記のS・M・Lには共通基準がないので、cmのレンジと商品写真の形状を突き合わせて判断するのが確実。
覆う範囲を座面だけにするか背もたれまで含めるかは、汚れている場所と、レバーやノブを隠さずに使えるかで決まります。
まずはメジャーで座面の幅・奥行き・厚み、背もたれの高さの4か所を測ってみてください。
その数値を手元に置いて商品ページの対応寸法を読めば、迷いはかなり減ります。
