オフィスチェアとフットレストの合わせ方|高さを決める基準
足が床に届かず、つま先で体を支えたまま何時間も座っている。
オフィスチェアのふっとレスト(フットレスト)は、その浮いた足を乗せて、体重の一部を足裏へ逃がすための台です。
厄介なのは、必要な高さが椅子の種類でも足の長さでもなく、机の天板の高さから決まるところ。
日本の事務机は天板の高さ70cm前後が標準的なサイズで、そこに肘を合わせて座面を上げると、身長によっては数センチ足が浮きます。
その浮いた分が、そのままふっとレストに求める高さになります。
本ページでは、ふっとレストの種類ごとの構造・机の高さから必要な高さを出す手順・「高さ3段階調整」のような表記が製品ごとにずれる理由まで、まとめて紹介します。
オフィスチェアのふっとレストは、浮いた足を支えて座面前縁への圧を逃がす台
ふっとレストという言葉が指すものは、机に向かう作業と休憩で二手に分かれます。
ひとつは床に置いて足裏を乗せる台。
もうひとつは椅子に内蔵され、座面の下から引き出したり脚部を伸ばしたりして、ふくらはぎから足首までを支える機構です。
前者は作業中の姿勢を支える道具、後者はもたれて休むための道具。
売り場では同じ「フットレスト」の名前で並びますが、使う場面が違います。
なぜ足を乗せる台が必要になるのか。
机の高さは基本的に動きません。
天板に対して肘の高さを合わせようとすれば、座面を上げるしかない。
すると身長の低い人は、かかとが床から離れます。
この状態で座り続けると、体重を支える面が座面と足先だけになり、太ももの裏が座面の前縁に押し付けられます。
足を乗せる台があれば、その圧を足裏へ分散できます。
仕様表で見る数値は、高さがcm(傾斜のある製品はmm単位で刻んでいるものもある)、天板の傾きは度、耐荷重はkgで表記されます。
単位が混ざりやすいのは高さと傾斜角で、角度を変えると足を乗せる面の高さも一緒に変わる製品があるため、片方だけ見て決めると狙った高さになりません。
なお、足のむくみや腰の張りが気になって台を探している場合、台を入れれば症状がなくなるとは言えません。
乗せる面ができれば体重のかかる場所が変わる、という構造の話にとどまります。
痛みや腫れが続くなら医療機関に相談してください。
オフィスチェアのふっとレストは大きく4種類、支え方と可動域が違う
| タイプ | 構造と可動 | 向く人 |
|---|---|---|
| 据え置きの台(角度固定) | 樹脂や木の台を床に置くだけ。高さは1つ | 必要な高さがはっきり決まっていて、動かさずに使う人 |
| 据え置きの台(角度可変) | 足を乗せる面が前後に傾く。段階式かシーソー式。角度と高さが連動するものが多い | 座り方が日によって変わる人、足首を動かしたい人 |
| デスク下に吊るハンモック型 | 天板の縁や脚にクランプやベルトで固定し、布で足を受ける | 床にものを置きたくない人。天板の厚みと形状の条件を満たせる場合 |
| 椅子と一体の格納式・オットマン | 座面下から引き出す、または別置きの台に脚を乗せる。リクライニングと組み合わせる前提 | 作業の合間に足を伸ばして休みたい人 |
作業中の姿勢を整えたいなら、選ぶのは据え置きかハンモックのどちらかです。
一体型は足を前へ投げ出す形になるため、机に向かって手を動かす姿勢とは両立しません。
休憩の姿勢を優先するなら一体型ですが、椅子そのものの大きさが変わり、後方と前方に必要な床面積も増えます。
置き場所まで含めた選び方は、オットマン付きを選ぶときの条件で解説しています。
ご覧ください。
ハンモック型は床が空く代わりに、取り付け先の条件が厳しい。
天板の厚みがクランプの対応範囲に入っているか、天板の裏に補強の桟や引き出しのレールがないか。
この2点で使えるかどうかが決まります。
高さは机の天板から逆算する|オフィスチェアの座面を下げられない場合の手順
順番を間違えると必ずやり直しになります。
椅子を体に合わせてから机を考えるのではなく、机から座面、座面から足元へと降りていってください。
手順1 天板の高さを測る
床から天板の上面までをメジャーで測ります。
既製品なら70cm前後が多いものの、脚の下に敷物があれば実測値は変わります。
カットして高さを変えた机や、天板下に引き出しがある机は、天板の下面までの寸法も測っておくと後で役に立ちます。
手順2 その天板で肘が乗る座面高を出す
椅子に座り、前腕を天板に置いて、肘が大きく上がったり下がったりしない位置まで座面を上下させます。
天板の下面と太ももの間に、指が数本入るだけの余裕があること。
この位置が、その机で使える座面高です。
手順3 床からかかとまでの距離を測る
手順2の座面高で座ったまま、かかとが床から何センチ浮いているかを測ります。
この数値が、必要なふっとレストの高さそのもの。
1cmも浮かないなら、台は要りません。
手順4 調整範囲の真ん中に入る製品を選ぶ
製品の高さ調整範囲が、手順3の数値を「範囲の端」ではなく中央付近で含むものを選びます。
端でしか合わない製品は、靴を履いた日や座り方を変えた日に対応できません。
膝が閉じすぎる高さまで上げると、今度は太ももが座面から浮いて骨盤が後ろに倒れやすくなるため、上げれば上げるほど良いわけでもない。
この手順で座面を下げられるなら、そもそも足は浮きません。
机側の高さを変えられる場合はさらに簡単で、天板を下げれば台は不要になります。
高さを変えられる机の選び方は、立ち座りを切り替える机の基準で解説しています。
ご覧ください。
もうひとつ注意点。
座面に厚みのある座布団を敷いている人は、敷いた状態で手順2と3をやり直してください。
座布団の厚みだけ座面が上がり、必要な台の高さも同じだけ増えます。
厚みと滑りにくさの見方は、座布団の厚みの目安で解説しています。
ご覧ください。
同じ「高さ3段階調整」表記でも、製品ごとに測り方が違う
数値を並べて比べたのに、届いたら高さが違った。
この事故はほとんど、寸法をどこから測っているかの差から起きます。
傾斜のついた台は、足を乗せる面の手前と奥で高さが違います。
仕様表の「高さ」が最高点(奥側の縁)を指していれば、実際にかかとが乗る手前側はそれより低い。
角度可変の製品では、角度を最大にしたときの数値だけが書かれていることもあります。
図面が載っているなら、寸法線が本体の最高点から引かれているのか、乗せる面から引かれているのかを見てください。
耐荷重の意味も製品でずれます。
足を乗せる静的な荷重を前提にした数値と、体重をかけて踏むことを想定した数値は別物。
踏み台として立つ使い方は、耐荷重の表記があっても想定外であることが多いので避けてください。
一体型のオットマンでは、伸ばしたときの長さが「座面の先端からの延長分」か「椅子全体の全長」かで、必要な床面積の見積もりが数十センチ変わります。
奥行きと幅も見落としやすい寸法。
両足を並べて乗せるには、靴やスリッパの幅を足した寸法が要ります。
片足ずつしか乗らない幅だと、結局どちらかの足が床に降りたままになる。
基準が違う前提で選ぶなら、比べる順序を固定するのが確実です。
まず手順3で出した自分の必要高さを紙に書く。
次に候補の仕様表で、その数値が「乗せる面の高さ」として書かれているか確かめる。
書かれていなければ、図面か問い合わせで確認するまで候補から外す。
数値の意味が分からないものを並べても、比較にはなりません。
合わないと起きること、商品ページのどこを確認するか
高すぎる台は、膝が持ち上がって太ももの裏が座面から離れます。
座る面が減るぶん、お尻の一点に体重が集まりやすい。
低すぎる台は、つま先だけが触れて足裏全体が乗らず、浮いている状態とほとんど変わりません。
奥行きが足りない台では、足を乗せようとして浅く腰かけることになり、背もたれに背中が当たらなくなります。
台を入れたのに座り姿勢が崩れる、という結果になりがちです。
置き場所の干渉も見落とされます。
椅子を引いたときにキャスターが台に当たる、台があるせいで椅子を机の下に入れられない、ハンモック型の布が膝に当たって脚を組めない。
デスク下の空間について、床から天板下面までの高さと、椅子を引いたときの前後の余裕を測っておくと避けられます。
確認先は、商品ページの仕様表と、メーカーが公開している図面です。
仕様表で見るのは、本体サイズ(幅・奥行き・高さ)、高さの調整範囲と段数、傾斜角の範囲、耐荷重、素材と表面の処理。
床置きの台なら、裏面に滑り止めがあるかどうかも書かれていることがあります。
パッケージの側面に同じ表があるので、店頭ならそこを読めば足ります。
取扱いは店舗や時期で変わるため、実物を見てから決めたいときは在庫の有無を先に確かめておくと空振りしません。
店頭で椅子ごと確かめるなら、座面の高さを机に合わせた状態で足の着き方まで見てください。
売り場での確認の順番は、試座で見るべき点と手順で解説しています。
ご覧ください。
座面高の調整幅が広い椅子なら、そもそも台が不要になる場合もあります。
椅子側の選び方は、自宅で疲れにくい一脚を選ぶ基準で解説しています。
ご覧ください。
よくある質問
段ボール箱や踏み台をフットレストの代わりにしてもいいですか
高さが合っていれば、足を乗せる目的自体は果たせます。
ただし段ボールは荷重で潰れて高さが変わり、木の踏み台は表面が滑って足が前へ逃げる。
傾斜もないので、足首の角度は固定されたままになります。
使うなら、必要な高さを確かめる仮合わせの道具と考えるのが現実的です。
手順3で出した数値に近い箱を1週間置いてみて、その高さで無理がないと分かってから製品を選んでください。
椅子に内蔵されたオットマンと床置きの台、どちらを買うべきですか
作業中の足の浮きを埋めたいなら床置き、休憩で脚を伸ばしたいなら内蔵型。
目的が違うので、片方がもう片方の代わりにはなりません。
1日の大半を机に向かって過ごすなら、まず床置きの台で座面高と足元を合わせるほうが先です。
フットレストを使えば脚のむくみや腰の重さは解消しますか
解消するとは言えません。
足裏が支えられれば体重のかかる場所は変わりますが、どう感じるかは体格・座る時間・机の高さで割れます。
むくみや痛みが続く場合は、道具で対処しようとせず医療機関に相談してください。
まとめ
ふっとレストに必要な高さは、机の天板から座面、座面から床へと降りていけば数値として出ます。
逆に、その数値を出さないまま製品の「高さ3段階」を比べても、乗せる面がどこを指しているのか分からないので選べません。
据え置きか一体型かの分岐も、机に向かう時間と休む時間のどちらを支えたいかで決まります。
まずはメジャーを1本用意して、天板の高さと、肘を合わせて座ったときのかかとの浮き具合を測ってみてください。
その2つの数値があれば、候補はぐっと絞れます。
