おしゃれなオフィスチェアの選び方|部屋に合わせる条件
通販の写真では細身に見えた椅子が、部屋に置くと想像より大きく、黒く見える。
おしゃれなオフィスチェアを探して最初につまずくのは、色や形の好みではなく、背もたれの高さと肘掛けの張り出しです。
背もたれが頭の後ろまで伸びる型は写真映えしますが、机に寄せると背面がそのまま部屋の視界を占めます。
肘掛けも同じ。
天板の高さが70cm前後の一般的な机だと、張り出しの大きい固定式は天板の下に収まらず、椅子を引いたまま浅く腰かける形になりがちです。
本ページでは、見た目を左右している寸法・タイプ別に向く人と向かない人・素材ごとの手入れの差まで、まとめて紹介します。
おしゃれなオフィスチェアの印象は、背もたれの高さと肘掛けの張り出しで決まる
部屋の中で椅子の印象を作っているのは、色よりも面積です。
背もたれが頭の後ろまであるハイバックは、背面のパネルがそのまま視界に入ります。
座っている本人には見えませんが、部屋の入口から見ると黒い面が一枚増えたように感じられることがある。
反対に、背もたれが肩の下で終わるローバックは机の向こう側が抜けて見えるので、同じ広さの部屋でも軽く見えます。
ただし背中の上部を預ける場所がないため、深くもたれて休む姿勢は取りにくくなります。
肘掛けは、見た目と使い勝手の両方に効く部分です。
幅の広い固定式は椅子の輪郭を大きく見せますし、肘掛けの上面が天板より高いと、椅子を机の下まで押し込めません。
押し込めなければ、座る位置が机から遠くなり、腕を伸ばして打つ姿勢が続きます。
高さや角度を変えられる可動式なら天板の下へ逃がせますが、機構が増えるぶん椅子の見た目は「事務用品らしく」なる方向へ寄ります。
肘掛けなしのすっきりした形は、部屋に馴染む代わりに腕の重さを机と肩だけで支えることになります。
脚まわりも面積の話です。
5本足のキャスター脚は樹脂・アルミ・メッキ・木調で見え方が変わり、同じ座面でも黒い樹脂脚は重く、明るい木調は軽く見えます。
そのうえで確かめてほしいのが座面の高さ。
レバーで上下できる幅は5〜10cmほどの製品が多く、低いところで40cm前後、高いところで50cm前後というのが目安です。
天板70cmの机に合わせるなら、足裏が床につき、肘が天板と同じくらいの高さに来る位置が可動域の中に入っているかを見ます。
ここが体に当たる寸法をどこから決めるかは、自宅で疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。
ご覧ください。
デザインで分かれるオフィスチェアの4タイプと、構造上の違い
メッシュのハイバック
背もたれに布を張らず、フレームにメッシュを張って支える構造です。
面が透けるので、背もたれが大きくても圧迫感は出にくい。
背中に空気が通るため、夏場に背中が張り付く感覚も出にくくなります。
一方で、メッシュは張力で支える作りなので、たわみ方はフレームの設計と張りの強さで決まります。
ヘッドレストが付く型は視覚的な高さがさらに増し、部屋の中で椅子が主役になります。
ファブリックのミドル・ローバック
ウレタンの上に布を張った、家具寄りの見え方をするタイプ。
グレーやベージュのような色が選びやすく、ソファやカーテンと色をそろえやすい方向です。
背もたれが低いぶん部屋は広く見えますが、背中の上部から首までは自分の筋肉で支えることになります。
布は光を吸うので、写真で見たより落ち着いた色に見えることが多い。
合皮と木肘を組み合わせたワークチェア
座面と背もたれを合皮(PUレザーなど)で包み、肘掛けや脚に木調のパーツを使った作り。
家具として見せる方向に振ったタイプで、リビングの一角に机を置く使い方と相性がよくなります。
ただし木肘は高さを変えられない型が多く、天板の下に入るかどうかは寸法しだい。
合皮は表面が汗と摩擦に弱く、年数が経つと表面の層が細かくはがれてくる性質があります。
脚やフレームを細くしたデザイン寄りの椅子
回転だけができてキャスターを持たない型、座面の昇降幅が狭い型、背もたれが一枚板の型など、機構を削って輪郭を細くした椅子です。
見た目はいちばん軽く、部屋に置いたときの主張も小さい。
代償として、座面の奥行き調整やリクライニングは基本的に付きません。
毎日長時間座るのか、来客用や短時間の作業用なのかで評価が正反対になります。
タイプ別に見る、おしゃれなオフィスチェアが向く人と向かない人
| タイプ | 見た目の特徴 | 構造上の代償 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| メッシュのハイバック | 面が透けて、大きくても抜けて見える | ヘッドレスト付きは高さが出て存在感が増す | 毎日数時間以上座り、背中の通気も重視する人 |
| ファブリックのミドル・ローバック | 色数が多く、部屋の家具と色をそろえやすい | 背中上部から首までの支えがない | 作業と休憩を分けて考え、机に向かう時間が中心の人 |
| 合皮+木肘のワークチェア | 家具として置ける輪郭 | 肘の高さが固定で、表面は経年で劣化しやすい | リビングや寝室に机を置き、椅子を目立たせたくない人 |
| 脚を細くしたデザイン寄りの椅子 | 輪郭が最も軽く、部屋の印象を変えにくい | 座面の奥行きやリクライニングの調整がない | 座る時間が短い人、来客と兼用する人 |
向かない組み合わせもはっきりしています。
1日8時間を自宅の机で過ごすなら、デザイン寄りの細身の椅子は調整の余地が足りません。
座面の高さと奥行きが体と合わないまま長時間座ると、体重が座骨の一点に集まりやすくなり、同じ姿勢を続けにくくなります。
逆に、週に数回しか机に向かわない人がヘッドレスト付きの大型を買うと、部屋の中で椅子だけが浮きます。
色や形の方向から候補を絞りたい場合は、色と形で選ぶときの基準で解説しています。
ご覧ください。
おしゃれさを先に決めたときに起きやすいミスマッチ
いちばん多いのが、明るい色を選んだあとの汚れです。
白やアイボリーの座面は、デニムの色移りや手の脂が付いた場所がそのまま濃く見えます。
合皮なら拭けますが、布地は染み込んでからでは戻しにくい。
色ごとの手入れの差は、白い椅子の汚れやすさと素材の注意点で解説しています。
ご覧ください。
次に、背もたれが倒れる型を選んだのに倒せない例。
深く倒れるリクライニングは、倒したときに背もたれの上端が後ろへ大きく張り出します。
壁や本棚に近づけて置くと、当たって最後まで倒れません。
角度と必要な後方スペースの見方は、リクライニングの角度と使い方の目安で解説しています。
ご覧ください。
三つめは、見た目の似た製品を価格だけで並べてしまうこと。
外観が近くても、削られているのはたいてい座面のウレタンの密度、ガスシリンダーの等級、キャスターの素材といった見えない部分です。
どこが削られやすいかは、安い椅子で削られる部分と見分け方で解説しています。
ご覧ください。
最後に、椅子だけで部屋の印象を変えようとする場合。
机まわりの見え方は、家具の色と同じくらい光の当たり方で変わります。
天井の照明だけで手元が暗いままなら、椅子を替えても机の上は暗い。
明るさと配置の考え方は、明るさと配置で目の負担が変わる基準で解説しています。
ご覧ください。
買う前に測るのは、天板の高さ・椅子を引ける距離・搬入経路
天板の高さと、肘掛けが入るかどうか
床から天板の上面までをメジャーで測ります。
次に、候補の椅子の「肘掛け上面の高さ」を仕様表で見て、天板の下面より低いかを比べる。
この2つが逆転していると、椅子を机に寄せられません。
肘掛けが上下する型なら、下げきった状態の数値で比べてください。
椅子を後ろに引ける距離
座るときに椅子を引くぶんの奥行きが要ります。
机の前面から後ろの壁や棚までを測り、椅子の全体の奥行きに30cmほど足した数字が入るかを確認します。
リクライニングを倒す使い方なら、倒したときの奥行きも足して考える必要があります。
搬入経路と、組み立てに使う場所
オフィスチェアは箱で届き、脚・ガスシリンダー・座面・背もたれを自分で組む製品が大半です。
玄関の幅、廊下の曲がり角、階段の踊り場を測っておくと、箱が入らないという事態を避けられます。
組み立てには床に1畳ぶんほどの平らな場所が要るので、そこも先に空けておくと作業が早い。
素材で変わるのは、通気と手入れの手間、そして色の持ち
メッシュは、ほこりが繊維の間に入りますが、掃除機の弱い吸引でおおむね吸い出せます。
飲み物をこぼしたときも、下に落ちるぶんが多いので座面に染みが残りにくい。
ただし白や明るいグレーのメッシュは、繊維に入った黒い粉じんが目立ちやすくなります。
ファブリックは色の選択肢が広い代わりに、汚れが染み込みます。
乾いた汚れはブラシで、液体をこぼしたときはすぐ吸い取るのが基本。
座面が取り外せる型やカバーを掛けられる型なら、汚れた面だけを扱えます。
合皮は拭ける手軽さが利点で、代償は寿命です。
表面の樹脂層が汗・摩擦・紫外線で劣化し、数年で細かいひび割れやはがれが出ることがあります。
直射日光が当たる窓際に置くなら、この点は先に納得しておきたいところ。
本革は手入れをすれば長く使えますが、乾燥と水分の両方に気を配る前提の素材です。
買い替えを考える目安は、見た目より機構に出ます。
座面が沈んだまま戻らない、レバーを引いても高さが保てない、キャスターが片方だけ回らない。
こうした症状は座り方の問題ではなく部品の劣化なので、無理に座り続けると姿勢が崩れる方向に進みます。
国内メーカーや家具量販の製品では交換部品を扱う例もありますが、取扱いは製品と時期で変わるため、購入前に補修部品の案内があるかを見ておくと後の判断が楽になります。
よくある質問
おしゃれさを優先すると、座り心地は妥協することになりますか
必ずそうなるわけではありません。
分かれ目は、削られているのが「見えない機構」かどうか。
輪郭を細くするために座面の奥行き調整やリクライニングを省いた椅子は、長時間の作業では合わせる余地が少なくなります。
逆に、メッシュのハイバックのように支える構造を持ちながら面を透かせた作りなら、見た目と調整幅は両立します。
仕様表で調整できる箇所を数えるのが確実です。
肘掛けのない椅子は、長時間の作業に向きませんか
腕の重さを支える場所が机だけになるため、キーボードを打つ位置が浅いと肩に負担が集まりやすい。
ただし、天板に手前まで腕を置ける奥行きがあり、椅子を机の下までしっかり押し込めるなら、肘掛けなしでも姿勢を保てる人はいます。
体格と机の寸法で結果が変わるので、肘掛けの有無だけで良し悪しは決まりません。
ゲーミングチェアも、おしゃれな椅子の候補に入れていいですか
用途が別の製品だと理解して選ぶなら候補になります。
ゲーミングチェアは背もたれが高く、もたれる姿勢を前提にした設計。
前傾で机に向かう時間に合わせて座面を前へ傾ける機構は、通常持っていません。
色や造形は目立つ方向なので、部屋に馴染ませたい場合とは狙いが逆になります。
フローリングにキャスターの椅子を置いても問題ありませんか
床材と樹脂キャスターの相性によっては、走った跡が残ることがあります。
フェルトやウレタンを巻いたキャスターに交換できる型もありますし、チェアマットを敷く方法もあります。
どちらも跡が絶対に付かないとは言えないため、まずは目立たない場所で様子を見るのが無難です。
座面の高さは、どの数字を見ればいいですか
座面の上面から床までの数値で、仕様表には「座面高40〜50cm」のように可動域が書かれます。
天板の高さから27〜30cmほど引いた値が、その範囲に収まっているかを見てください。
足が床に届かないときは、フットレストで支える手もあります。
まとめ
おしゃれなオフィスチェアを選ぶときに効くのは、色よりも背もたれの高さ、肘掛けの張り出し、脚の素材という「面積」に関わる部分です。
そのうえで、座面の高さの可動域が自分の机と体格に合うか、椅子を机の下まで押し込めるかを確かめれば、見た目で選んだ椅子が使えないという失敗はかなり減ります。
素材は、拭ける手軽さと寿命のどちらを取るかの選択になります。
まずはメジャーで天板の高さと、机の後ろに引ける距離を測ってみてください。
その2つの数字を持って仕様表を見比べれば、候補は一気に絞れます。
