デスクライトの選び方|明るさと配置で目の負担が変わる
デスクライトを選ぶとき、最初に見るべきは明るさの数値ではなく、机のどこにどう固定するかです。
クランプ式は天板を挟んで留める方式で、対応する天板の厚みが決まっている。
ここを確認せずに買うと、届いた日に「挟めない」で終わります。
光の色や明るさは後から調整できる製品も多いのに、設置方式だけは買い直すしかない。
しかも売り場では、置き型・クランプ式・充電式が同じ棚に並び、写真ではどれも似たアーム形状に見えます。
違いが出るのは、机の広さ・天板の材質・コンセントの位置という、自分の部屋側の条件のほう。
本ページでは、デスクライトの種類と設置方式の違い・明るさと色温度の読み方・買う前に測っておく天板の寸法まで、まとめて紹介します。
デスクライトとスタンドライト、呼び方が違っても指しているものはほぼ同じ
デスクライトは、机上の手元を照らすための照明器具です。
スタンドライト、タスクライト、デスクスタンドといった呼び名が併存していますが、通販サイトでも実店舗でも、これらはほぼ同じカテゴリの商品に付けられています。
厳密な業界規格で区分けされた用語ではないので、名前の違いを追いかけても選ぶ助けにはなりません。
区別する意味があるのは、部屋全体を照らす照明(シーリングライトやフロアランプ)との関係のほうです。
デスクライトは部屋の主照明の代わりにはなりません。
あくまで、天井の光だけでは手元が暗くなる場面を補うための道具。
逆に言えば、部屋の明かりを消してデスクライトだけで作業すると、画面や紙面と周囲の暗さの差が大きくなります。
日本産業規格のJIS Z 9110では事務所の事務作業について照度の推奨値が示されており、手元だけでなく周囲の明るさも設計対象になっています。
デスクライトを買う話は、部屋の照明を消す話ではないと覚えておいてください。
もうひとつ、間接照明として売られている製品との線引きも曖昧です。
壁や天井に光を跳ね返して雰囲気を作るタイプは、手元の文字を読むための光量を想定していないことがあります。
見た目で選びたい場合でも、作業用として使うなら照らす範囲と向きを変えられるかを見てください。
形から入る選び方は、形と光の色で選ぶときの見方で解説しています。
ご覧ください。
デスクライトの違いは、光源よりも設置方式と可動機構に出る
現在市販されている製品は、光源のほぼすべてがLEDです。
かつての蛍光灯や白熱球は、交換球の入手性を含めて選択肢から外れつつあります。
つまり「LEDかどうか」はもう選ぶ軸になりません。
差が出るのは、机への留め方と、アームがどこまで動くかです。
設置方式で決まる、机の占有面積
ベース(台座)を机に置くだけの据え置き型は、コンセントに挿せばすぐ使えます。
その代わり、台座のぶんだけ天板の面積を食う。
A4の書類を広げる作業が多い机では、この十数センチが効いてきます。
クランプ式とバー取り付け式は天板の縁を挟むので、机上の面積をほとんど使いません。
ただし挟める天板の厚みに上限と下限があり、机の縁に補強桟や引き出しがあると噛まないことがあります。
可動機構の幅が、光の当て方を決める
アームが上下にしか動かない製品と、根元・中間・ヘッドの3か所が独立して曲がる製品では、光を置ける位置の自由度がまるで違います。
手前から照らすと自分の手の影が紙面に落ちるため、利き手の反対側の斜め後ろから当てられるかどうかが実用上の分かれ目です。
関節が多いほど調整はできますが、そのぶん本体は重くなり、価格帯も上がります。
毎日長時間使うなら関節の多い型、週に数回のノートPC作業なら固定角度でも足ります。
「目に優しいデスクライト」の中身は、照度・演色性・ちらつきという仕様の話
目に優しいという表現そのものは、視力が良くなるとか疲れが治るという意味ではありません。
断定できるのは、光の仕様がどうなっているかまでです。
見るべき数値は次の3つ。
| 項目 | 単位・表記 | 読み方 |
|---|---|---|
| 照度 | ルクス(lx) | 照らされた面の明るさ。多くは「中心照度○○lx/○○cm」と、測定距離とセットで書かれる |
| 演色性 | Ra(平均演色評価数) | 色の見え方が自然光にどれだけ近いか。最大100で、数値が高いほど色が忠実に見える |
| 調光・調色 | 段階数、ケルビン(K) | 色温度は低いほど電球色(オレンジ寄り)、高いほど昼光色(青白い) |
照度を比べるときの落とし穴は、測定距離です。
同じ製品でも30cm地点と50cm地点では数値が大きく変わるため、距離の記載がない数値どうしを並べても比較になりません。
演色性は、紙に印刷した色を確認する作業やイラスト制作をする人ほど効いてきます。
文字を読むだけならそこまで神経質にならなくてかまいません。
ちらつき(フリッカー)は、LEDの明るさが電源周期に合わせて細かく変動する現象です。
人によっては気になりますが、感じ方には個人差があり、すべての人に影響が出るとは言えません。
気になる場合はフリッカーフリーをうたう製品を選ぶ、という判断になります。
目の疲れや痛みが続くようなら、照明を変える前に医療機関へ相談してください。
各数値をどの水準で見るかは、明るさとちらつきの見方で解説しています。
ご覧ください。
タイプ別に見るデスクライトの向き不向き
クランプ式・バー取り付け式
机上を広く使いたい人、書類とキーボードを同時に広げる人に向きます。
取り付け可能な天板厚は製品ごとに指定があり、一般的なデスクの天板は20〜30mm前後ですが、厚い無垢材や、逆に薄いガラス天板では挟めないことがある。
買う前に天板の厚みをノギスか定規で測ってください。
据え置き型
賃貸で机を傷つけたくない人、複数の場所で使い回したい人向け。
台座の重さがそのまま安定性になるので、軽すぎる製品はアームを伸ばしたときに倒れやすくなります。
台座の直径と机の空きスペースを照らし合わせてから決めてください。
充電式・コードレス
電源を確保しにくい場所や、机とダイニングを行き来する使い方に向きます。
ケーブルが机上を横切らないのは大きな利点。
一方で、稼働時間は明るさ設定によって変わり、最大光量では公称値より短くなるのが普通です。
バッテリーは消耗品なので、長期的には交換や買い替えを前提にすることになります。
据え置きで毎日8時間使うなら、コード式のほうが向いています。
実際にどのくらい持つのかは、使える時間と選び方の目安で解説しています。
ご覧ください。
モニターライト(スクリーンバー)
モニターの上枠に載せて、画面ではなく手前の机上を照らす形式です。
画面への映り込みを避ける設計で、デュアルモニター環境や机が狭い人に向く。
ただしモニターの厚みとベゼル形状に依存するため、曲面ディスプレイや厚みの薄い機種では載らないことがあります。
選ぶ順序は、設置方式 → 光量と色温度 → 電源の順で絞る
いきなり明るさで比べ始めると選べません。
まず自分の机に取り付けられる方式を絞り、その中で光の仕様を見て、最後に電源の取り回しを確認する。
この順番で候補は自然に減ります。
設置方式を決めるために測るのは、天板の厚み、机の奥行き、そして机の縁から壁までの距離です。
クランプを付ける位置に引き出しのレールや補強桟がないかも見ておく。
次に光量ですが、ノートPCの画面と紙のノートを併用するなら、調光の段階が細かい製品のほうが合わせやすい。
色温度を変えられる調色機能は、昼は昼白色で作業、夜は電球色で読書といった切り替えをしたい人に効きます。
切り替えを使わないなら、固定色でも困りません。
最後がコンセントです。
ACアダプター式は机の下にアダプターの置き場所が要ります。
USB給電式はモニターやハブから電源を取れる反面、ポートをひとつ占有する。
電源タップの空き口とアダプターの大きさを確認してから選んでください。
用途別にどのタイプが合うかの全体比較は、用途別の選び方と比較で解説しています。
ご覧ください。
買う前に測るべきは天板の厚みと、コンセントまでの距離
返品や買い直しにつながりやすいのは、光の質ではなく寸法の読み違いです。
実際につまずく点を具体的に挙げます。
天板の厚み
クランプの対応範囲に収まっているか。仕様表には「対応天板厚 ○〜○mm」と書かれています。幕板や桟がある位置は避けて測る
机の縁の形状
丸みのある縁、面取りの大きい縁ではクランプが滑ることがある。ゴムパッドの有無も見ておく
アームの到達距離
仕様のアーム長は、まっすぐ伸ばした最大値。実際に使う角度では届く範囲がそれより短くなります
ケーブル長
机の縁から一番近いコンセントまでを実測する。足りない場合に延長コードを足すなら、電源タップの合計容量(一般的に1,500W)を超えていないか確認してください
ヘッドの高さと視界
モニターの上端より低い位置に光源が来ると、視界に入って眩しく感じることがあります
昇降デスクで使う場合はもうひとつ注意が要ります。
天板が上下するとき、ライトのケーブルが引っ張られたり、壁や棚にヘッドがぶつかったりしないか。
可動域を実際に一往復させて確かめてください。
机そのものの選び方については、立ち座りを切り替える机の基準で解説しています。
ご覧ください。
よくある質問
デスクライトは部屋の電気を消して使ってもいいですか
おすすめしません。
手元だけが明るく周囲が暗いと、視線を移すたびに明暗差が大きくなります。
部屋の主照明と併用し、足りないぶんを手元で補うのが基本的な使い方です。
色温度は何ケルビンを選べばいいですか
一般に、昼白色と呼ばれる5000K前後が読み書きや事務作業でよく使われます。
夜にくつろぎながら読書をするなら電球色寄りの3000K前後。
どちらの場面もあるなら、調色機能付きを選んでおけば後から合わせられます。
LEDの寿命が来たら球だけ交換できますか
多くのLEDデスクライトは光源がモジュールとして本体に組み込まれており、利用者が交換する構造にはなっていません。
寿命は製品ごとに時間で表示されていますが、これは光量が一定割合まで低下するまでの目安であって、その時点で消えるという意味ではありません。
分解や自作の配線は行わないでください。
クランプが天板に跡を残しませんか
挟む力がかかる以上、柔らかい素材の天板ではへこみが残ることがあります。
付属のゴムパッドを必ず挟み、心配なら当て板を追加してください。
賃貸で机を傷つけたくない場合は据え置き型のほうが無難です。
明るさは何ルクスあれば足りますか
製品によって測定距離の条件が違うため、数値だけの比較は避けてください。
JIS Z 9110では事務作業の推奨照度が示されており、これは手元だけでなく机上全体の明るさとして考える値です。
調光段階のある製品なら、実際に座って手元が読みやすい位置に合わせるのが現実的です。
まとめ
デスクライト選びで最初に決めるのは設置方式で、そのために測るのは天板の厚みと机の空きスペース、コンセントまでの距離です。
光の仕様は照度・演色性・調光調色という数値で比べられますが、照度は測定距離が揃っていないと比較になりません。
光源はほぼLEDに統一されているので、そこは差になりません。
まずは定規を持って、机の縁の厚みを測るところから始めてみてください。
その数字が分かれば、候補は半分以下に絞れます。
明るさと色温度の具体的な目安については、明るさと色温度を決める目安で解説しています。
あわせてご覧ください。
