SHARE:

メッシュのオフィスチェアは蒸れない?向き不向きと注意点

メッシュのオフィスチェアを選ぶとき、いちばん結果を左右するのは張りの強さと、メッシュがどこまで張られているかです。

座面までメッシュの型と、背もたれだけメッシュで座面はクッションの型では、座り心地も手入れの手間も別物になります。

同じ「メッシュチェア」という売り文句で並んでいても、この2点が違えば数時間座ったあとの疲れ方が変わってきます。

通気のよさだけを見て選ぶと、座面のエッジが太ももに当たって、かえって長時間座れない一脚を引くことがあります。

本ページでは、張りと構造の違い・座面メッシュとクッションの選び分け・体格と机の高さの合わせ方・買ってから気づきやすい失敗まで、まとめて紹介します。

メッシュのオフィスチェアで最初に見るのは、張りの強さと張り方

メッシュは布ではなく、フレームに引っ張って張った膜です。

だから同じ素材名でも、テンション(張りの強さ)が違えば沈み込みがまるく変わります。

強く張ったメッシュは体を面で支え、沈み込みが浅い。

弱めに張ったメッシュは体の形に沿って沈み、包まれる感覚になります。

この違いは体重で受け取り方が変わります。

体重が軽めの人が張りの強いメッシュに座ると、ほとんど沈まないので板の上に座っている感覚に近づく。

反対に体重があるほうの人が緩めのメッシュに座ると、沈み込みが進んでフレームの縁に当たりやすくなります。

カタログに張力の数値が載ることはまずないので、判断材料は座面や背の見た目のたわみ具合と、レビューで「硬い」「柔らかい」がどちらに振れているかしかありません。

張り方の違いも見てください。

フレームの外周だけで支える構造は面が広く使え、通気の抜けもいい。

一方、面を細かく区切って張るタイプや、背の中央に縦の支柱が通るタイプは、腰の当たりが局所的になります。

背もたれの中央に太い縦フレームがある型は、背骨のすぐ横に硬い部分が来ることがあり、痩せ型の人だと当たりを感じることがあります。

張りと張り方が体に合っていないと、どれだけ通気がよくても座り続けられません。

素材の名前ではなく、支える構造として見るのが出発点です。

オフィスチェア全体をどう選ぶかという基準そのものは、自宅で疲れない一脚を選ぶ基準で解説しています。

ご覧ください。

メッシュチェアの3タイプ、構造で何が変わるか

売り場のメッシュチェアは、メッシュをどこに使っているかで大きく3つに分かれます。

見た目は似ていても、座ったときに効いてくる部分が違います。

背もたれだけメッシュ、座面はクッション

いちばん数が多いタイプ。

汗をかきやすい背中側だけ通気を確保し、体重を受ける座面はウレタンなどのクッションで支えます。

座面の厚みがあるぶん、座り心地は一般的なオフィスチェアに近い。

メッシュ特有の「面で支える硬さ」に不安がある人には、外れが少ない構造です。

代償として、座面には熱がこもります。

夏場に長時間座ると、太ももの裏が蒸れる感覚は残る。

また、座面クッションは経年で潰れるので、数年使うと厚みが減って高さが変わることがあります。

座面までメッシュの全面タイプ

座面もメッシュで張った型。

通気は最も抜けます。

汗をかきやすい人や、エアコンをあまり使わない部屋で作業する人が候補にするタイプです。

クッションが潰れるという劣化の仕方をしないのも構造上の利点。

ただし、座面メッシュはフレームの縁が体に当たりやすい構造でもあります。

座面が沈むと、外周のフレームが太ももの裏に近づく。

縁がなだらかに落ちる設計か、角が立った設計かで当たり方が変わります。

体重が重めの人や、座面の前寄りに座る癖がある人は、ここを外すと数十分で太ももが痛くなることがあります。

ヘッドレストや高い背もたれを持つ大型タイプ

背が高く、頭を預けられる型。

もたれて休む時間を取りたい人向けです。

背もたれ全面がメッシュなので、背の高い型でも重さと圧迫感が抑えられるのがメッシュを使う理由になります。

一方、前傾で作業する時間が長い人には、ヘッドレストが使われないまま重さと価格だけ増えることになります。

背もたれの高さは、机に向かう姿勢では使わない部分です。

倒して使う時間がどれくらいあるかで判断が変わる部分で、リクライニングの角度をどこまで求めるかは角度と使い方の目安で解説しています。

ご覧ください。

タイプ別に、どんな使い方の人が合うか

3タイプのどれを選ぶかは、座る時間の長さと、汗のかきやすさ、そして机に向かう姿勢で決まります。

下の表は、構造上どういう使い方に噛み合うかを整理したものです。

タイプ構造上の特徴向いている人向かない人
背もたれメッシュ+クッション座面座面に厚みがあり、当たりがまるい。背中側だけ通気が抜けるメッシュの硬さが不安な人、一般的な座り心地を保ちたい人座面の蒸れがいちばんの不満になっている人
座面まで全面メッシュ通気が最も抜ける。クッションが潰れる劣化がない汗をかきやすい人、夏場に長時間座る人座面の縁が当たりやすい体格の人、柔らかい座面を求める人
高い背もたれ・ヘッドレスト付き頭を預けられる。背が高くてもメッシュなので圧迫感は出にくい作業の合間に倒して休む時間を取る人前傾姿勢で作業し続ける人、机の奥行きが狭い人
座面の奥行き調整あり(各タイプに存在)座面が前後にスライドし、膝裏との距離を合わせられる身長が低め、または高めで既製の座面が合わない人機構が増える重さと価格を避けたい人

表のうち、いちばん見落とされるのは最下段です。

メッシュか否かより、座面の奥行きが自分の脚の長さに合っているかのほうが、長時間の疲れに直結します。

奥行きが深すぎると膝裏に座面が当たり、浅く腰かける癖がつく。

すると背もたれに背中が届かず、メッシュの通気も支持力も使えないまま座ることになります。

メッシュだから涼しい、という前提が崩れる場面

メッシュを選ぶ理由の大半は通気です。

ただ、通気が効くのは空気が抜ける構造になっている場合だけ。

背もたれメッシュのすぐ後ろに壁や本棚があって、10cmも隙間がない置き方だと、抜けた空気の逃げ場がありません。

デスクを壁に寄せ、椅子を引ける距離が短い部屋では、期待した差が出にくくなります。

座面にクッションを敷いてしまうケースも同じです。

座り心地を足すために市販のクッションを載せると、座面メッシュの通気は塞がれます。

メッシュの硬さが気になってクッションを足す前提なら、最初から座面クッションのタイプを選んだほうが構造として噛み合います。

もうひとつ、通気は服装でも変わります。

厚手のパンツや背中に張り付く素材の服を着ていれば、椅子の側で空気が抜けても体感の差は小さくなる。

メッシュを蒸れ対策の決定打として期待しすぎず、蒸れにくい方向の構造だと理解しておくほうが、選んだあとの落差が小さくなります。

なお、通気の代償として、メッシュは薄手の衣類が引っかかることがあります。

目の粗いメッシュや、繊維の端が硬く仕上がっている型では、ニットやストッキングが引っかかる可能性がある。

ここは目の細かさとレビューの傾向を見ておくところです。

買う前に測るのは、天板の高さと座面の高さ調整幅

メッシュチェアで最も多い失敗は、素材選びではなく高さのミスマッチです。

確認は3点。

床から天板までの高さを測る

いま使っている机の、床から天板上面までの高さをメジャーで測ります。

一般的なデスクは70cm前後ですが、自宅のダイニングテーブルを机にしている場合は72cm以上あることも珍しくありません。

天板が高いほど、椅子の座面も高く上げる必要が出てきます。

座面高の可動域を、自分の必要な高さと突き合わせる

椅子の仕様には座面高の範囲が書かれています。

ここが自分の必要な高さを含んでいるかを見てください。

目安として、座ったとき足裏が床につき、膝が約90度になる高さが必要な座面高です。

身長が低い人は、下限が45cm前後より高い椅子だと足が浮きます。

逆に天板が高い机では、上限が届かず机が高すぎる状態になる。

足が浮くならフットレストで補う手もありますが、まず可動域が届いているかを見るのが先です。

置ける床面積とキャスターの動き

脚部の直径(またはキャスター先端までの幅)と、後ろに引ける距離を測ります。

カタログの幅は肘掛けを含む数字なので、脚の広がりは別に書かれていることがある。

畳やカーペットの上で使うなら、キャスターの径が小さいと沈んで動きにくくなります。

床材によって、チェアマットを敷くかどうかも変わってきます。

この3つを測ってから候補を絞ると、届いてから合わないという事故がほぼなくなります。

机の高さそのものを変えられる選択肢を検討するなら、立ち座りを切り替える机の基準で解説しています。

ご覧ください。

メッシュ製オフィスチェアの手入れと、寿命の出方

メッシュの掃除は、ファブリックより手間がかかりません。

表面のほこりは掃除機のブラシノズルで吸えるし、汚れは薄めた中性洗剤を含ませた布で叩くように拭き、乾いた布で水気を取る。

目に汚れが入り込んでも、布のように内部に染み込んで残る量は少なくなります。

飲み物をこぼしたときも、下に落ちるので座面に染みが残りにくい。

ただし、こぼれた液体は床側に落ちる前提なので、下に敷物があるなら注意してください。

寿命の出方はクッションと違います。

ウレタンのクッションは潰れて厚みが減り、座面が下がる形で劣化します。

メッシュは張りが緩む形で劣化する。

緩むと沈み込みが深くなり、フレームの縁が当たりやすくなります。

座り始めた頃と比べて沈む量が明らかに増えたなら、それが買い替えを考える目安のひとつです。

もうひとつ、メッシュは張ったフレームの接合部と、メッシュの縁を留めている部分に力が集中します。

縁がほつれ始めたり、フレームとメッシュの間に隙間が見え始めたら、そこから広がりやすい。

安価な製品では、この留め方が簡略化されていることがあります。

どこにコストがかかっているかの見分け方は、削られやすい部分と見分け方で解説しています。

ご覧ください。

価格帯ごとに何が変わるのかという整理は、価格帯ごとの考え方と目安でも扱っています。

よくある質問

メッシュのオフィスチェアは冬に寒いですか

空気が抜ける構造なので、暖房の効きが弱い部屋では背中側が冷えると感じる人はいます。

膝掛けを背もたれ側に一枚かけるだけでも体感は変わります。

座面までメッシュの型だと下からも空気が通るため、床が冷える部屋では差が出やすい。

冬の冷えが気になるなら、座面クッションのタイプのほうが無難です。

体重が重めでもメッシュ座面で大丈夫でしょうか

耐荷重の表記を確認してください。

ただ、耐荷重を満たしていても、沈み込みが深くなってフレームの縁が太ももに当たるかどうかは別の問題です。

座面の縁がなだらかに落ちる設計か、レビューで縁の当たりについて言及があるかを見ておくと判断材料になります。

心配なら、座面がクッションのタイプを選ぶほうが読みが立ちます。

ランバーサポートは必要ですか

ランバーサポートは腰の後ろのカーブを支える部品です。

メッシュの背もたれは面で支えるので、腰の一点を押す部品がなくても背中全体で受けられます。

ただ、腰が反りやすい人は隙間ができるので、高さを調整できるサポートが付いた型のほうが合わせやすい。

腰の痛みが続いている場合は、椅子で解決しようとせず医療機関に相談してください。

肘掛けは可動式でないとだめですか

机の天板下に入る高さかどうかで判断が変わります。

固定式でも高さが合っていれば問題ありません。

ただ、天板が低めの机だと、肘掛けが天板にぶつかって椅子を奥まで入れられないことがある。

高さが下げられる型なら、この衝突を避けられます。

買う前に、天板下面までの高さを測っておくと確認が早く済みます。

店頭で試せない場合、どこを見れば近い判断ができますか

座面高の範囲、座面の奥行き(と調整の有無)、耐荷重、肘掛けの高さ調整、この4つの数字をそろえて自分の机と体格に突き合わせます。

数字が合っていれば大きく外すことは減ります。

デザインを優先しつつ条件を満たす探し方は、部屋に合わせる条件で解説しています。

ご覧ください。

取扱いのある型は店舗や時期で変わるので、種類の違いと選び方の目安のように実店舗で座れる系統から当たるのも現実的な手です。

まとめ

メッシュのオフィスチェアで差がつくのは、通気の有無ではなく、張りの強さと座面までメッシュかどうかという構造の選択です。

汗が主な不満なら座面までメッシュ、座り心地の当たりを取りたいなら座面クッション、という分かれ方になります。

そして、どちらを選んでも座面高の可動域が自分の机と体格に届いていなければ、素材の良さは使えません。

まずはメジャーを持って、床から天板上面までの高さを測ってみてください。

その数字と、候補の椅子の座面高の範囲を並べるところから始めれば、選択肢はぐっと絞れます。

あなたへのおすすめ