スマート電源タップはどう?できることと選ぶときの基準
スマート電源タップは、口ごとに個別でオン・オフできるものと、タップ全体を一括で切るだけのものに大きく分かれます。
売り場の写真ではどちらも同じ形の白い箱に見えるのに、この違いで使い道がまるで変わる。
個別制御なら机の上のライトだけを消して、パソコンの電源は入れたまま残せます。
一括タイプだと、その使い分けはできません。
もうひとつ効くのが通信方式で、Wi-Fi接続か、Bluetooth接続か、専用ハブが要るかによって、外出先から操作できるかどうかが決まります。
本ページでは、口ごとに切れるかどうかで変わる使い方・Wi-FiとBluetoothとハブ型で操作できる範囲が違うこと・合計1,500Wの定格をどう見るか・買う前に机の裏で測る場所まで、まとめて紹介します。
スマート電源タップで最初に見るのは、口ごとに切れるかどうか
スマートタップと名前が付いていても、制御の細かさは製品ごとに違います。
個別制御タイプは差込口それぞれにスイッチを持っていて、1口だけを切る操作ができる。
一括タイプは全体をまとめて通電・遮断するだけなので、つないだ機器は運命共同体になります。
この差が出るのは、性質の違う機器を1本のタップにまとめている机です。
デスクライト、モニター、スマートフォンの充電器、外付けハードディスク。
このうちライトだけを声や時間で消したいのに一括タイプを選んでいると、ハードディスクの電源まで一緒に落ちます。
書き込み中に電源が切れれば、データが壊れることもあります。
逆に、こたつやサーキュレーターのように「その機器1台のためにタップを1本使う」使い方なら、一括タイプで足ります。
個別制御の製品でも、全口が個別とは限りません。
4口のうち2口だけがスマート制御で、残り2口は常時通電という構成もあります。
この構成は決して手抜きではなく、切ってはいけない機器を置く場所として使える。
ルーターやネットワーク機器は、うっかり遠隔で切ると復帰に手間がかかるため、常時通電口にまとめておくほうが安全です。
仕様表の「制御可能な口数」と「総口数」が一致しているかを見てください。
通信方式で変わるのは、外出先から操作できるかどうか
Wi-Fi接続型
本体が家庭内の無線LANにつながり、メーカーのサーバー経由でスマートフォンから操作する形です。
外出先からでも操作でき、指定時刻での自動オン・オフや、スマートスピーカーとの連携にも対応しやすい。
ただし多くの製品が2.4GHz帯だけに対応しており、5GHz帯専用のネットワークにはつながりません。
ルーターがバンドを自動で振り分ける設定になっていると、初期設定でつまずくことがあります。
回線が止まればアプリからの操作もできなくなる点も、承知しておくところ。
Bluetooth接続型
スマートフォンと直接つながる方式で、ルーターの設定に左右されません。
設定は簡単な反面、電波の届く範囲を出ると操作できない。
同じ部屋の中で使うぶんには十分ですが、外出先からの遠隔操作は原則できません。
専用ハブを介する型
ZigbeeやThreadといった低消費電力の規格を使い、メーカーのハブ(中継機)を経由してインターネットにつながります。
タップ単体では動かないので、ハブを別に用意する前提。
ただし同じ規格の機器を何台も増やすときは、Wi-Fiのチャンネルを占有しない利点があります。
照明やセンサーを含めて家中をまとめたい人向けで、タップ1本だけ試したい人には遠回りになります。
タイプ別に見た、向いている人と向かない人
制御の細かさと通信方式の組み合わせで、実際の使い勝手が決まります。
自分がどの列に当てはまるかを先に決めると、候補が一気に絞れます。
| タイプ | できること・構造上の制約 | 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|---|---|
| Wi-Fi・個別制御 | 口ごとに遠隔操作とタイマー設定ができる。2.4GHz帯対応が条件で、回線が止まると操作不能 | 机の上で性質の違う機器を混ぜている人。外出先から消し忘れを直したい人 | ルーターの設定を触りたくない人 |
| Wi-Fi・一括制御 | 全口をまとめて通電・遮断。個別の切り分けはできない | 暖房器具や間接照明など、1台だけをつなぐ用途 | 常時通電が必要な機器を同じ本数に混ぜる人 |
| Bluetooth型 | スマートフォンと直結。電波の届く範囲内だけで操作 | 同じ部屋で使い、設定を単純に済ませたい人 | 外出先から操作したい人 |
| ハブ経由型 | 別売りハブが前提。同規格の機器を増やしても通信が混雑しにくい | 照明やセンサーまで含めて家全体を組みたい人 | タップ1本だけ導入したい人 |
| 電力計測付き | 口ごとまたは全体の消費電力をアプリで表示。数値は目安として扱う | どの機器がどれだけ使っているか把握したい人 | 正確な計量を求める人 |
電力計測の数値については、メーカーが公表する精度の範囲内での表示です。
使用量の傾向をつかむには役立ちますが、検定を受けた計量器ではないため、料金の厳密な計算には向きません。
口数そのものや安全機能の一般的な見方は、口数と安全機能で決める基準で解説しています。
ご覧ください。
スマート機能があっても、合計1,500Wの定格は変わらない
ここがいちばん見落とされる点です。
アプリで操作できることと、たくさんの電力を流せることは無関係。
国内向けの電源タップは合計1,500Wが一般的な上限で、スマートタップも同じ枠の中にあります。
製品ごとに1口あたりの上限が別に決まっていることもあり、その場合は仕様表の両方の数字を見る必要があります。
1,500Wという数字は、消費電力の大きい機器を2台つなぐと簡単に届きます。
電気ケトル、オーブントースター、ドライヤー、暖房器具。
この系統は1台で1,000Wを超えることも珍しくありません。
パソコンとモニター、ライト、充電器という机の上の構成なら余裕がありますが、「スマートタップで暖房を遠隔操作したい」と考えたときは、その機器1台の消費電力を本体の表示ラベルで確認してから決めてください。
タップの先にもう1本タップをつなぐ使い方、いわゆるたこ足配線は避けてください。
合計の消費電力が把握しづらくなり、定格を超えても気づけません。
差込口が足りないなら、口数の多いタップに替えるか、別のコンセントから引く。
延長コードとタップの役割の違いは、使い分けの基準と注意点で解説しています。
ご覧ください。
失敗しやすいのは、遠隔で切ってはいけない機器をつなぐこと
買ってから困る例で多いのが、遠隔操作の対象に向かない機器を同じタップに混ぜてしまうケースです。
外付けハードディスクやNASは、書き込み中に電源が落ちるとデータが壊れる可能性があります。
デスクトップパソコンも同様で、シャットダウン前に電源を切る形になれば、次に起動できなくなることもある。
冷蔵庫のように止めてはいけない家電も、遠隔操作の枠に入れる相手ではありません。
もうひとつが、機器側のスイッチとの噛み合わせです。
タップ側で通電を復帰させても、機器本体が「電源オフ」の状態を記憶していれば動きません。
通電と同時に動き出すのは、扇風機の一部やライトのように、物理スイッチが入ったままの機器だけ。
この性質を知らずに「外から電源を入れて動かす」計画を立てると、帰宅して初めて動いていないことに気づきます。
買う前に、動かしたい機器が停電から復帰したときにどう振る舞うかを確かめておくといいでしょう。
設定面では、Wi-Fiのパスワードや家庭内ネットワークの構成が変わったときに再設定が必要になります。
ルーターを買い替えたら、つないでいたスマート機器はすべて登録をやり直す。
台数が多いほど手間になるので、最初から本数を増やしすぎないほうが楽です。
スマート電源タップを買う前に、机の裏で測っておく寸法
スマートタップは通信部品と制御回路を内蔵するため、同じ口数の普通のタップより本体が厚く、長くなる傾向があります。
カタログの寸法だけ見て決めると、置き場所に収まらないことがあります。
測っておくのは3か所。
ひとつは設置予定の面の幅と奥行きで、机の裏に付けた配線トレーの内寸、あるいは家具の隙間の実寸を測ってください。
ふたつめは差込口の間隔と、つなぐ機器のプラグの大きさです。
ACアダプターのように四角く膨らんだプラグは隣の口をふさぐため、間隔が広い製品か、口が一列に並んだ形を選ぶ必要があります。
みっつめは電源ケーブルの長さで、コンセントから設置場所までの距離を実際に測る。
足りないぶんを延長コードで足すのは、たこ足になりやすいので避けたいところです。
スマート機能があっても、本体を金属面に貼り付けられるかどうかは製品ごとに違います。
マグネットを備えていない製品を無理に固定すると落下します。
取り付け方の考え方は、付く場所と注意点で解説しています。
ご覧ください。
USB出力を兼ねる製品を検討しているなら、AC口の制御とUSB出力の制御が別扱いになっていないかも仕様表で見ておく。
USB付きタップの出力の見方は、出力と同時使用できる目安で解説しています。
ご覧ください。
よくある質問
スマート電源タップは雷から機器を守れますか
雷ガードを備えた製品は、サージ(瞬間的な過電圧)を吸収する部品を内蔵しています。
ただしこれは落雷の被害をすべて防ぐという意味ではありません。
近くへの直撃では防ぎきれない場合もあり、吸収部品自体も繰り返しの使用で性能が落ちていきます。
荒天が予想されるときは、プラグを抜くのがいちばん確実な対処です。
停電から復帰したあと、設定は残りますか
タイマーや連携の設定はアプリ側またはメーカーのサーバーに保存されるため、通電が戻れば読み込まれる作りが一般的です。
とはいえ、復帰後に各口が通電状態で戻るか遮断状態で戻るかは製品ごとに違う。
仕様に「停電復帰時の動作」を選べると書かれているものもあります。
切れていてほしい機器をつなぐなら、ここを確認しておいてください。
メーカーのサービスが終了したら使えなくなりますか
Wi-Fi型とハブ型は、メーカーのサーバーを経由して動く仕組みが多いため、サービスが止まればアプリからの操作はできなくなる可能性があります。
ただし本体に物理スイッチがある製品なら、普通の電源タップとしては使い続けられます。
長く使う前提なら、物理スイッチの有無を見ておくと安心。
USB Type-C付きのスマートタップは、パソコンの充電にも使えますか
USB Power Deliveryに対応し、パソコンが求める電力を出せる製品なら充電できます。
ただし出力の値は製品ごとに大きく違い、複数口を同時に使うと1口あたりの出力が下がる仕様も一般的です。
充電にかかる時間は機器側の制御でも変わります。
Type-C付きタップの出力の読み方は、出力と対応の確認点で解説しています。
ご覧ください。
スマートスピーカーとの連携は、どの製品でもできますか
対応の有無は製品ごとに異なります。
仕様表やパッケージに、連携できる音声アシスタントの名前が明記されているかを見てください。
記載がなければ、アプリからの操作だけと考えたほうがいい。
取扱いは店舗や時期によって変わるため、購入前にメーカーの公式情報で対応状況を確かめるのが確実です。
まとめ
スマート電源タップ選びで最初に決まるのは、口ごとに切れるかどうか。
性質の違う機器を1本にまとめている机なら個別制御、1台だけをつなぐなら一括タイプで足ります。
通信方式は、外出先から操作したいならWi-Fi型、同じ部屋で完結するならBluetooth型という切り分けになります。
スマート機能が付いても合計1,500Wという定格の枠は変わらないので、消費電力の大きい機器をつなぐつもりなら、その1台の表示ラベルを先に見てください。
まずは机の裏の設置スペースを測り、つなぐ予定の機器を紙に書き出すところから始めてみてください。
切ってはいけない機器がその中にいるかどうかで、選ぶタイプが決まります。
本記事を参考に、自分の配線に合う1本を選んでいただければと思います。
