100均の電源タップはどう?使える場面と避けたい用途
100均の棚に並ぶ電源タップは、見た目だけならホームセンターのものとよく似ています。
差が出るのは、パッケージの裏に小さく書かれた定格の表示と、コードの長さ。
ここを見ずに口数だけで決めると、家に帰ってから机の裏まで届かなかった、という結果になりがちです。
家庭用の電源タップは合計1,500Wを上限とするものが一般的で、この数字は差し込んだ機器の合計で見ます。
パソコンとモニターとスマホの充電なら余裕がありますが、電気ケトルやドライヤーが1台混ざるだけで話が変わります。
本ページでは、定格表示の読み方・売り場で分かれる4つのかたち・100均で足りる使い方と足りない使い方・買う前に測る寸法まで、まとめて紹介します。
100均の電源タップで最初に見るのは口数ではなく定格の表示
手に取ってまず確かめるのは、本体の側面かパッケージに小さく印刷された定格の表記です。
電圧、電流、そして合計で何ワットまで使えるかが書かれています。
家庭用は合計1,500Wを上限とするものが一般的ですが、製品によって数字は違います。
その品の表示に従ってください。
この数字は1口あたりの値ではありません。
差し込んだ機器の消費電力を全部足した合計で見ます。
ノートパソコンのACアダプタ、モニター、スマホの充電器といったデスクまわりの機器は1台あたり数十W程度に収まるものが多く、3つ4つ足しても上限までは距離があります。
問題は熱を出す家電のほう。
電気ケトル、ドライヤー、オーブントースターは1台で1,000Wを超えるものがあり、これが1つ混ざった時点で残りの余裕はほとんど消えます。
自分の機器が何Wなのかは、本体裏の銘板シールかACアダプタの表面に印刷されています。
「100V 0.5A」のように電流だけが書かれている場合は、電圧と電流をかければおおよそのW数が出ます。
買う前にこの足し算を一度やっておくと、口数の多いタップが要るのか、2口で足りるのかが決まります。
なお、壁のコンセント側にも回路ごとの容量があり、タップを足せば使える電力が増えるわけではありません。
タップの差込口にさらに別のタップを差す使い方は、合計がいくつになっているか本人にも見えなくなるため避けてください。
口数そのものの決め方や安全機能の見方については、口数と安全機能から決める基準で解説しています。
ご覧ください。
売り場で分かれる4つのかたち、100均のタップは構造で使い勝手が決まる
配線コーナーに並ぶものは、大きく4つのかたちに分けられます。
取り扱いは店舗や時期で変わりますが、どれを選ぶかで置ける場所も、後から機器を足せるかどうかも変わります。
コードのない直挿しタイプ
壁のコンセントに直接差して、1口を2〜3口に増やす形です。
コードがないので床に線が這わず、家具の隙間でもかさばりません。
その代わり、コンセントの位置から一歩も動かせない。
机の下や棚の裏など手が届きにくい場所にあると、抜き差しのたびに体をねじることになります。
重いACアダプタを2つ差すと自重でプラグが浮いてくることもあるため、差し込む機器の重さも見ておいてください。
コード付きの平型タイプ
数がいちばん多いかたちです。
コンセントから離れた場所まで電源を持ってこられます。
100均の棚には短めの長さが並びやすいので、パッケージの長さ表記は必ず確認してください。
1mと3mでは置ける場所がまったく違います。
平たい本体は机の脚や壁際に沿わせやすい一方、口数は少なめ。
USB端子が付いたタイプ
ACの差込口に加えて、USB-Aの端子を持つものです。
スマホやイヤホンの充電をタップ側でまかなえます。
見るべきは出力の表記で、5V1Aと5V2.4Aでは充電にかかる時間が変わります。
ポートが2つある製品では、同時に使うと1ポートあたりの出力が下がる設計のものもあるので、合計出力の記載もあわせて見てください。
USB PD(急速充電の規格)への対応をうたう製品は、専門メーカーの価格帯に多くなります。
出力の読み方や同時使用の目安は、USB付きタップの出力と同時使用の考え方で解説しています。
ご覧ください。
スイッチや簡易な機構が付いたタイプ
通電を切れるスイッチ、差込口のほこりを防ぐシャッター、抜け止め、雷サージを吸収する部品。
どれが入っているかは製品ごとに違い、パッケージの表記でしか判断できません。
雷ガードの記載があっても、落雷の被害をすべて防ぐという意味ではなく、サージ(瞬間的な過大電圧)を吸収する部品を持つという仕様の話です。
スイッチも、一括式なら片方の機器だけを切ることはできません。
100均で足りる使い方と、専門店の製品に切り替えたほうがいい使い方
| タイプ | かたちの特徴 | 向いている使い方 | 避けたい使い方 |
|---|---|---|---|
| 直挿しの分岐 | コードなし、壁に直付け。口数は2〜3 | 壁の1口を分けたい。床にコードを出したくない | 重いACアダプタを複数差す。手の届かない位置での常用 |
| コード付きの平型 | 2〜4口。長さは短めが並びやすい | 卓上のスマホ充電やスタンドライト、季節家電の一時使用 | 机下でパソコン一式をまとめる(口数と長さが足りない) |
| USB端子付き | AC口+USB-A。出力表記は製品ごとに違う | 枕元や卓上で、スマホや小物を寝ている間に充電する | ノートパソコンやタブレットを短時間で充電する |
| スイッチ・機構付き | スイッチ、シャッター、サージ吸収部品などの組み合わせ | 使わない時間に通電を切りたい。ほこりの入りを抑えたい | 高価な機器の保護を主目的にする |
向くのは、口数が2〜3で足り、つなぐ機器の合計Wが小さく、使う時間も限られている場面です。
玄関先の充電、キッチンカウンターでの一時使用、来客用の予備。
この範囲なら100均の製品で条件を満たせます。
逆に向かないのは、在宅ワークのデスク下をまとめたい人です。
パソコン、モニター、ドッキングステーション、デスクライト、スマホ充電と数えていくと口数が足りず、コードも届かない。
机の上や下で使う前提の製品は、口の間隔やコードの取り回しが設計に織り込まれています。
デスク上に置く場合の高さや口の向きの見方は、卓上で使うときの選び方の基準で解説しています。
ご覧ください。
床置きで口数を稼ぎたいなら縦型という手もあり、設置面積との兼ね合いはタワー型の省スペース性と注意点で解説しています。
もうひとつ向かないのが、外出先からの操作やタイマーで通電を切りたい人。
この機能は通信部品を内蔵した製品でしか実現できません。
何ができるのかは、スマートタップでできることと選ぶ基準で解説しています。
ご覧ください。
口数だけで選ぶと、ACアダプタで隣の差込口までつぶれる
3口の製品を買ったのに、実際に使えたのは2口だった。
この失敗の原因は、差込口の間隔とACアダプタの幅が噛み合っていないことです。
四角い箱型のアダプタは本体そのものが太く、差した瞬間に隣の口を覆ってしまいます。
手持ちのアダプタの幅を定規で測り、タップの口と口の間隔と見比べてください。
間隔の記載がないときは、パッケージの写真で口の並び方だけでも確認できます。
次に多いのが長さの読み違いです。
コンセントから机までを目測で「だいたい1mちょっと」と見積もると、壁を伝わせて机の脚に沿わせた実際の経路では足りません。
足りないぶんをタップの継ぎ足しで補うのは避けてください。
合計の消費電力が把握しにくくなるうえ、接点が増えます。
コードの扱いにも落とし穴があります。
余った長さを結束バンドでぐるぐる巻きにしたまま通電すると、熱がこもります。
使う長さだけ伸ばし、余りは緩くまとめる。
カーペットの下を通したり、椅子のキャスターが乗る位置に置いたりする配置も、被覆が傷む原因になります。
最後に、高出力の家電を延長して使う選び方。
ドライヤーや電気ケトルは、それ1台で定格の大半を占めます。
こうした機器は壁のコンセントに直接差すのが基本で、タップ経由で他の機器と併用する使い方は勧められません。
買う前に測るのは、コンセントまでの距離とプラグまわりの厚み
測る対象は3つです。
壁のコンセントから設置場所までの経路の長さ、プラグの厚みが収まるかどうか、そして本体を置くスペースの幅。
経路の長さは直線ではなく実際に這わせる線で測る
メジャーを壁に沿わせ、机の脚を回り込む道筋そのままで測ってください。
直線距離より2〜3割は長くなるのが普通です。
そのうえで、少し余裕のある長さを選ぶ。
ぴったりの長さだとコードが張り、プラグの根元に力がかかり続けます。
プラグの厚みは家具の裏に置けるかを左右する
本棚やベッドの裏のコンセントを使うなら、プラグが壁からどれだけ突き出るかを見てください。
まっすぐ伸びるプラグは、家具と壁の隙間が数センチしかない場所では入りません。
向きを変えられるスイングプラグやL字型なら、隙間の狭い場所でも収まります。
置く場所の幅と、壁コンセントの空き口を数える
タップ本体は、口数が増えるほど長くなります。
机の奥行きやカウンターの幅に対して、本体が収まるかを確認してください。
同時に、壁のコンセントの空き口と、その回路にすでに何がつながっているかも数えておきます。
同じ部屋のエアコンや暖房器具と回路を共有している場合、タップの定格に収まっていてもブレーカーが落ちることがあります。
用途ごとにどのタイプが噛み合うかは、用途別のタイプの選び分けで解説しています。
ご覧ください。
電源タップは消耗品、買い替えを考える見きわめ方
買ったあとに効いてくるのが、ほこりと湿気です。
差込口とプラグの刃の間にほこりがたまり、そこに湿気が加わると、わずかな電流が流れて表面が炭化していくことがあります。
これがトラッキングと呼ばれる現象で、発火につながる場合があるとして各社が注意を呼びかけています。
長期間差しっぱなしのプラグは、ときどき抜いて乾いた布で拭いてください。
抜き差しの機会が少ない場所ほど、シャッター付きの製品が生きます。
買い替えを考える合図はいくつかあります。
プラグを差してもゆるく、少し触れただけで抜ける。
差込口の周りが変色している、焦げたにおいがする。
通電中に本体が明らかに熱を持つ。
コードに折れ癖がついている、被覆が裂けて中の線が見えている。
こうした状態が1つでもあれば、使用をやめて交換してください。
選ぶ段階で見ておきたいのが、本体のPSEマークと事業者名の表示です。
これは電気用品安全法にもとづき、製造または輸入した事業者が技術基準への適合を示すもの。
表示があることが壊れないという保証にはなりませんが、表示のない製品は候補から外せます。
使用年数の目安をパッケージや取扱説明に書いているメーカーもあるので、記載があればそれに従ってください。
そして、本体を開けて配線をいじる、コードを切って延長する、といった手直しはしないこと。
分解した時点で、表示されていた技術基準の前提から外れます。
よくある質問
100均の電源タップは安全に使えますか
製品ごとに定格が決まっていて、その範囲で正しく使うことが前提になります。
本体にPSEマークと事業者名の表示があるか、表示された合計W数を超えていないか、ほこりがたまっていないか。
この3点を確認してください。
安全かどうかは製品だけでなく、つなぐ機器と置き場所で変わります。
パソコンとモニターをまとめてつないでも問題ありませんか
消費電力の合計だけを見れば、ノートパソコンとモニターの組み合わせは定格に対して余裕があることがほとんどです。
困るのは口数と長さのほう。
ドッキングステーションやライトまで足すと2〜3口では収まりません。
デスク周辺をまとめる用途なら、口数と設置方法から設計された製品のほうが扱いやすくなります。
電気ケトルやドライヤーを差してもいいですか
これらは1台で1,000Wを超えるものがあり、他の機器と併用すると合計が上限に近づきます。
壁のコンセントに直接差してください。
どうしても延長が必要な場合は、その機器だけを単独でつなぎ、対応する定格の製品を選ぶこと。
タップにタップを差して口数を増やせますか
やめてください。
差込口は増えても、大元のコンセントから取れる電力は変わりません。
合計の消費電力を把握しにくくなり、接続部分も増えます。
口数が足りないなら、必要な口数を持つ1本に買い替えるほうが確実です。
どれくらいの期間で買い替えるべきですか
年数だけで機械的に決まるものではありません。
メーカーが交換の目安を示している場合はその記載に従い、それとは別に、プラグのゆるみ・変色・発熱・コードの傷といった変化が出たらすぐに交換します。
差しっぱなしの場所ほど点検の機会が減るので、年に一度は抜いて状態を見てください。
まとめ
100均の電源タップは、口数が2〜3で足り、つなぐ機器の消費電力が小さく、使う時間も限られている場面なら十分に候補になります。
逆に、デスク下をまとめたい・高出力の家電を使いたい・長さが要るという条件では、口数と定格とコード長のどれかで足りなくなる。
判断の分かれ目は価格ではなく、定格表示と長さの数字です。
まずは手持ちのACアダプタの幅と、コンセントから設置場所までの経路の長さを測るところから始めてみてください。
その2つの数字を持って売り場に立てば、棚の前で迷う時間はぐっと短くなります。
