タワー型電源タップの特徴|省スペース性と選ぶ注意点
机の下のタップを覗くと、差し込み口が2つ空いているのに、もう1本も差せない。
原因はたいてい大きなACアダプタで、隣の口まで覆ってしまっているからです。
タワー型の電源タップが選ばれる理由の多くはここにあります。
柱のように立てた本体の複数の面へ口を振り分けているので、アダプタ同士がぶつかりにくい。
ただし、口が増えても使える電力は増えません。
家庭用タップの定格は合計1,500Wが一般的で、その上限はタワー型でも変わりません。
形で解決するのは差し込みの物理的な干渉だけ、と考えておくと選び方を間違えにくくなります。
本ページでは、口の並びとアダプタの干渉・形ごとの違いと向いている人・1,500Wを先に使い切る失敗・足元に置くときの寸法の測り方まで、まとめて紹介します。
タワー型の電源タップが選ばれるのは、口をACアダプタで潰さないから
平置きのタップで起きるのは、口の数と実際に差せる本数が合わないことです。
ノートパソコンの電源、外付けドライブ、モニターのアダプタ。
箱型のプラグがそれぞれ隣へはみ出して、6口のうち埋まったのは4口という状態になります。
差し込み口の間隔(ピッチ)が広い製品を選べばいくぶんましになりますが、平面に一列という形そのものが持つ限界です。
タワー型は、その干渉を縦方向へ逃がした構造です。
本体を立てて前後左右の面に口を分散させるため、隣り合う口が同じ平面に並びません。
大きなアダプタを差しても、向かいや上下の面までは覆わない。
結果として、表示されている口数に近い本数を実際に使えます。
だから見るべき数字は、総口数よりも「1面あたり何口あるか」です。
12口でも1面に4口ずつ縦に並んでいれば、同じ面でアダプタが上下に干渉します。
面が4つに分かれていて1面3口なら、大きめのアダプタを面ごとに1個ずつ割り振れる。
売り場やページの写真では正面しか写っていないことが多いので、側面と背面の写真を探して口の並びを確かめてください。
口数そのものの決め方や、雷サージ吸収素子・ほこり防止シャッターといった安全機能の見方は、口数と安全機能で決めるときの基準で解説しています。
ご覧ください。
縦置き・キューブ・円筒、形で変わるのは口の向きと設置面積
タワー型とひとくくりにされますが、売り場に並ぶ形はいくつかに分かれます。
違いは高さと底面積、そして口がどの向きを向いているか。
この3つで置ける場所が決まります。
縦長タワー型
高さ30cm前後の柱に、4面へ口を振り分けたタイプ。
口数がいちばん多く、USB出力を上面や側面に持つものもあります。
机の下やデスクサイドに立てて、パソコンと周辺機器の電源をまとめる用途に向きます。
反面、高さがあるぶん重心が上がり、足元では蹴って倒しやすい。
キューブ・ボックス型
手のひらに乗る立方体に近い形で、各面に1〜2口を配置したもの。
口数は控えめで、USBポートを併せ持つ製品が多い。
机の上に置いてスマートフォンやイヤホンの充電をまとめたい人向けです。
AC側の口が少ないので、モニターやドッキングステーションまで集めようとすると足りません。
円筒・回転型
円周に沿って口を並べた形で、コードが四方から集まる場所でも各機器の向きに合わせて差せます。
上面にUSBを置く構造が多く、テーブルの中央や寝室のサイドテーブルのように、人が周りを行き来する場所と相性がいい。
ただし円周に沿って差すとコードが放射状に広がるため、壁際に寄せる使い方には向きません。
比較対象として、従来の平置き型は薄くて倒れません。
家具の裏や壁との数センチの隙間に沿わせられるのは、平置きだけの利点です。
タワー型を選ぶなら、その薄さを捨てる代わりに何を得るのかをはっきりさせておいてください。
タワー型のタイプ別に、向いている人と向かない人
| タイプ | 構造の特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 縦長タワー型 | 複数面に口を分散。口数が多く、高さがある | デスク下でパソコン・モニター・周辺機器の電源をまとめたい人 |
| キューブ・ボックス型 | 底面積が小さく背も低い。AC口は少なめでUSB併載が多い | 机の上に置いて数台ぶんの充電を主に扱いたい人 |
| 円筒・回転型 | 円周に口を配置し、差す向きの自由度が高い | テーブル中央など、四方からコードが集まる場所で使う人 |
| 平置きの直列型 | 薄く、倒れない。口は一列に並ぶ | 壁際や家具の裏の狭い隙間に沿わせたい人 |
向かない人もはっきりしています。
小さな子どもやペットが動き回る床にタワー型を置く使い方は避けたほうがいい。
縦に長い形は倒れやすく、倒れたまま通電すると口の向きが変わってコードに横方向の力がかかります。
カーペットの上も同じで、毛足に沈んで傾いたまま使うことになります。
もうひとつ、机の天板裏や金属ラックへ貼り付けて浮かせたい人にもタワー型は不向きです。
重量と高さがあるため、背面にマグネットを持つ製品はほとんどありません。
浮かせて配線したいなら選ぶ形が変わります。
どこに付くのか、付けてよい場所はどこかは、マグネット付きが付く場所と注意点で解説しています。
ご覧ください。
口数の多さで選ぶと、電源タップの定格1,500Wを先に使い切る
タワー型でいちばん多い誤解が、口が多い=たくさん使えるという読み方です。
日本の家庭用コンセントは100Vで、タップの定格は合計1,500Wが一般的。
12口あっても、そこに流せる電力の総量は6口の製品と変わりません。
口数は「同時に差せる本数」であって、「同時に働かせられる量」ではありません。
幸い、デスク周りの機器は消費電力が小さいものが中心です。
ノートパソコンの充電器、モニター、外付けストレージ、スピーカー、卓上ライト。
これらを合わせても定格に届くことはまずありません。
問題になるのは熱を出す機器です。
電気ケトル、ヒーター、ドライヤーは単体で1,000Wを超えるものがあり、こうした機器はタップではなく壁のコンセントへ直接差してください。
冬に足元の小型ヒーターをタワー型へ差し、そのままパソコンを使うという組み合わせが、いちばん危ない足し算です。
合計を知るには、各機器の底面やACアダプタに刻印された定格入力の表示を見ます。
W表記があればそのまま足す。
A(アンペア)表記なら100を掛けて概算のWにする。
この計算をしておけば、口が埋まる前に電力のほうが先に上限へ近づく機器構成かどうかが分かります。
USB出力付きを選ぶときも、同じ考え方が要ります。
USBポートの数だけ全力で充電できるとは限らず、多くの製品はUSB側の合計出力に上限を持ちます。
ポートごとの出力と合計出力の関係は、USB出力と同時使用できる目安で解説しています。
ご覧ください。
買う前に測るのは、足元の面積とコードの長さ
タワー型で返品理由になりやすいのは、性能ではなく寸法です。
測るのは3か所。
置く場所の底面積、上に何もない状態で確保できる高さ、そして壁のコンセントから置き場所までの距離です。
底面は、製品仕様の幅と奥行きより一回り大きく見ておいてください。
差したプラグとコードが本体の外へ張り出すので、実際に占める面積は本体寸法どおりになりません。
デスク下に置くなら、椅子のキャスターが通る範囲と重なっていないかも確認します。
キャスターに一度乗り上げたタップは、コードの根元に繰り返し力がかかります。
高さは、机の下段の棚板や引き出しの底との間隔で決まります。
高さ30cmのタワーを25cmの空間へ入れると、当然入りません。
斜めに寝かせて押し込む使い方は、メーカーが想定した向きから外れるのでしないでください。
コードの長さは、直線距離ではなく実際に這わせる経路で測ります。
壁沿いに回して机の脚に沿わせ、天板の下まで上げる。
この経路をメジャーでたどると、体感の1.5倍くらいになることが珍しくありません。
長さの選択肢は1m前後から3m前後まで幅があるので、測った値より少し余裕のあるものを選ぶ。
とくに天板が上下する机では、上げ切った位置でコードが引っ張られないだけの余りが要ります。
机が動く前提の配線をどう組むかは、立ち座りを切り替える机を選ぶときの基準で解説しています。
ご覧ください。
ほこりと熱、通電したまま置きっぱなしにしないための点検
タワー型は、いったん設置すると数年そのままになりがちな道具です。
口が多いぶん抜き差しの機会も少なく、机の下で視界から消えます。
そこで溜まるのがほこり。
差し込み口の隙間にほこりが積もり、そこへ湿気が加わると、プラグの刃の間で微小な放電が続くトラッキング現象につながります。
使っていない口にシャッター(ほこりの侵入を防ぐ蓋)を備えた製品を選ぶと、この経路をひとつ減らせます。
熱の逃げ場も見ておいてください。
タワー型は本体の内部に配線と部品が詰まっているため、段ボールや書類の下に埋めると熱がこもります。
周囲を布で覆う置き方、コードをきつく束ねたまま通電する使い方はどちらも避ける。
半年に一度、本体を引き出して口の周りを乾いた布で拭き、プラグを差したときのぐらつきを確かめる。
この程度の点検で十分です。
買い替えを考える目印は、外観に出ます。
口の周りの樹脂が茶色く変色している、プラグを差しても保持が緩くて自重で抜けてくる、コードの付け根に折れ癖が付いている。
どれかが当てはまれば、内部の状態は外から判断できません。
雷サージ吸収素子を持つ製品も、サージを受けるたびに素子が消耗していくため、年数が経ったものを新品同様と考えないほうがいい。
用途ごとにどのタイプへ乗り換えるかは、用途別のタイプの選び分けで解説しています。
ご覧ください。
よくある質問
タワー型を横に倒して使っても大丈夫ですか
取扱説明書に指定された向きで使ってください。
縦置き前提の製品を横倒しにすると、口が上を向いてほこりや飲みものが入りやすくなります。
設置場所の高さが足りないなら、寝かせるのではなく背の低いタイプへ変えるほうが安全です。
USB付きのタワー型でノートパソコンも充電できますか
ポートの出力と、パソコン側が求める電力が噛み合えば充電できます。
USB Power Delivery対応で必要なW数を出せるポートかどうかが分かれ目。
充電にかかる時間は機器側の制御でも変わるので、出力が大きいほど必ず速いとは言えません。
対応表記の読み方については、Type-Cの出力と対応の確認点で解説しています。
ご覧ください。
雷ガード付きなら、つないだ機器は守られますか
雷ガードはサージ(瞬間的な過電圧)を吸収する部品を内蔵しているという意味で、落雷の被害をすべて防ぐものではありません。
近くへの落雷では通信線側から回り込むこともあります。
長期の外出前は、プラグを抜いておくのが確実です。
タワー型に延長コードを差して口を増やしてもいいですか
やめてください。
タップにタップを重ねるつなぎ方は、合計1,500Wという上限の管理ができなくなります。
口が足りないなら、壁のコンセントの別の系統から取るか、口数の多い製品に置き換える。
増設ではなく置き換えで考えるのが原則です。
PSEマークは何を見ればいいですか
本体やパッケージに記された、電気用品安全法の基準に適合したことを示す表示です。
定格(100V・15A・1,500Wなど)の刻印と合わせて確認できます。
表示が見つからない製品は、定格の裏付けそのものが分かりません。
まとめ
タワー型の電源タップが解決するのは、大きなACアダプタで隣の口が使えなくなる問題です。
総口数ではなく、面ごとの口数と並びを見る。
そのうえで、口が増えても合計1,500Wという上限は変わらないので、熱を出す機器は壁のコンセントへ回す。
この2点を押さえれば、選ぶ形はだいぶ絞れます。
まずは置きたい場所の底面積と高さ、そしてコンセントまでの実際の配線経路をメジャーで測ってみてください。
数字が出てから製品を見比べると、候補は自然に数点まで減ります。
