モバイルモニターの選び方|持ち運べる画面を選ぶ基準
モバイルモニターは、持ち運びを前提に作られた薄型の外付けディスプレイです。
据え置きモニターと違って多くの製品はスタンドを内蔵したカバー式で、電源アダプターを使わずUSB-Cから給電と映像を1本でまとめられる型も多い。
ここで最初につまずくのが、その「1本で映る」がパソコン側の対応しだいだという点です。
端子の形が同じUSB-Cでも、映像出力に対応していなければ画面は真っ暗のまま。
13.3インチと15.6インチが製品数の中心で、重さはおおむね数百グラムから1kg台まで。
この差が、毎日カバンに入れるかどうかの分かれ目になります。
本ページでは、似た言葉との違い・パネルと接続方式で変わること・持ち運びと画面サイズの兼ね合い・買う前に測っておく数字まで、まとめて紹介します。
モバイルモニターとは、スタンドを内蔵した持ち運べる外付けディスプレイ
据え置きの液晶モニターは、支柱と台座があって初めて立ちます。
モバイルモニターはその支柱を持ちません。
代わりに、本体に折りたたみ式のカバーが付属していて、それを折って角度を作って立てる。
だから厚みは1cm前後に収まり、パネルの薄さがそのまま製品の薄さになります。
売り場や検索結果では「ポータブルモニター」「サブモニター」「モバイルディスプレイ」といった呼び名が混ざります。
ポータブルモニターはほぼ同義語で、メーカーによって表記が違うだけ。
サブモニターは「2枚目の画面」という役割を指す言葉なので、据え置きの液晶をサブに使う場合もサブモニターと呼ばれます。
つまり、サブモニターを探して出てきた製品が持ち運べるとは限りません。
混同しやすいのがタブレットです。
タブレットにも画面はありますが、あちらは中に演算装置とOSを持つ独立した端末。
モバイルモニターはOSを持たず、映像を受けて表示するだけの箱です。
逆に言えば、パソコンをつながないと何も映りません。
iPadをサブディスプレイにする使い方と比べたとき、モバイルモニターの利点は遅延の少なさと画面サイズの選択肢、弱点は単体では役に立たないことです。
モバイルモニターの違いは、接続方式・パネル・解像度の3か所に出る
同じ15.6インチでも製品によって使い勝手が変わります。
差が出る場所は限られていて、買う前に見るべきなのは接続方式、パネルの駆動方式、解像度です。
接続方式(USB-C 1本か、HDMI+給電の2本か)
USB-C 1本で映像と電力をまとめられるのは、パソコン側のUSB-C端子がDisplayPort Alternate Modeに対応している場合だけです。
対応していない場合はHDMIで映像を送り、USBから別に給電します。
机の上に走るケーブルが1本か2本かの違いで、持ち運ぶときの荷物も1本ぶん増えます。
自分のパソコンがどちらなのかは、メーカーの仕様ページで端子の説明を確認するのが確実です。
パネルの駆動方式(IPS・VA・有機EL)
モバイルモニターで多いのはIPSです。
斜めから見ても色が転びにくい方式で、複数人で画面をのぞく場面や、真正面に置けない机でも見え方が崩れにくい。
VAはコントラストが高めですが視野角がIPSより狭くなります。
有機ELを採用した製品もあり、黒の締まりで有利な一方、価格帯は上がります。
解像度(フルHDか、それ以上か)
13.3〜15.6インチのフルHD(1920×1080)が最も選択肢が多い組み合わせです。
同じサイズで4Kを選ぶと文字が細かくなりすぎるため、OS側の拡大表示を使うことになります。
表示できる情報量が増えるわけではないので、画面の広さを求めているならサイズを上げるほうが素直な選択です。
薄さと軽さをねらった作りには、そのぶんの代償がある
モバイルモニターの薄さは、据え置きモニターが内蔵している部品を外に出すことで成立しています。
電源回路を小さくし、スタンドをカバーに置き換え、スピーカーは入っていても小さい。
その結果として得られるのが、カバンに入る厚みと、机の上を占める面積の小ささです。
代償はいくつかあります。
まず輝度。
据え置きの一般的な製品より最大輝度が控えめな製品が多く、直射日光が入る窓際では見えにくくなることがあります。
次にスタンド。
カバー式は角度の選択肢が2〜3段しかないものが多く、画面の高さは基本的に机の面から立ち上がる位置に固定されます。
据え置きモニターのように目線の高さへ持ち上げるには、別途スタンドを用意するかVESA穴付きの製品を選ぶ必要があります。
音についても期待しすぎないほうがいい。
内蔵スピーカーは音が出る程度と考えて、会議や動画で音質が要るならイーヤホンか外部スピーカーを使ってください。
そして本体の剛性。
薄い筐体は画面を押すとたわみやすく、タッチ対応モデルでは操作するたびに本体が動くことがあります。
モバイルモニターが向く人と、据え置きを買ったほうがいい人
持ち出す予定がまったくないなら、同じ画面サイズの据え置きモニターのほうが素直です。
スタンドで高さと角度が変えられ、輝度にも余裕があり、電源はコンセントから取れる。
自宅の机に置いたまま毎日8時間使うなら、可動範囲の広さがそのまま姿勢の作りやすさに効いてきます。
逆にモバイルモニターが生きるのは、次のような条件です。
ノートパソコンを持って移動し、行った先で2画面にしたい。
自宅の机が狭く、使わないときは片付けたい。
ノートの画面と並べて使うので、ノート側と同じくらいのサイズで足りる。
帰省や出張の荷物に画面を1枚足したい。
こうした使い方では、据え置きの台座が邪魔になります。
用途別にどのタイプへ寄せるかは、用途から絞り込むタイプ別の考え方で解説しています。
ご覧ください。
タイプ別の分け方と、それぞれが合う人
13.3インチ前後の軽量タイプ
重さが1kgを下回るものが多く、毎日カバンに入れる前提ならこの帯です。
ノートパソコンが13〜14インチなら、並べたときの高さも揃います。
ただし表示できる情報量はノート側と同程度。
表計算を横に広げる用途には物足りません。
どこまで軽さを優先し、何を諦めるかの線引きは、重さの目安と削ってよい仕様で解説しています。
ご覧ください。
15.6〜18インチ級の大型タイプ
資料を2つ並べたり、動画の編集画面を広く使いたい場合はこちら。
画面が大きいほど作業は楽になりますが、カバンの容積を食います。
17インチを超えると一般的なビジネスバッグに入らないことがあり、専用のスリーブや大きめのリュックが前提になります。
どのサイズまでが現実的に持ち運べる範囲かは、大きさと携帯性のつり合いで解説しています。
ご覧ください。
タッチパネル対応タイプ
画面に直接触れて操作できる型です。
同じサイズの非タッチより重く、厚みも増えます。
画面に指で触れる以上、指紋の付着も避けられません。
タッチが生きるのは、注釈を入れる作業や、Windowsのタブレット的な使い方をする場面。
マウスとキーボードだけで完結する仕事なら、重さのぶんが損になります。
どんな作業でタッチ操作が価値を持つのかは、タッチが向く使い方と向かない使い方で解説しています。
ご覧ください。
ワイヤレス対応タイプ
ケーブルを使わず映像を送る方式に対応した製品もあります。
机の上は片付きますが、電源は本体に必要で、映像を無線で送るため遅延が出ます。
仕組みと注意点は、無線接続の仕組みと使いどころで解説しています。
ご覧ください。
2枚を組み合わせるデュアルタイプ
1台のノートに2枚のモバイルモニターを足す構成や、2画面が1台にまとまった製品もあります。
表示領域は広がる代わりに、重さと給電の負担が二重になります。
給電の考え方まで含めた組み方は、2画面の使い分けと構成のしかたで解説しています。
ご覧ください。
モバイルモニターの選び方は、端子の確認から始めて重さで締める
順序を間違えると、届いてから使えないことに気づきます。
最初に確認するのは、自分のパソコンやスマートフォンがどの端子で映像を出せるか。
USB-CがDisplayPort Alternate Modeに対応していればケーブル1本で済み、対応していないならHDMI出力の有無を見ます。
ここが決まらないと、ほかの仕様を比べても意味がありません。
次にサイズです。
ノートパソコンと並べるなら、ノートの画面サイズと同じか1〜2インチ上まで。
ここで決めた寸法から、持ち運ぶカバンに入るかを逆算します。
3番目が解像度で、13〜15インチならフルHDが基準。
4Kは映像や写真を扱う人向けの選択です。
4番目にスタンドと据え置き方法。
カバー式で足りるか、VESA穴(背面のネジ穴。
間隔は75×75mmや100×100mmで表記されます)を使ってアームに付けたいかで、対応製品が変わります。
VESA対応と書かれていても、アーム側の耐荷重と対応画面サイズは別に確認してください。
最後に重さ。
ここは前段までで残った候補の中から選ぶ項目です。
先に軽さから入ると、端子が合わない製品を選んでしまいます。
買う前に測っておく数字と、届いてから気づく食い違い
実際の買い間違いは、仕様表の読み違いから起きます。
測っておくべき数字は3つ。
| 測るもの | 照らす先 | 外したときに起きること |
|---|---|---|
| カバンの内寸(縦・横・厚み) | 製品の外寸とスリーブの厚み | 本体は入るが、カバー付きだと入らない |
| 机の奥行き | スタンドを開いたときの接地面の奥行き | キーボードを置く余地がなくなる |
| パソコン側の端子と対応 | 製品が要求する入力(USB-C映像入力/HDMI) | つないでも映らず、変換アダプターが別に必要になる |
もう一点、給電の食い違いがあります。
USB-C 1本で使う場合、パソコン側が供給できる電力が足りないと、画面が暗くなったり接続が切れたりします。
パソコンの端子が給電に対応していないこともあるので、その場合は別途USB電源から給電する構成になります。
ここでコンセント側の口数が足りなくなる人も多い。
電源まわりを増やすときは、タップの定格容量(合計1,500Wが一般的)を超えないよう合計を確認してください。
スタンドの角度も見落としがちです。
カバー式は段階が限られているため、机が低いと画面を見下ろす角度になります。
机の高さそのものを見直したい場合は、立ち座りを切り替える机の選び方で解説しています。
ご覧ください。
画面の高さと目線の関係で疲れ方が変わるので、机側から調整するという選択肢も持っておくといいでしょう。
なお机が狭くなる問題は、キーボードとマウスの置き場から先に効いてきます。
作業面の使い方を整えるなら、素材とサイズで変わる使い心地も参考になります。
よくある質問
USB-Cケーブル1本でつなげば必ず映りますか
映るとは限りません。
パソコン側のUSB-C端子がDisplayPort Alternate Mode(映像出力)に対応している必要があります。
端子の形は同じでも、データ転送と充電だけに対応した端子もあります。
メーカーの仕様ページで、その端子が映像出力に対応しているかを確認してください。
ゲーム機につないで使えますか
HDMI入力を持つ製品なら、映像自体は表示できます。
ただし据え置きゲーム機は本体側の電源が別に必要で、モニター側も給電が要るため、コンセントが2口ふさがります。
リフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)は製品によって60Hzのものが多いので、高いレートで遊びたいなら仕様表の数値を先に見ること。
13.3インチと15.6インチ、どちらを選べばいいですか
持ち運ぶ頻度で決めるのが分かりやすい。
ほぼ毎日カバンに入れるなら13.3インチ前後、月に数回の出張や自宅の机での常設なら15.6インチ。
ノートパソコンと並べて高さを揃えたい場合は、ノート側の画面サイズに近いほうが視線の移動が小さくなります。
スマートフォンの画面を映すことはできますか
機種がUSB-Cからの映像出力に対応していれば可能です。
対応していない機種では、ケーブルをつないでも映りません。
また映ったとしても、表示のされ方はスマートフォンのOSと機種の仕様で変わります。
使う予定があるなら、その機種の外部出力対応を先に調べてください。
グレアとノングレアはどちらがいいですか
光沢のあるグレアは色が濃く見え、映像を見る用途では有利。
反射は強く出ます。
ノングレアは映り込みが少なく、照明や窓の光が入る部屋で文字を読む作業に向きます。
自宅の机が窓に向いている、または背後に照明があるなら、ノングレアのほうが無難です。
まとめ
モバイルモニターを選ぶ順序は、端子の確認から始めてサイズと解像度を決め、最後に重さで絞る。
この順番を守れば、届いてから映らないという事故はほとんど避けられます。
薄さと軽さは、輝度やスタンドの可動範囲を削って成り立っているもの。
持ち出さないなら据え置きのほうが快適だという判断も、十分にありえます。
まずは自分のパソコンの端子が映像出力に対応しているかを調べて、次に普段使うカバンの内寸を測ってみてください。
その2つの数字が出れば、候補は一気に絞れます。
