SHARE:

マイク付きWebカメラの選び方|音の拾い方と使う注意点

Webカメラの商品ページで見かける「マイク内蔵」「デュアルマイク」「ノイズリダクション対応」は、どれもカメラ本体に集音用のマイクが組み込まれていることを指す表記です。

ただし数が2つでも、拾える距離や声の輪郭はまったく別。

マイクは口元との距離で性能がほぼ決まる部品なので、モニター上に置いたカメラのマイクは、構造上どうしても口から50〜70cmほど離れた位置から音を拾うことになります。

ここを理解しないまま「マイク付きだから別売りのヘッドセットは不要」と考えると、会議で相手から声が遠いと言われる状況になりがちです。

本ページでは、マイク付きの表記が示す中身・数と方式の違い・自分の会議環境から選ぶ手順・別のマイクを足すべき境目まで、まとめて紹介します。

マイク付きwebカメラの「マイク付き」が示しているもの

まず前提として、この表記は音質を保証するものではありません。

カメラ本体に集音素子が入っていて、USBで接続したときにパソコン側から「マイク」としても認識される、という接続上の事実を示しているだけです。

だからこそ確認する価値がある表記でもあります。

マイク非搭載のWebカメラを買ってしまうと、パソコン内蔵マイクや別売りマイクを用意しない限り、こちらの声はまったく届きません。

仕様欄で使われる語もいくつかに分かれます。

「内蔵マイク」または「マイク内蔵」は、素子の数に触れずに搭載の有無だけを示す書き方。

「モノラルマイク」は素子が1つ、「ステレオマイク」「デュアルマイク」は2つを意味します。

これに加えて「ノイズキャンセリング」「ノイズリダクション」と書かれている製品は、拾った音から一定の環境音を減らす処理を持つという主張です。

どの程度減るかはメーカーが方式を公表していないことも多く、数値で比べられる項目ではありません。

もうひとつ、集音範囲を「◯m」と書く製品があります。

これはその距離まで声を拾えるという目安で、その距離で明瞭に聞こえることを保証する数字ではない点に注意してください。

部屋の反響、エアコンの風、キーボードの打鍵音が同時に入るので、実際に使える距離は表記より短くなるのが普通です。

モノラル・ステレオ・ノイズ処理、表記別に何が違うのか

数が増えると音が良くなる、という単純な話ではありません。

素子が2つある構成は、声の方向を判別して不要な方向の音を抑える処理に使えるほか、単純に左右の音を分けて記録する用途にも使われます。

前者ならWeb会議で有利に働きますが、後者は会議では意味が薄い。

同じ「ステレオ」でも狙いが違うわけです。

仕様欄の表記意味するところ向いている人
モノラルマイク(内蔵マイク)集音素子が1つ。方向の判別は行わない静かな個室から1人で参加する人
ステレオ/デュアルマイク素子が2つ。左右で記録するか、方向判別に使うかは製品による生活音がある部屋で使う人、録画も兼ねる人
ノイズリダクション対応拾った音から環境音を減らす処理を持つとメーカーが表記空調やPCファンの音が常にある机で使う人
集音範囲◯m表記その距離まで声を拾う目安。明瞭さの保証ではない複数人で1台を囲んで使う可能性がある人
マイク記載なし集音素子を持たない。音は別系統で用意するすでにヘッドセットや専用マイクがある人

表を上から見て自分の環境に当てはまる行が「モノラルで足りる」だったなら、マイク仕様に予算を割く理由はほとんどありません。

その分を解像度やレンズ側に回したほうが会議での印象は変わります。

映る範囲と画質をどう見積もるかについては、画質と画角で決まる映りの基準で解説しています。

ご覧ください。

自分に合うマイク付きwebカメラは、部屋と参加人数から決まる

選ぶ順番は決まっています。

まず自分が会議中に出す音以外の音を数えてください。

エアコン、換気扇、家族の話し声、外の車。

この数がゼロに近いなら、モノラルの内蔵マイクでも相手に不満は出にくい。

1つでも常に鳴っているものがあるなら、ノイズリダクションの記載がある製品を選ぶ価値があります。

次に、カメラから口元までの距離を測ります。

モニター上端に載せる使い方なら、実測で50〜80cmになる人が多いはず。

この距離が1mを超えるなら、集音範囲の表記が自分の距離をカバーしているかを必ず確認してください。

ノートパソコンの横に置いて顔だけ近づける使い方なら、距離は短くなるので条件はゆるくなります。

最後に参加形態です。

1人で参加するなら、カメラのマイクよりヘッドセットのほうが常に有利です。

口元にマイクが来る構造なので、部屋の音が入る割合が減る。

一方、同じ部屋にいる2〜3人で1台を囲んで参加するなら、全員がヘッドセットを着けるより、集音範囲の広いカメラ内蔵マイク1本のほうが運用は楽になります。

ここが分岐点です。

用途ごとの向き不向きをもう少し広く見比べたい場合は、用途別に見る選び分けで解説しています。

ご覧ください。

同じ表記でも製品ごとに聞こえ方がずれる理由

マイクの性能を横並びで比べにくいのは、公開される数値が統一されていないからです。

カメラの解像度なら1080pや720pという共通の物差しがあります。

マイクは感度をdBで書く製品、集音範囲をmで書く製品、素子数だけを書く製品が混在していて、そもそも同じ軸で並べられません。

加えて、実際の聞こえ方は製品の外にある要素で大きく変わります。

マイクの穴がカメラ本体のどこに開いているか(正面か側面か)、本体がモニターの縁で振動を拾いやすい形かどうか、パソコン側のOSやアプリが独自のノイズ抑制をかけているか。

会議アプリの多くは自前の音声処理を持つので、カメラ側のノイズリダクションと二重にかかることもあります。

この組み合わせは事前に予測できません。

では何を頼りにするか。

仕様の数値ではなく、公開されているレビューで「声が遠いと言われた」という指摘が繰り返し出ているかどうかを見るほうが実用的です。

同じ指摘が複数の使用者から出ている製品は、構造的に口元から遠い音を拾いやすい可能性があります。

ただしレビュー投稿者の部屋の条件は分からないので、参考の域を超えないことも押さえておいてください。

マイク性能が合っていないと会議で何が起きるか

症状は決まったパターンで出ます。

ひとつは、こちらの声が小さく聞こえて相手が何度も聞き返す状態。

マイクと口元の距離が遠いのに感度が低い組み合わせで起きやすく、声を張って話し続けることになるので、長い会議では疲れます。

もうひとつは、逆に環境音が大きく入る状態。

キーボードの打鍵音がそのまま相手に届き、自分がタイプしている間だけ声が埋もれる。

マイクがカメラ本体の下側を向いていて、机の振動を拾いやすい配置だとこうなりやすい。

カメラを机置きのスタンドからモニター上に移すだけで改善することもあります。

そして、そもそも認識されないケース。

USB接続のカメラは音声デバイスとしても登録されますが、パソコン側の入力デバイスが内蔵マイクのまま固定されていると、カメラのマイクは使われません。

「マイク付きを買ったのに音質が変わらない」という状況の多くは、入力デバイスの選択が切り替わっていないだけです。

買い替える前に、会議アプリの音声設定でどのマイクが選ばれているかを見てください。

なお、接続方式そのものを勘違いしていると話が変わります。

ワイヤレスで使えると思って探していた場合の前提については、接続方式の違いと注意点で解説しています。

ご覧ください。

マイク付きwebカメラの仕様は、商品ページのどこを見るか

確認場所は3か所です。

ひとつめは商品ページの仕様表。

「マイク」または「オーディオ」という行があり、そこに「内蔵モノラル」「ステレオ」「ノイズリダクション対応」のいずれかが書かれます。

この行が存在しない、または「-」になっている製品は、マイクを持たないと考えるのが安全です。

ふたつめはパッケージ側面の仕様欄。

店頭で確認するなら、箱の裏か側面に小さくまとめられた表を見てください。

集音範囲がある製品はここに「◯m」と入ります。

みっつめはメーカーの製品ページで、型番ごとの詳細仕様が置かれている階層。

販売店のページより情報量が多く、素子数まで書かれていることが多い。

同じシリーズでも型番の末尾が違うとマイク仕様が変わることがあるので、型番を最後まで一致させて確認してください。

なお、取扱いは店舗や時期によって変わります。

店頭で見た型番が通販では別の型番に置き換わっていることもあるため、仕様の確認は買う直前のページで行うのが確実です。

特定モデルの仕様の並びを一度見ておきたいなら、C920nの仕様と向いている使い方で解説しています。

ご覧ください。

よくある質問

マイク付きwebカメラがあればヘッドセットは要らない?

1人で参加する会議が中心なら、ヘッドセットのほうが有利な場面が多く残ります。

口元にマイクが来るぶん、部屋の音が入る割合が下がるからです。

カメラ内蔵マイクが向くのは、同じ部屋の複数人で1台を共有する場合や、手元を自由にしておきたい場合。

両方持っておいて、会議の形態で切り替えるのがいちばん融通が利きます。

ステレオマイクのほうがモノラルより会議に向いている?

一概には言えません。

素子が2つあっても、それを方向判別に使う製品と、左右の音を分けて記録する製品があります。

前者は会議で効きますが、後者は録画向けの機能なので会議での差はほとんど出ない。

仕様欄に「ノイズリダクション」や「指向性」の記載があるかどうかを、素子数よりも先に見てください。

マイクの音が相手に届かないときは何を確認する?

順番に3つ。

会議アプリの音声設定で入力デバイスがカメラ側になっているか、OSの設定でアプリにマイクの使用許可が出ているか、USBケーブルがハブ経由ではなく本体の端子に直接つながっているか。

ハブ経由だと電力や帯域の都合で音声側だけ認識されないことがあります。

ここまで見て変わらなければ、製品の故障を疑う段階になります。

まとめ

マイク付きという表記は、カメラ本体に集音素子があるという構造の説明であって、音質のランクを示すものではありません。

判断の順番は、部屋にある常時鳴っている音を数える、口元までの距離を測る、1人か複数人かを決める。

この3つが決まれば、モノラルで足りるのか、ノイズリダクション付きが要るのか、そもそもヘッドセットのほうが向いているのかまで見えてきます。

まずは今使っているモニターの上端から自分の口元までを、メジャーで一度測ってみてください。

その数字が、仕様表のどの行を重く見るべきかを決めてくれます。

あなたへのおすすめ